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家の妖精
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「どうして?彼を好きになっただけなのに」
『泣かないで』
『悲しまないで』
家で女の子が涙し、妖精が慰めます。
お屋敷で「魔女だ!」と大人に言われた後、家に逃げ帰りました。
それから男の子とは会えず、仕事もさせてもらえません。
それどころか、「この町から出て行け」と言われています。
女の子には身寄りがおらず、天涯孤独の身です。
「何処に行けっていうのかしら?」
そう呟くように女の子が言うと、妖精達が騒がしくなります。
『出て行っちゃうの?』
『なんで?』
『行っちゃ嫌だ!』
『ここに居て』
女の子は困ってしまいます。
長く住んだこの家に思い入れはありますが、仕事がなければ
食べていけないのです。
そんな時、
「どなたかいらっしゃいますか?」
現れたのは、お屋敷に来ていた大人の1人です。
すっぽり身体が隠れるローブを来ています。
フードをとると、優しげなお爺さんでした。
「こんにちは、お嬢さん。少々お庭を見せてもらえませんか?」
その後ろには、お屋敷のメイドをしているおばさんがいました。
追い返すわけにもいかず、家に招きます。
「おや、妖精がたくさんいるね。居心地が良いのかな?」
お爺さんには妖精が見えるようです。
メイドのおばさんにお茶を出し、お爺さんにも勧めます。
「お嬢さんは妖精と仲が良いのかね?」
周りの皆は妖精が見えないので、妖精たちの話をするには初めてです。
「はい。いつも話し相手になってくれます。」
「そうか。では妖精の悪戯に悩まされていないかね?」
「悪戯ですか?」
お菓子を食べてしまったり、飲もうとしたお茶に花が浮いていたりとちょっとした悪戯
はあるものも、お爺さんの深刻な顔に黙ってしまいます。
「妖精は人とは違う。付き合い方は考えたほうが良い。」
そう言い残して、帰ってしまいました。
メイドのおばさんは、様子を見にきてくれたようですが
仕事はまだ休んでいるように言われてしまいます。
夕食のおかずを届けてくれたのでお礼を言って、別れました。
「これからどうしよう?」
誰も居なくなった部屋で女の子が呟きます。
仕事を変えなければならのでしょうか?
町を出ていくことになったら…。
『なら、何処へも行けなくなれば良いよ』
女の子の足が、動かなくなりました。
『泣かないで』
『悲しまないで』
家で女の子が涙し、妖精が慰めます。
お屋敷で「魔女だ!」と大人に言われた後、家に逃げ帰りました。
それから男の子とは会えず、仕事もさせてもらえません。
それどころか、「この町から出て行け」と言われています。
女の子には身寄りがおらず、天涯孤独の身です。
「何処に行けっていうのかしら?」
そう呟くように女の子が言うと、妖精達が騒がしくなります。
『出て行っちゃうの?』
『なんで?』
『行っちゃ嫌だ!』
『ここに居て』
女の子は困ってしまいます。
長く住んだこの家に思い入れはありますが、仕事がなければ
食べていけないのです。
そんな時、
「どなたかいらっしゃいますか?」
現れたのは、お屋敷に来ていた大人の1人です。
すっぽり身体が隠れるローブを来ています。
フードをとると、優しげなお爺さんでした。
「こんにちは、お嬢さん。少々お庭を見せてもらえませんか?」
その後ろには、お屋敷のメイドをしているおばさんがいました。
追い返すわけにもいかず、家に招きます。
「おや、妖精がたくさんいるね。居心地が良いのかな?」
お爺さんには妖精が見えるようです。
メイドのおばさんにお茶を出し、お爺さんにも勧めます。
「お嬢さんは妖精と仲が良いのかね?」
周りの皆は妖精が見えないので、妖精たちの話をするには初めてです。
「はい。いつも話し相手になってくれます。」
「そうか。では妖精の悪戯に悩まされていないかね?」
「悪戯ですか?」
お菓子を食べてしまったり、飲もうとしたお茶に花が浮いていたりとちょっとした悪戯
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そう言い残して、帰ってしまいました。
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仕事はまだ休んでいるように言われてしまいます。
夕食のおかずを届けてくれたのでお礼を言って、別れました。
「これからどうしよう?」
誰も居なくなった部屋で女の子が呟きます。
仕事を変えなければならのでしょうか?
町を出ていくことになったら…。
『なら、何処へも行けなくなれば良いよ』
女の子の足が、動かなくなりました。
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