カミ視点 <<世界の成り立ち>>集

魔女の望み

もっとを望まなければならない

あたたかさも
一瞬だけの満たされた心も
私のものだ

厄介な案件だと依頼を断り
善人でもお引き取り願う

すがる先を間違えちゃいけないよ
その代償が守るべき家族というのが魔女の望むものなのさ
関係性が強ければ、それだけ強いモノが手に入る。
それを使えば、依頼の通りにできることもある。だから

追い返せる奴は追い返す。

そんなことをしていれば、こっちが追い出されるんだけどね。

私が魔女であっても、
よくある温かい家庭という文字に
憧れじみた思いもある。

“幻想だ”と本気で思うことも

それを得るのに足りないものと
欲するものがないのだと
自分に言い聞かす

わがままを言うな
全部なくなっちゃうぞ？

と子どもに言うように
だけど理不尽に
つきつけるのだ

オマエの現実は？

冷えた心だ
凍ってはいないが
寒さを感じないフリをする


すがりつきたいし
夢もみたいが

その相手に
拒絶も重荷を背負わせるのも望まない
魔女に関わればどうなるか、忘れてはならない。

相手の承諾もなしに始まってしまうのだ。そうなれば
“罪悪感”
なんて感じるなよ？
被害者じゃないんだから
だから涙が出るのは生理現象の所為だ。

痛いよりキモチがイイのが良いし
熱さを受け入れるのも気持ちがいい

ただ身体が離れると
寂しさに近いものを感じる

いいや温度が下がっただけだ。物理的に。

身支度を済ませて日常に戻っても

先に身体の関係になればなおさら
うまくアプローチできる気がしなかった


魔女として
火あぶりは御免だが

それくらい熱さを感じていたいものだ
物理は勘弁だが。


ちょろさがここに極まっているだろう
けど
気持ちと生活の“バランス計“は壊れていても


崩れてはいない

魔女だからさ