上 下
8 / 10

懲りない令嬢

しおりを挟む
婚約者探しは難航した。

「何あれ?嫌味を言ったのに、喜んでる。」
「ののしると喜ぶ性質でしょうか?潰してください。」

「あたしにやれって?」
「私では圧が足りず、ご褒美になってしまうでしょう?」

たまに厄介な相手を押し付けあった。


平穏無事な学生生活ながら
碌な男がいないせいで、あたしともあろう者に婚約者がいない。

「他の方達から取るわけにもいかないし。」

「上位だと婚約は当然のようですものね。」

意外にティンもお付き合いはしていないらしい。
そこは遠慮しなくて良いのよ?勧められそうなのを聞いてみる。


「騎士候補は?」
「脳筋はちょっと。」

「そう?あの真っ直ぐしか進めない感じが、可愛いと思えるんだけど。」
「好みは被りませんね。」


貴族令嬢と幅広く付き合ってみたりするサーシャ。

アリスティンには男も女も寄ってくるものの、お帰りいただいているようだ。


それぞれ得意な担当がある。

「愛人にと言ったやつは、あたしが潰した。」

世間的にも
爪弾きにできるくらい社交が秀でる。あんたが何の用?
って言えばできるくらいには力がついた。

「ああ。そんなのいたっけ。」と忘れがちだが。

それで困ることはない。今も…


「サーシャ!お前が妹を虐めていると知っているぞ!」

「誰?パーティで騒ぐなんて、どこのもんよ?」

サーシャの気を引こうとあたしをダシにする気か
その根性が気に入らない。


「この後にプロポーズしても、ときめかないものね。」

「ええ。これはないでしょう。」


「妹をいじめた罪だっけ?」

「ええ。わたしがいじめられたそうです。」


「そうなの?」

「ないですね。」


「泣きながら訴えていた!怖くないぞ?」

「捏造で、妄想です。」

「胸に飛び込んでおいで?僕の小鳥ちゃん」

「怖気が走りました。慰謝料を請求します。」

本当に慰謝料は請求しよう。名誉毀損も追加でとサーシャが決める。
「なんでこいうのを集めてくるの?趣味なのかしら。」

ティンは麗しい顔その額に、眉根を寄せる。
「不本意です。養子で義理の妹だというだけでこういうのが近づいてくるんです。」


「それは、ご愁傷様。」


仲が良いのだが、周りは情報だけで踊り出す。


いじめられている
泣いていた

メイドをさせられ
金に困っている。



事実は、泣いていたんじゃなく、爆笑していた。
お金はあった方が良いので、取れるところからいただく。

奢ってもらうし。

メイドは趣味になりつつある。
メイド服なだけで、入っていける話題があって楽しい。

ちゃっかり、学生生活を楽しんでいるだけだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】殿下、私ではなく妹を選ぶなんて……しかしながら、悲しいことにバットエンドを迎えたようです。

みかみかん
恋愛
アウス殿下に婚約破棄を宣言された。アルマーニ・カレン。 そして、殿下が婚約者として選んだのは妹のアルマーニ・ハルカだった。 婚約破棄をされて、ショックを受けるカレンだったが、それ以上にショックな事実が発覚してしまう。 アウス殿下とハルカが国の掟に背いてしまったのだ。 追記:メインストーリー、只今、完結しました。その後のアフターストーリーも、もしかしたら投稿するかもしれません。その際は、またお会いできましたら光栄です(^^)

厚かましい妹の言掛りがウザ……酷いので、家族総出でお仕置きしてみた。

百谷シカ
恋愛
「はあ!? 自分が愛されてるとでも思ってるの? ディーン様は私を愛しているのよ!!」 私はオーベリソン伯爵令嬢カルロッテ・バーン。 婚約者のディーンことシーヴ伯爵とは、超絶うまくいっている。 「お姉様みたいに血筋しか取り柄のない女どもは所詮ちんけな政治の道具! 図に乗らないで!」 このムカムカする女は年子の妹エヴェリーナ。 2ヶ月前、ライル侯爵令息アルヴィン・クーパー卿と婚約してからというもの図に乗っている。 「ディーンと私はラブラブよ」 「はあ!? 頭がおかしいんじゃない? 結婚なんて諦めて修道院にでも入ったらぁ?」 「はあ?」 「〝はあ!?〟 それしか言えないわけ? 本当に救いようのない馬鹿ね!」 たしかに超絶美少女のエヴェリーナはその美貌でアルヴィン卿を射止めたけど…… 「あの方の前では猫被ってるから」 私たち家族は頭を抱えた。 そして、私の婚約者ディーンはブチギレた。 「俺の愛しているのはカルロッテただひとりだ。むかつく!」 そこで私たちは計画を立てた。 エヴェリーナの本性をアルヴィン卿に晒してやるのだ……!

【完結】義母が斡旋した相手と婚約破棄することになりまして。~申し訳ありませんが、私は王子と結婚します~

西東友一
恋愛
義母と義理の姉妹と暮らしていた私。 義母も義姉も義妹も私をイジメてきて、雑用ばかりさせてきましたが、 結婚できる歳になったら、売り払われるように商人と結婚させられそうになったのですが・・・・・・ 申し訳ありませんが、王子と結婚します。 ※※ 別の作品だと会話が多いのですが、今回は地の文を増やして一人の少女が心の中で感じたことを書くスタイルにしてみました。 ダイジェストっぽくなったような気もしますが、それも含めてコメントいただけるとありがたいです。 この作品だけ読むだけでも、嬉しいですが、他の作品を読んだり、お気に入りしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています

オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。 14回恋愛大賞奨励賞受賞しました! これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。 ありがとうございました! ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。 この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)

お久しぶりです、元旦那様

mios
恋愛
「お久しぶりです。元旦那様。」

愛するお嬢様を傷付けられた少年、本人が部屋に閉じこもって泣き暮らしている間に復讐の準備を完璧に整える

下菊みこと
恋愛
捨てられた少年の恋のお話。 少年は両親から捨てられた。なんとか生きてきたがスラム街からも追い出された。もうダメかと思っていたが、救いの手が差し伸べられた。 小説家になろう様でも投稿しています。

王妃さまは断罪劇に異議を唱える

土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。 そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。 彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。 王族の結婚とは。 王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。 王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。 ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。

愛されていないのですね、ではさようなら。

杉本凪咲
恋愛
夫から告げられた冷徹な言葉。 「お前へ愛は存在しない。さっさと消えろ」 私はその言葉を受け入れると夫の元を去り……

処理中です...