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妹、ご苦労。

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それから2人で入学した。

寮生活で、ティンが同室。
メイド服彷徨いても、他の子もメイドがいるので見咎められない。

「にメイドです。」

「そう答えるせいで、侯爵家のメイドが可愛いって聞かされるんだけど?」

「ありがとうございます」

「褒めてない!迷惑!!」

ティンはモテる。ドレスでもメイド姿でも。

「あたし?高嶺の花は“うしょうむしょう”が寄って来なくて良いわ。」


「“有象無象”ですね。羨ましいです。」

「嫌味じゃなく、本音なのよね。」
「はい。」

あの元婚約者とは関わりもなくとはなっていない。
とはならないかった。しつこい!

フリーだからと2人に粉かける。反省の色なし。

「あれと婚約してたという事実を消したい。」
「あれ自体を消せないでしょうか?」

2人ともに、鬱積が溜まっているのを再確認した。

「突撃かましてくるアイツが来るたびに

『お茶!』って怒鳴ってたから?だって、イラつくし。」

「確かに、イラついてましたが心中お察し致します。」


ティンにも迷惑だった。
この妹、趣味メイドを楽しんでいる。ついでに頭脳派

あたし達の関係が変わったことと言えば、
メイドの時は名前で呼ばなくなった事かな。

「メイドには力があるんです!」

「本に影響でもされたのかしら?
今話題の本は、メイドが裏で暗躍する話しよね。」

「それは、サイドストーリーですよ。王子との恋愛の話です。」

「そうだっけ?おもしろいとこしか覚えてないわ。」


そんな話をしていたら。めっきり会うことがなくなった。
逃げ出すくらい?

裏で何かトドメを刺したのか。噂を流したか?

「まあいいわ。うちに問題がかからないなら」

「ご安心ください。先輩にも合格点をいただきました。」

「もう仕事にできるんじゃないの?うちから嫁に出すつもりなのに。」


ティンの暗躍に呆れて、お茶を飲み干した。


婚約者の捕獲を目指して、日々を過ごしている

お茶会、催事と活動的にティンを連れて動いた。

「ティンだって、相手見つけなさいよ?」

「近寄ってくる男って、難ありばっかなんです。」

目を逸らした。


あたし、サーシャ・コンフォルトは目立っていた。

馬鹿が居たら物申し、小さな事でもやられたらやり返し

勉強もほどほど、社交に精を出した。

「令嬢として有名なには別にいいけど。」

「婚期が遠のきますよ?」

ってなんでかしら。
そう言ったやりとりに勉強や愚痴と仲良く過ごす。

鬱憤バラシの甘い物をこっそり嗜み


学生生活を謳歌していた。

「勉強に」

「恋に?」

変な男が多いけど。馬鹿力の脳筋は、口でやり返し
しつこい粘着質は、裏でお話だ。
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