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5 ギルの冒険
しおりを挟むギルの狙いは、森にある。
「木の実を狙う」
もうひとつのチームは海の依頼を受けた。木の実が終わったら海の依頼を手伝いに合流だ。
こうなったのも片方だけじゃ、供物としては不十分とされるかもしれん。
ただ、2つ一緒なら問題ないだろう。
そういう事も以前あったらしい。
「そういう踏襲が大事な事もあんだよお」
「オッチャン達も参加するってさ」
「参加人数も増えたな。」
「ギルドはクエスト扱いで、冒険者を集めたかんなあ。」
実の近くにいる魔物を狩るのが目的だ。
それに加えて、オレらの実を売った金額の一部も入るって事にした。
普段よりギルドの方が色をつけて支払ってくれる。
国の外からの組織、馴染むためにはその国の風習も取り入れてと色々言っていたが。
「皇女様への印象も良いだろう、と。」
「ま、それで良いなら。」
両方達成させ、合同で奉納する事になる。
14歳と若いが、今やっておけばと参加した奴もいた。
「さっさと成人したいの?」
「結婚どうこうより、ギルドの印象も良くなるし」
まあそういう奴もいて、
成人していないと揶揄われた奴もいるらしい。
「まあ酒が入ってのことだろうが」
「鬱陶しかった」
「迷惑だよなあ。」
そんな条件いきなり出されても、戸惑うだけだ。
外からの男達には関係のない話なのだろうが、ギルドへの貢献的にはまたとない機会でもある。
参加人数もそういう事だろう。
オッサンもちらほらいる。
「2回に分けての挑戦か。
「それでもギリギリ依頼料とトントンな利だ。」
命を大事に
それでも、長く待つ気はない。
「この機会を逃したくない。」
焦りがじわりと湧きあがってくる。
こういう時は、動くと良くない。慎重に呼吸をする。
細く長い呼吸。
オレは依頼を達成したい。着実に、決めたい。
2日経った早朝、ギルドに集まった。
稼ぎ続けないと難しい者の参加は難しい。街の依頼争奪戦を終えて去っていく。
「その日の稼ぎを止めてまで依頼を受ける利もないかもなあ。」
「支度にかかる金もケチれないからな。」
「ギルドもその辺、後々の事は考えるらしいが。」
「オレは、それまで待てない。」
焦らず、確実にが依頼のモットーだ。今回は焦っているのは自覚しているが、方法を選んだ。
1人では難しいレベルだ。慣れないメンバーでもあっても。慎重にいきたい。
目指すのは山頂だ。
「夕どきまでに歩ききって、下見に行くぞ。」
装備の確認をしあって、ギルドを出る
「魔物を引きつける組と、採取するのとで分かれるぞ」
オッチャンが引率のように、リーダー役。
後は得意な武器で分ける。
「まっ、また来た時は一人でいってくれりゃあいい。」
採取は時期と魔獣の動きも変わってくる
簡単に見えても、そうとは限らないんだがな。
山を警戒しながら歩いていくのはキツい。
「海の方にすりゃよかったか?」
「あっちは罠作りからだろ?知らないと役立たずだぞ。」
「こんがらがって分かんねーよ、あんな罠。」
海の方は、罠で魔魚を狙う。
大掛かりなため、罠の準備期間と全員集まって、引っ張る計画だ。
「運次第だよな?」
「いや、潮目が見れる人がいるから人がいるから。腕力あれば可能性は高い。」
「でもさー、それだけゲットしても奉納には足りねーんだろお?」
「相当な大物じゃないと、格が合わないんだってさっ!」
「マジやってらんねー!!」
若いと愚痴が多いのか。騒がしい。オッサン達は特に口を挟むことなく歩いている。
普段は酒と一緒に愚痴吐きだが、まあ安定感あるな。
海が良かったとぼやく男に、ゼルは真っ当なツッコミを入れた。
「おまえ、海の方へ行っても、道具買ってないだろ?」
「まーあ~、後ででも使わないしなあ」
「こっちは人数が多いから、魔獣も近寄ってこないのは良いなあ。」
「森でこんだけ魔獣に会わないのも珍しいな。」
「こんだけ騒がしい武装している集団に、近づいてくるか?」
「オレなら避ける。」
まだ、元気が有り余っている様子だが、まだ予定の半分だ。
「魔獣が来てもボコれるぞ」
「時間がかかるから、目的の場所についてからだな。」
食糧は持っているが、現地調達。肉ならいくらでも入る。
「っつーか、腹減った。」
「採取もしていくかあ。」
こんだけ人数がいると、食いもんはいくらあっても足りそうにない。
「あれ食えそー」
「ほどほどにな。」
もともと、個人主義な冒険者達が団体行動も難しい。
目的地はわかっているだろう、少しバラけた冒険者を目に止めつつ進む。
「まあ、よさそうなのがいたら晩飯になるよなあ」
「ここら辺のなら、そう手こずらないな。」
まだ山の裾野部分。寒くなるとは思えないが装備は準備できている。
「寒いって話だよな?」
「山頂だしな。」
「魔鳥が風で襲ってくるって、どうなるんだろーな。」
危険な依頼だが、やる事は決まっている。
「オレは果実を獲る」
「たくさん取ってきてくれよー?」
魔鳥を相手するための武器をぶん回して言う。
まだ先はある。魔鳥がいるかもわからない状況だが、探す場所は分かっている。
冒険者が集まると、緊張感ないような会話が広げられている。
こんなんでも魔獣が出れば依頼のために、真剣になれるプロ達だった。
「木の実を狙う」
もうひとつのチームは海の依頼を受けた。木の実が終わったら海の依頼を手伝いに合流だ。
こうなったのも片方だけじゃ、供物としては不十分とされるかもしれん。
ただ、2つ一緒なら問題ないだろう。
そういう事も以前あったらしい。
「そういう踏襲が大事な事もあんだよお」
「オッチャン達も参加するってさ」
「参加人数も増えたな。」
「ギルドはクエスト扱いで、冒険者を集めたかんなあ。」
実の近くにいる魔物を狩るのが目的だ。
それに加えて、オレらの実を売った金額の一部も入るって事にした。
普段よりギルドの方が色をつけて支払ってくれる。
国の外からの組織、馴染むためにはその国の風習も取り入れてと色々言っていたが。
「皇女様への印象も良いだろう、と。」
「ま、それで良いなら。」
両方達成させ、合同で奉納する事になる。
14歳と若いが、今やっておけばと参加した奴もいた。
「さっさと成人したいの?」
「結婚どうこうより、ギルドの印象も良くなるし」
まあそういう奴もいて、
成人していないと揶揄われた奴もいるらしい。
「まあ酒が入ってのことだろうが」
「鬱陶しかった」
「迷惑だよなあ。」
そんな条件いきなり出されても、戸惑うだけだ。
外からの男達には関係のない話なのだろうが、ギルドへの貢献的にはまたとない機会でもある。
参加人数もそういう事だろう。
オッサンもちらほらいる。
「2回に分けての挑戦か。
「それでもギリギリ依頼料とトントンな利だ。」
命を大事に
それでも、長く待つ気はない。
「この機会を逃したくない。」
焦りがじわりと湧きあがってくる。
こういう時は、動くと良くない。慎重に呼吸をする。
細く長い呼吸。
オレは依頼を達成したい。着実に、決めたい。
2日経った早朝、ギルドに集まった。
稼ぎ続けないと難しい者の参加は難しい。街の依頼争奪戦を終えて去っていく。
「その日の稼ぎを止めてまで依頼を受ける利もないかもなあ。」
「支度にかかる金もケチれないからな。」
「ギルドもその辺、後々の事は考えるらしいが。」
「オレは、それまで待てない。」
焦らず、確実にが依頼のモットーだ。今回は焦っているのは自覚しているが、方法を選んだ。
1人では難しいレベルだ。慣れないメンバーでもあっても。慎重にいきたい。
目指すのは山頂だ。
「夕どきまでに歩ききって、下見に行くぞ。」
装備の確認をしあって、ギルドを出る
「魔物を引きつける組と、採取するのとで分かれるぞ」
オッチャンが引率のように、リーダー役。
後は得意な武器で分ける。
「まっ、また来た時は一人でいってくれりゃあいい。」
採取は時期と魔獣の動きも変わってくる
簡単に見えても、そうとは限らないんだがな。
山を警戒しながら歩いていくのはキツい。
「海の方にすりゃよかったか?」
「あっちは罠作りからだろ?知らないと役立たずだぞ。」
「こんがらがって分かんねーよ、あんな罠。」
海の方は、罠で魔魚を狙う。
大掛かりなため、罠の準備期間と全員集まって、引っ張る計画だ。
「運次第だよな?」
「いや、潮目が見れる人がいるから人がいるから。腕力あれば可能性は高い。」
「でもさー、それだけゲットしても奉納には足りねーんだろお?」
「相当な大物じゃないと、格が合わないんだってさっ!」
「マジやってらんねー!!」
若いと愚痴が多いのか。騒がしい。オッサン達は特に口を挟むことなく歩いている。
普段は酒と一緒に愚痴吐きだが、まあ安定感あるな。
海が良かったとぼやく男に、ゼルは真っ当なツッコミを入れた。
「おまえ、海の方へ行っても、道具買ってないだろ?」
「まーあ~、後ででも使わないしなあ」
「こっちは人数が多いから、魔獣も近寄ってこないのは良いなあ。」
「森でこんだけ魔獣に会わないのも珍しいな。」
「こんだけ騒がしい武装している集団に、近づいてくるか?」
「オレなら避ける。」
まだ、元気が有り余っている様子だが、まだ予定の半分だ。
「魔獣が来てもボコれるぞ」
「時間がかかるから、目的の場所についてからだな。」
食糧は持っているが、現地調達。肉ならいくらでも入る。
「っつーか、腹減った。」
「採取もしていくかあ。」
こんだけ人数がいると、食いもんはいくらあっても足りそうにない。
「あれ食えそー」
「ほどほどにな。」
もともと、個人主義な冒険者達が団体行動も難しい。
目的地はわかっているだろう、少しバラけた冒険者を目に止めつつ進む。
「まあ、よさそうなのがいたら晩飯になるよなあ」
「ここら辺のなら、そう手こずらないな。」
まだ山の裾野部分。寒くなるとは思えないが装備は準備できている。
「寒いって話だよな?」
「山頂だしな。」
「魔鳥が風で襲ってくるって、どうなるんだろーな。」
危険な依頼だが、やる事は決まっている。
「オレは果実を獲る」
「たくさん取ってきてくれよー?」
魔鳥を相手するための武器をぶん回して言う。
まだ先はある。魔鳥がいるかもわからない状況だが、探す場所は分かっている。
冒険者が集まると、緊張感ないような会話が広げられている。
こんなんでも魔獣が出れば依頼のために、真剣になれるプロ達だった。
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