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流れる
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彼は、なんとか着いてきてくれた。
彼女と離れ難いという瞳とは裏腹に、足は私に着いてきてくれた。
その理性を、優先してくれ事が嬉しい。
けど、私は話を切り出した。
「別れましょ。」
「何を…」
彼は驚いたけど、私を止める素振りはない。
気持ちはもう彼女の元に行っているんだと思う。
人が恋に落ちる瞬間というのを理解してしまった。
私は彼をもう信じられ無いと思う。
それは彼も同じだ。
強い感情で、上書きされてしまった。
私はそれ以上の気持ちを彼に上げれないし、
その逆もない。無理に続けても破綻がありだけ。
視界が歪む、涙が流れる。
ああ、化粧が流れてしまうかしら?
令嬢として、メイクが落ちてしまった姿は晒したくないのだけど。
止まらない。
私達の関係が解消される。
そう理解できても、わかっても
正しいと思えても。
彼との時間は楽しかった。
きっとその分の涙だ。
私は、扇で顔を隠しながら家に帰る馬車へと乗り込み。
思う存分、涙を流し続けた。
温かい涙は、どれだけ流れるのか
家に着くまでには、止まるように心を落ち着かせるよう
闇夜を無為に見た。
今日の夜は温かい色な気がする。
彼女と離れ難いという瞳とは裏腹に、足は私に着いてきてくれた。
その理性を、優先してくれ事が嬉しい。
けど、私は話を切り出した。
「別れましょ。」
「何を…」
彼は驚いたけど、私を止める素振りはない。
気持ちはもう彼女の元に行っているんだと思う。
人が恋に落ちる瞬間というのを理解してしまった。
私は彼をもう信じられ無いと思う。
それは彼も同じだ。
強い感情で、上書きされてしまった。
私はそれ以上の気持ちを彼に上げれないし、
その逆もない。無理に続けても破綻がありだけ。
視界が歪む、涙が流れる。
ああ、化粧が流れてしまうかしら?
令嬢として、メイクが落ちてしまった姿は晒したくないのだけど。
止まらない。
私達の関係が解消される。
そう理解できても、わかっても
正しいと思えても。
彼との時間は楽しかった。
きっとその分の涙だ。
私は、扇で顔を隠しながら家に帰る馬車へと乗り込み。
思う存分、涙を流し続けた。
温かい涙は、どれだけ流れるのか
家に着くまでには、止まるように心を落ち着かせるよう
闇夜を無為に見た。
今日の夜は温かい色な気がする。
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