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流れる

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彼は、なんとか着いてきてくれた。
彼女と離れ難いという瞳とは裏腹に、足は私に着いてきてくれた。


その理性を、優先してくれ事が嬉しい。

けど、私は話を切り出した。


「別れましょ。」

「何を…」

彼は驚いたけど、私を止める素振りはない。
気持ちはもう彼女の元に行っているんだと思う。


人が恋に落ちる瞬間というのを理解してしまった。

私は彼をもう信じられ無いと思う。


それは彼も同じだ。

強い感情で、上書きされてしまった。
私はそれ以上の気持ちを彼に上げれないし、

その逆もない。無理に続けても破綻がありだけ。


視界が歪む、涙が流れる。
ああ、化粧が流れてしまうかしら?


令嬢として、メイクが落ちてしまった姿は晒したくないのだけど。

止まらない。
私達の関係が解消される。


そう理解できても、わかっても

正しいと思えても。


彼との時間は楽しかった。

きっとその分の涙だ。

私は、扇で顔を隠しながら家に帰る馬車へと乗り込み。


思う存分、涙を流し続けた。
温かい涙は、どれだけ流れるのか


家に着くまでには、止まるように心を落ち着かせるよう
闇夜を無為に見た。


今日の夜は温かい色な気がする。

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みんなの感想(1件)

syarin
2023.01.17 syarin

Twitterからタイトルが気になって来ました(*‘ω‘ *)切なく、主人公が可愛く、素敵な作品ですね♪面白かったです!

解除

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