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異文化のお客様
変わる日々
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大事なお客様を迎える前の、緊張感。
外では、歓迎のために花を飾りつけ祭りのような様相になってきている。
領主様の館では、普段の仕事や掃除に加え様々な物の確認作業だ。
メイドにも新しい娘が増えたな。ここでメイドをすれば、騎士と結婚できるとジンクスがあるそうだ。
人が増えれば、いろいろある。メイド長として、厳しく指導した。その指導した娘がまた、指導係となる。
以前は頼りなかったのに、今は頼られている姿を見ると時間がそれだけ経ったのだと実感する。
“何も無い辺境”と言われていたのが嘘のようだ。
(私はその頃をまだ覚えている。)
今は、同じ所だと言える自信がないくらいに、発展した街が広がっていた。
騎士団の訓練している声は変わらず聞こえてくるものの、あちらも若い子が多くなったものだ。
街に行けば、商人と住民の声で掻き消えてしまうくらい街も栄えて人の行き来もある。
(メイド長の役職を退くのに、何の問題もない。)
私がいつまでも居ては、良くない。立場を完全に譲る時がきている。
それでも、今回の準備にはフォローをする役目を十全に担おう。領主様の采配だ。
最期の、となるかはわからないか。…というのも。
「メイへの報酬は…。」
“お暇をした後はどうしたいか?”
既に執事長を退いているジュディアン様は、書庫にいらっしゃる。
『お側に居たい』とは伝えているものの、領主様にだって身の振り方は伝えてある。
「頑固だもんなあ」
教育係としてのジュディアン様、執事長としても知る領主様。そのしみじみした声に答えた。
「そこも美点なんです。」
そう言ったら領主様に呆れられてしまいましたけど?
「筋金入りだな」
補強した言葉を頂いたのは、騎士団長様。お子様達もすくすくお育ちになって。
お幸せそうですね、ご馳走様さまですと申し上げましょうか。
「ずっとお慕いしているのです。」
私はどうしたいかはわかっているのですが、相手がいる事ですから。
どうすれば良いのかm迷う日々ですよ。
「仕事でしたらこんなに迷いませんのにね。」
皆さんお困り顔ですが、私望みは変わりませんから。
外では、歓迎のために花を飾りつけ祭りのような様相になってきている。
領主様の館では、普段の仕事や掃除に加え様々な物の確認作業だ。
メイドにも新しい娘が増えたな。ここでメイドをすれば、騎士と結婚できるとジンクスがあるそうだ。
人が増えれば、いろいろある。メイド長として、厳しく指導した。その指導した娘がまた、指導係となる。
以前は頼りなかったのに、今は頼られている姿を見ると時間がそれだけ経ったのだと実感する。
“何も無い辺境”と言われていたのが嘘のようだ。
(私はその頃をまだ覚えている。)
今は、同じ所だと言える自信がないくらいに、発展した街が広がっていた。
騎士団の訓練している声は変わらず聞こえてくるものの、あちらも若い子が多くなったものだ。
街に行けば、商人と住民の声で掻き消えてしまうくらい街も栄えて人の行き来もある。
(メイド長の役職を退くのに、何の問題もない。)
私がいつまでも居ては、良くない。立場を完全に譲る時がきている。
それでも、今回の準備にはフォローをする役目を十全に担おう。領主様の采配だ。
最期の、となるかはわからないか。…というのも。
「メイへの報酬は…。」
“お暇をした後はどうしたいか?”
既に執事長を退いているジュディアン様は、書庫にいらっしゃる。
『お側に居たい』とは伝えているものの、領主様にだって身の振り方は伝えてある。
「頑固だもんなあ」
教育係としてのジュディアン様、執事長としても知る領主様。そのしみじみした声に答えた。
「そこも美点なんです。」
そう言ったら領主様に呆れられてしまいましたけど?
「筋金入りだな」
補強した言葉を頂いたのは、騎士団長様。お子様達もすくすくお育ちになって。
お幸せそうですね、ご馳走様さまですと申し上げましょうか。
「ずっとお慕いしているのです。」
私はどうしたいかはわかっているのですが、相手がいる事ですから。
どうすれば良いのかm迷う日々ですよ。
「仕事でしたらこんなに迷いませんのにね。」
皆さんお困り顔ですが、私望みは変わりませんから。
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