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【アズマール国】最果ての辺境にて

開門

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夜が明け、眼科の光景を見る。

魔物が数体、その植物のような姿を晒している。


「あんなに?」

絡み合ったり、陽の光を得ようと空に伸びている。5体。


「大きい」

商会で持っている馬車より大きいくらいか。
「あんなのに体当たりされたら」

「馬車は通り抜けられませんね。」

商人が来れない。品が届かなければ、生きられない。

「領民に食糧の配給を。騒がず、領主の帰還を待てと伝えなさい。」

「はい。」

食堂へ、人を集め配給の準備をします。


「あんなの化け物なら、撃って出ればやっつけられるんじゃねーか?」
「そうだ!さっさと退けようぜっ」

「そんな力あるのか?武器の扱いだって慣れてないものが多いのに!」
「領主様方を待つべきだっ」

食事に集まったはずの自衛団のメンバー、ですね。

「皆さん、食事がすんだら休息される筈では?」


「しかしなっ」
不安で何かしなければ、落ち着かないのでしょう。

「メイドの私には分からない部分も多いですが。今はうってでるタイミングなのでしょうか?
まだ、この状況を知らない領主様方にお知らせするのが肝心かと。」

「だが、あんなモサい魔物だ!簡単に排除できるんじゃ?」

植物の見た目のせいか、弱い魔物だと決めつけているようですね。

「ではどうやってここまで来たのでしょうね。植物なら毒はないのでしょうか?
どなたか、詳しくわかる方は?」

そう、誰も知らない魔物です。
襲ってこないならば、監視が最良の選択かと思います。

薬は不足してもすぐに補給できません。慎重を期す必要があるでしょう。


「今は、騒ぎを起こさないのが重要かと思います。」

刺激を与えないように、伝達し食糧を配っていたところ。

「魔物の動きがあった!」


その知らせに、配置へ戻ります。外を見ると
蔓が伸び、壁にまで這いよる。


「弓、構え!狙いは伸びてくる蔓ですっ」


メイドの仕事ではありませんが、私は愛しの声に従って矢を放いました。
魔物は、びくともしません。


「もう一度!」

先程より当たった数をものともせず、壁の広範囲に伸びる。


「炎よ!」


討伐隊が帰ってきました。
開門され、魔物に討って出る様子が見えます。


弓矢を魔物へ打ちながら、討伐されていく様を遠目に見下ろしていました。
なんとか、事態は収束しそうです。

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