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【アズマール国】最果ての辺境にて

最果ての地[設定]

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アズマール国。

ほとんどが人間が住むこの国では、異種族を見かけるのは稀だ。
それは居ないと同義ではない。それぞれが人に紛れる術をもって目立たず暮らしている。

他の国との国交は緩やかにあるものの、過酷な地に阻まれていて命懸けの道のりも多い。

恐ろしいのは森の侵略だ。

“森からの”侵略ではない点。奥深くに、魔物と共生する森は踏み入った者を獲物と見なす。
この森が広がれば、人の生きられる場所は限られてしまう。

それを太古から防いでいる種族がエルフ。
森との共存と、魔の森と呼んでいる森を鎮めるために協力体制はあるらしい。

私にとっては、童話で聞くだけの存在だ。
他には、ドワーフという地中で過ごす事を選んだ種族の国もあるそうだ。

その行き来をする狩人達。
彼らとやり取りするには、ギルドを通す。


長々と話したけど、今私がやっている事は。
弓矢を習っているメイド、です。

この地にいるなら、武器のひとつも使える方が良いとの進めで始めました。

それに、この領地にも人が増え店が立ち並ぶようになると休暇もできた。


辺境の生活にも慣れて、時間を持て余している。
夜の仕事は3日に一回ほど。
だけど、あの人にはまだ手が届かない。それはまだまだ道半ばであり長い道のりは覚悟している。

それはそうと
環境が大きく変わりそうな予兆に、心を鎮めるため矢を射っている。

なかなか会えないもどかしさもだが、種族の人が領地に来ることで忙しく働いている。
働き手が増えた場合には、上の方の人が大変だと決まっている。

私のようなメイドが忙しいのは来客予定があるときくらいで、待機だ。

矢は、的の中心の印に近い箇所にあたった。

なかなかの腕だと滞在中の狩人褒めてもらえるが、初心者への褒め言葉だろう。
まだまだ道のりは遠い。

最終的には、サバイバルで生き残れるくらいの腕に。
具体的には角うさぎを1日で3匹仕留められる腕前が欲しい。


都会で育った私でも、この辺境で迷っても数日は生き残れる術は心得たいものだ。

「あの人か狩人か?」「いや、領主様のところのメイドらしい」
「声かけてもいいだろうか」「いや、真面目そうだからやめとけって」

そんな身内の会話を聞き流して、練習場を後にした。
そろそろ昼食に準備を手伝おう。

サバイバル技術の会得。
それが一般的な都会の女性の得るものとしては、高い理想だと今後知ることになるのだった。
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