【完結・R18】メイドは夜の仕事でお疲れです。本命は、執事長ですがなかなか関係に持ち込めません！

変化する辺境

貴族女性

団長の婚約者からのお呼び出しです。

「貴女が、彼の？」
「メイドでございます」

じっくり見られるのは、想定内。

実は、こうしてお話しするのは初めてと言って良いほどなかった。
身の回りの世話をする女性を連れてらっしゃったので、その方とのやり取りはあったのですが。
(正面から見える角度は、初めてですね。)


私と同じ歳に見える、可愛い、そしてお胸！

素晴らしいモノをお持ちですね。形もバランスもとても綺麗。
お胸が育っていない頃でも、“可愛らしい”とどれだけ言われたのでしょう？

美少女。
成人済みの女性に適切かわかりませんが、雰囲気がそうなのです。

今は、可愛らしさもありながらお綺麗です。
仕える方達が力が入るのも納得です。

自慢の主人なのでしょうねえ。みていればわかります。

羨ましいとは思わないですよ？
私のご主人様は坊っちゃまで、私はあの方の部下ですから。


「辺境で心配でしたが、快適に過ごせてます。ありがとう。」

あら、まずは持ち上げる作戦かしら。
お礼を言える方って素敵。しかも、メイドに。

他の方達からも、何かあったという話はなかった。
慣れていないメイドの仕事で、粗がなかったとは考えにくい。

「皆さま、大変な辺境でとても良くしてくれたわ。良いお仕事をしているのね。」

誉め殺しでしょうか。何か狙いがあると思っても、良いものです。
可愛い令嬢なだけではなく、社交界を渡って行ける方がそれだけではありませんとも。

わかりやすく、メイドでも褒める。
さて、何をお求めでしょうか。

「どうやったら、騎士団長様とお話しできるかしら？ダンタス・ハーパー様と。」

(おっとそこですね。)
どうも、騎士団様は何かと用があるとお茶の誘いをお断りしているようで。

それが、“誰か協力しているか？”確かめたいご様子。
私が、一番疑われる立場ですね。

お2人がどう動いたかの情報を集められますから。
「婚約者様」

「メイレスと呼んで。」

「メイレス様。

これだけはお分かりいただきたい
私の目指す愛の頂は、ジュディアン様だけでございます！！」


あら、間ぁ。

「お年がだいぶ」

「ええ存じております」

文官のお手伝い、弓矢の訓練をしている事で接点が多いと正直に話しました。

「街には遊びに？」

「買い物です。急遽、町に買いに行くことはありましたが。」


「それ、休んでもらうためではないかしら？」

少し話がズレますが
私のジュディアン様への愛は分かっていただきます！


進捗具合を聞きかれましたが、たまーにお茶のお誘いはあるもののそれだけ。
本を読んでいると話しかけられたりするものの…
「仕事じゃなくて、休みの日に話しかけて欲しいです。」

聞き上手なメイレス様に本音まで、話してしまった。
そして、気に入られたらしい。

世話役の方ともお茶をする約束をしました。親交を深めましょう。