【完結】何回もお誘いされていますが、お断りです。いい加減やめてください!

BBやっこ

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出会った!

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「リアルより小説を読みたいの!!」


せっかく持ってきた新刊も、読んでいるのに邪魔されてー!

早く読みたいから学園にまで持ってきたのに。



「どうしてこんなに、邪魔されるの?!」

「それは、君が可愛っからさ!」


誰?と思ったけど、口にしなかった。

王子様だわ、本物の。

目がシバシバする。そして、誰って言ってたら不敬になってた。
セーフ!


「可愛い子猫ちゃん、僕と一緒に午後のティータイムに出かけようか?」


え、これ断りたいんだけど。
断ったら不敬かな。

「え。と…」

何も言わないのも不敬よね?


「あら殿下?その御令嬢とお友達ですか?」

え、あ。侯爵令嬢様。



「貴女勉強でしたら、図書館でおやりになったら?」

「はい!」

え、助かったあああ!ありがとうございます。
華麗に王子様にお誘いに乗らずにすみましたあ。


視線で感謝の念を送っておきます。

侯爵令嬢様は、綺麗な黒いレースに使われた扇を広げました。


「“貴女には、出過ぎた事にならなくて良かったわ?
そうやって身の程を弁えるのね”」


あれ?すっごいデジャブ
持っている本並みに。

「“ありがとう、存じます。お言葉を胸に精進いたします”」

“アイリスお姉様”

と本にセリフ、役名をこっそり言いました。


あ、驚いてます。
私、持っている本を見せます。

ええ、わかります。あのシーンのアイリスお姉様、悪役令嬢のセリフですよね?



その後、
とっても仲良くなった侯爵令嬢様。

アイリス様と名前も本の登場人物と同じでした。


「イメトレ用だったの?」

本好きの同士を得て、私に学園生活が花開いてます。


もしかして
乙女ゲーム世界になるかもしれない可能性を日常にはらんで。



私なら、悪役令嬢攻略ルートに行くから!

「あら、攻略されちゃうの?」とアイリスの微笑みはプライスレスでした。
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