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子爵家の清算

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「あら、婚約者を盗られた成り上がりだわ。」
「どんな顔して来たのかしら?」

小鳥がさえずっているわね。
そんなものに足を止めずひと組の男女の前に立った。

「アンネローズ!」

男は、女の手を外そうとしたけど離れなかった。

「あら、もう婚約者の元へ行ってしまうの?私達、愛し合っているのに。」

堂々と私の婚約者に言っている女は侯爵家の令嬢。
私が相手をするのは分が悪い。


「いいえ、そのままで構いません。婚約破棄ですもの」

婚約者は驚くけど、侯爵令嬢は二マリと嫌な笑顔だ。

「アンネ?そんな」
「わかってくれたのね?私達の愛を!」


「興味ありません。違約金を払ってもらいます。」

「お金じゃないわ!」

「お2人にですよ。契約違反にうちが何もしないって。
そんな契約にしていると思いますの?」


うちが商家上がりなのは知っているでしょう。あ、その顔地が出ている。


「なんで私も入っているのよ!」


「あら、泥棒に支払わない権利があるとお思いで?


婚約者を誘惑、この結果に片棒を担いだあなたにも
払っていただくものがありますのよ。」


「そんなの、知らないわ。」


「あなたは知らなくても、支払い義務は発生するの。


貴族ですもの。

責任と結果は、重要ですわよね?」


そう、婚約破棄の事実が噂に回ったけど、その侯爵令嬢の事が大半だった。
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