22 / 35
セリの帰郷と旅
3-冒険者ギルド
しおりを挟む
冒険者ギルドに勤めている友人は、勤務中だったがセリを認めて行動した。
「セリ!」
友人からの抱擁を受ける。女友達なので、ロードの阻止もなかった。
冒険者は、遠巻きにその光景を見て呟きを漏らす。
「帰って来たのか」
(まあ仕方がない。)
アイツらに目をつけられたら、ここでは仕事ができない。冒険者なら、あの森に採取に入れないのは大打撃になる。稼ぎがなければ移動を余儀なくされる。
その森の所有権を持ち、貴族である。
「セリ、や~っと戻ったか!」
とても会いたくなかった声に、嫌々と振り返る。セリの肩にはロードの手が乗り、勇気づけてくれる。
その様子に、苛ついた様子の貴族の男は、後ろに引き連れている男達をけしかけようと考えていそうだなと思った。
「小悪党」
「力不足だ~」
「物を壊さないでヨ」
シュルトは下がる。軽く、“掃除”をしたところで人が入って来た。
「賑わっているのは、良いが感心しないな?」
監査役にギルドから送られて来たと証明書を見せる男が現れた。
「アクレイオス、速いお付きネ」
「飛竜で来たからな!」
シュルトが名前を出したエルフの男、を観察するセリにロードからひと言。
「300歳だ」
「300越してると思うがな!」
年齢の観念と見た目を裏切ると言う噂は、本当らしい。ギルド長を勤めていた事もある、信用できるお偉いさんらしい。
緊急の依頼、ギルドの監査をしに来た?このタイミングでの訪れは誰の差金なのだろう。
(味方してくれるのか?)
緊張するセリとは違い、3人は平然としている。
(予定調和な予感?)
場所を移してギルド長の部屋へ、ここのギルド長も加わって話し合いになるらしい。
「私には話す事などありませんけど?」
ここのギルド長には、結婚を考えたらどうか?と勧められているので顔も見たくはいのがセリの本音。
座った。ロードの膝の上。
「ロード」
「なんだ?」
「この位置だと、私の威厳的なものが失われる。」
見つめ合っても移動できなかった。
「ま、座ってて」
カナンが席の後ろ、護衛の位置なんだけど。?シュルトが交渉で対峙する位置になっている。私の役目は?
友人が入室してお茶を配って、出て行った。
(見られた)
この部屋で、膝上は流石にバカップル!
これには、諦めてもらうしかない。
最初に、アクレイオスが見届け人となる事を宣言し、ギルド長が言い訳をし出した。
「俺は、セリに求婚の話を受けたらどうかと勧めただけだ。」
「ほう、ギルドはいつ結婚話まで取り持つようになった?」
まあ、そんな業務ない。
「知り合い同士を紹介するくらい、違反にはならんでしょ?」
「それが利害関係になければ、な?それに断った後の嫌がらせも黙認しているな。」
問題しかない。
冒険者の活動を援護する組織で、セリは仕事ができなくなっている。旗色が悪いと思ったのか、貴族の男が間に入った。
「それは、私の責任です!心配で、花嫁となって欲しいく…」
「あ?」
「冷やっとするっ」
「ロード、寒いワヨ」
ロードから魔力が漏れたらしい。凄い魔力量だなあ。撫でると収まったが、向こうの陣営は引き気味だった。
「セリ!」
友人からの抱擁を受ける。女友達なので、ロードの阻止もなかった。
冒険者は、遠巻きにその光景を見て呟きを漏らす。
「帰って来たのか」
(まあ仕方がない。)
アイツらに目をつけられたら、ここでは仕事ができない。冒険者なら、あの森に採取に入れないのは大打撃になる。稼ぎがなければ移動を余儀なくされる。
その森の所有権を持ち、貴族である。
「セリ、や~っと戻ったか!」
とても会いたくなかった声に、嫌々と振り返る。セリの肩にはロードの手が乗り、勇気づけてくれる。
その様子に、苛ついた様子の貴族の男は、後ろに引き連れている男達をけしかけようと考えていそうだなと思った。
「小悪党」
「力不足だ~」
「物を壊さないでヨ」
シュルトは下がる。軽く、“掃除”をしたところで人が入って来た。
「賑わっているのは、良いが感心しないな?」
監査役にギルドから送られて来たと証明書を見せる男が現れた。
「アクレイオス、速いお付きネ」
「飛竜で来たからな!」
シュルトが名前を出したエルフの男、を観察するセリにロードからひと言。
「300歳だ」
「300越してると思うがな!」
年齢の観念と見た目を裏切ると言う噂は、本当らしい。ギルド長を勤めていた事もある、信用できるお偉いさんらしい。
緊急の依頼、ギルドの監査をしに来た?このタイミングでの訪れは誰の差金なのだろう。
(味方してくれるのか?)
緊張するセリとは違い、3人は平然としている。
(予定調和な予感?)
場所を移してギルド長の部屋へ、ここのギルド長も加わって話し合いになるらしい。
「私には話す事などありませんけど?」
ここのギルド長には、結婚を考えたらどうか?と勧められているので顔も見たくはいのがセリの本音。
座った。ロードの膝の上。
「ロード」
「なんだ?」
「この位置だと、私の威厳的なものが失われる。」
見つめ合っても移動できなかった。
「ま、座ってて」
カナンが席の後ろ、護衛の位置なんだけど。?シュルトが交渉で対峙する位置になっている。私の役目は?
友人が入室してお茶を配って、出て行った。
(見られた)
この部屋で、膝上は流石にバカップル!
これには、諦めてもらうしかない。
最初に、アクレイオスが見届け人となる事を宣言し、ギルド長が言い訳をし出した。
「俺は、セリに求婚の話を受けたらどうかと勧めただけだ。」
「ほう、ギルドはいつ結婚話まで取り持つようになった?」
まあ、そんな業務ない。
「知り合い同士を紹介するくらい、違反にはならんでしょ?」
「それが利害関係になければ、な?それに断った後の嫌がらせも黙認しているな。」
問題しかない。
冒険者の活動を援護する組織で、セリは仕事ができなくなっている。旗色が悪いと思ったのか、貴族の男が間に入った。
「それは、私の責任です!心配で、花嫁となって欲しいく…」
「あ?」
「冷やっとするっ」
「ロード、寒いワヨ」
ロードから魔力が漏れたらしい。凄い魔力量だなあ。撫でると収まったが、向こうの陣営は引き気味だった。
11
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説

聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

【完結】転生少女は異世界で理想のお店を始めたい 猫すぎる神獣と一緒に、自由気ままにがんばります!
梅丸みかん
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。※書籍化に伴い「転生少女は異世界でお店を始めたい」から「転生少女は異世界で理想のお店を始めたい 猫すぎる神獣と一緒に、自由気ままにがんばります!」に改題いたしました。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

三度の飯より犬好きな伯爵令嬢は田舎でもふもふスローライフがしたい
平山和人
恋愛
伯爵令嬢クロエ・フォン・コーネリアは、その優雅な所作と知性で社交界の憧れの的だった。しかし、彼女には誰にも言えない秘密があった――それは、筋金入りの犬好きであること。
格式あるコーネリア家では、動物を屋敷の中に入れることすら許されていなかった。特に、母である公爵夫人は「貴族たるもの、動物にうつつを抜かすなどもってのほか」と厳格な姿勢を貫いていた。しかし、クロエの心は犬への愛でいっぱいだった。
クロエはコーネリア家を出て、田舎で犬たちに囲まれて暮らすことを決意する。そのために必要なのはお金と人脈。クロエは持ち前の知性と行動力を駆使し、新しい生活への第一歩を踏み出したのだった!

家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる