【完結】竜人と女冒険者は、ハネムーン旅行に行くようですよ!

BBやっこ

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「お元気のご様子で嬉しいです。」

「まあな。年寄りの日常なんてそう代わり映えせんよ。」

小柄な老人だった。
身なりは貴族にしては派手さがないが、確実に上質な物だとわかる。

人族にしては小柄で、ドワーフほどの背丈だが筋骨隆々な体躯ではない。
その目の鋭さに、若造なら身がすくんでしまいそうだが

案内された4人にはなんて事はなかった。

「また変なのに付き纏われとるか?」

「大丈夫ですよ。楽しく過ごしてます。」

セリと親しく話すのは、翁と呼ばれる商業ギルドの会長だった。

「まさか、翁と親しいとわネ?」

「私の方がお世話になってるんですよ。」

決してコネがきく関係ではないとセリは言うが、
翁が気に入らない人物と自ら会うと言いわしない。

その能力から人柄まで気に入り、可愛がっているのだろう。


「アーチャーんとこの坊主か。デカくなりおって。」

「アラ、お変わりないようで?」

「坊主の見た目ほど変わるもんなんてないわい。」

シュルトを坊主扱いもすごいが、会話の応酬に馴染みな感じがした。

期待できる商人は会っている
シュルトもその1人だったようだ。


セリと交流が続いているのは、調合したハーブティも一役買っている。


寝つきの良くなる
とはいうものの、寝酒を避けられれば良くなると思っている。
その手助けの品という認識だ。

貴族の奥方の間で、夫に飲ませることが多いハーブティとして口伝で売れた。

今はレシピを公開しているので、買えないことはないが
セリが作る物の方が効果が高いと言われる。


「妖精の悪戯があるからね。」

甘くなったり、効能が良くなると妖精が悪戯したと言う現象だ。
昨今の研究では、作り手の魔力反応で出ると言われている。


薬師や調合師には羨ましい、妖精の手。

セリにとっては、少々効能が良いと感じる物という印象だが
喜んでもらえる人に渡すことにしている。

「手土産ですどうぞ。」

それを渡し、お茶を一緒にすることになった。


「ここに来て、次は里帰りするんか?」

翁にもセリの状況は伝えてあった。
直接的な手助けは願わなかったが、孤児院の方を気にかけてもらっている。

情報提供や
貴族側に加担した人物の背後関係、暗がりでの脅ししていた。

そこはセリには内緒だ。
薄々気が付いているが、やり口が汚い連中に心遣いをする気はない。

セリをその貴族とくっつけることで、利益を得られると靡いた人物達だ。


「竜人に狼獣人とはあ。面白いものを揃えたの。」

面白い?の意味はわからないけど、2人を冒険者として興味はあるようだ。
ロードとカナンも存在を消しているようにおとなしい。


貴族なんかの対応はこんな感じなんだろうか?
初めて見る一面に、なんだかおかしい気持ちになったセリだった。
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