【完結】竜人と女冒険者は、ハネムーン旅行に行くようですよ!

BBやっこ

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育った街へ

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「ア~。あの人ネ。」

当然、思い当たる顔で、王都のトップの情報を喋るシュルト。

「貴族との関係が上手いから、トップの席に座ってるけど。実務や決定権は別の流れがあってねえ。
権力を握りたいんだろうケド。商人としてはイマイチね。

推薦でギルド長になったから、セリを利用して力をつけたいのカシラ。」


手札にされそうだったみたい。
「面倒。」よしよしとロードが頭を撫でた。ちょっと癒される。


「今回の件はいただけないワ。文句言っときまショ!」

帰ってきて。シュルトに商業ギルドでのことは相談したらサクサクと対応策が出た。

(頼りになるぅ)

セリの訴えでは、弱いが
商人のやり方、ネットワークで釘を刺してくれるらしい。

セリの心配事が移った。
「追跡の方、バレてるかなあ。」

「まあ時間の問題ねえ。」
貴族が情報を得るのに、お金を積んで、袖の下なんてある話。
そのネタにされているっぽいセリの状況。

「迷惑だなあ。」
相手の影に警戒しているのも、疲れる。

「セリ、手は出させない。」

ロードのシンプルな言葉に、安心感が違うと思う。

ソロで冒険者をやって来たのは、貴族に目をつけられていたから。
それも生まれた家との関わりだった

“死んで葬式も出したのだから、ほっておいてほしい”
子供ではないのだ。

その警戒の結果、ソロでの活動だったのだが。

性に合ってたし、無理無茶はせず
スリリングさとは無縁の冒険者、旅をしたとも言えぬ行動範囲。

単独の限界だ。


チームに誘われた事もあったが、
その時は離れるのが心配だった。

その時ついて行ったら、あの街には戻っていなかっただろう。

ロードとも会わなかったかもしれない。
(縁とはわからない物だなあ。)


背後のロードをみやると、にこやかになる。
照れて、顔を逸らしてしまった。

「食事の用意しなきゃ。」
「逃げたな?」


シュルトの手伝いにキッチンに入った。

「アラ、ゆっくりしてて良いのヨ?」
「ううん。手伝ウ。」

「フフッ仲が良いワネ。」

揶揄われることが多いな。にこやかなロードに手を振る。
落ち着いた余裕に、甘やかな態度ばかりだ。

「前もあんな感じだった?」

「いいえ、浮かれてる。スッゴク、見た事もないくらい。」

いつもああではないのは薄々感じている。
その一面も見れるかな?


食事を終え、考える。
また出掛けるのは控えた方が良いか。

やる事と言えば、ハーブティ作りくらいか

「ケーキも焼きたいな」

ちゅっと額に口付けをして隣に座り

「明日はゆっくり、寝てようぜ?」
甘えるロードのお誘いだが、まだ夜は深まっていない。

「まだ寝るのには早いよ。」

本を読むかなーと手に取ると。

「地図で、旅の計画を立てよう」

「わっ?!」一緒にベッドに潜り込んだ。


計画通りに誘導された気もする。

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