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詰(なじ)る
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「私を殺した、人殺し。」
相手は兄、血縁はなく義兄。
後妻の連れ子。兄となった人にいじめられ、命の危機に晒されてきた。
最初は、髪を引っ張ったり部屋に虫を入れたりと
メイドの方が叫ぶようなことだったけど。
どんどん悪化して行った。
安心して眠れなくなり、神経質な私を責める家族。
刃を向けられたこともあったのに、誰にも助けが求められない。
だからさっさと家を出て行きたかったの。
生きた心地がしない日々。
私でいることさえ難しくなった。その執着心が宿る瞳から視線を外す。
「顔も合わせたくない」
ギリっと歯軋りする男を見ることもない。
もう恐れることはない。
私の味方は魔法使い。復讐を手伝ってくれた。
「私は魔女と呼ばれる能力があるらしいから、それであの兄は恐れたのかしら?」
無口な彼は答えない。考えてくれているのかもしれないけど。
ずっと私を殺し続ける幻想を見続ける男は、顔を上げる事はない。
「良いざまね。」
少しは私の心が解れたかしら?
自信がない。
相手は兄、血縁はなく義兄。
後妻の連れ子。兄となった人にいじめられ、命の危機に晒されてきた。
最初は、髪を引っ張ったり部屋に虫を入れたりと
メイドの方が叫ぶようなことだったけど。
どんどん悪化して行った。
安心して眠れなくなり、神経質な私を責める家族。
刃を向けられたこともあったのに、誰にも助けが求められない。
だからさっさと家を出て行きたかったの。
生きた心地がしない日々。
私でいることさえ難しくなった。その執着心が宿る瞳から視線を外す。
「顔も合わせたくない」
ギリっと歯軋りする男を見ることもない。
もう恐れることはない。
私の味方は魔法使い。復讐を手伝ってくれた。
「私は魔女と呼ばれる能力があるらしいから、それであの兄は恐れたのかしら?」
無口な彼は答えない。考えてくれているのかもしれないけど。
ずっと私を殺し続ける幻想を見続ける男は、顔を上げる事はない。
「良いざまね。」
少しは私の心が解れたかしら?
自信がない。
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