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1.契約の破棄
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「お前との婚約を破棄とする!」
そう言ったのはこの国の王子と女子生徒で。
私の婚約者である王子。この時点で元婚約者ですか。
私の学生生活は
母のような立派な聖女の役割を果たすまで
学園に通いつつ、修行をしてきました。
その事は、王家の者なら知っている筈で、私の数少ない友人達も知っています。
調べればすぐわかること。
愛する誓いを立てたのは子供の頃
私が聖女になると幼心にも自覚して、その大任に背筋を伸ばし生きてきた頃。
その私の保護と後の血を繋げるための婚約者。
貴族の教育も受けている私にとって、そこまで抵抗のある決定ではなかったのですが。
『物語りにでてくるような聖女になる』と今でも思ってます。そして、
お母様を目指して精進していたから、受け入れていた事です。情は少しはあったのですが。
「おまえとののように、特別な扱いをされなきゃ納得しない女は願い下げだ!」
学業の方は便宜を図ってもらっていても、私だけの特別ではありません。
特待生としてその努力も見せる必要があります。
私の場合は、他の地区での奉仕活動。そのため、王子との交流も減っていきました。
卒業に向けて、忙しい時期はお互い様。
しかし、王子の方は他の女子を口説く暇があったようです。
王子が何をしていたかは、友人たちから聴いていました。
忙しく、大変な時の振る舞いから性根がわかるものです。
正直、婚約者といえども不審感しかありません。
((女性に言い寄って、自らの誓いをこのような形で反故にしようとするなんて!))
友人達が止めに入ろうとしたのを視線で止めました。
私も既に王家と話し合い、決めたことがあります。
各家の貴族家の当主にも通知し、承認されています。
「私との誓いを反故にするんですね?」
「誓いなど!子どもの時の失敗だ!!」
周りが息をのんだようにザワめきました。
この国の教義、教会での誓いを“失敗”などと断じたのです。
この国の王族の言葉とは思えません。
王も教会の教義を敬い、尊重する国であろうとしているのに。
聖女の役割として、質さねばならない事です。
「リチャード様。それは王子としてのお言葉ですか?失望しました!」
「何をっ。お前などに買いかぶられても、痛くも痒くもない!
王族に対して、無礼だぞ!」
「“誓い”を軽んじる言葉が問題なのです。この国の土台には教会の広める教義を尊重し
守る王家とともに繁栄を誓っているのです。それを…」
「話をすり替えるな!私はお前との婚約破棄を宣言したのだ。」
「その決定は王になされば良いでしょう。この場で私に告げる必要はあるのですか?」
「小賢しいことを言うな!私の決定に否を言える立場だと思うのか!?」
私の言葉に耳を傾けることもないようです。これは決定ですね。
一応告げましょう。
「お言葉ですが、今日聖女として認められる私の立場が上です。
そして、貴方から王位継承権の剥奪を宣告します。」
「な!!?」驚き大口を開けた王子に、更に言います。
「貴族院で受理されることでしょう。」
私だけの判断ではなく、貴族全体からの決定もあるのです。
私が提示した条件は以下
“王子の『王の資質を問う問題』が起きれば
王位継承権を剥奪、もちろん私との婚約もなしにする”
根回し済みで、この茶番を引き起こした王子に
味方するものはいません。誰が泥舟に乗ろうとするのでしょう?
聖女によって王として認められ
王位継承するのに、誓いを子供の時と蔑ろにされるとは!
この王子の頭に、世の成り立ちがわかっていないのでしょうか?
何を学園で学んだのでしょう?
あんな世の中の通りをわかっていない王子に、生涯付き合ってられません。
私には目標があり、尊敬する先達がいて
なぜ遊んでばかりの王子に嫁入り?と疑問でしたが悩んでも
仕方がなかったことでしたね。
耐えてはいけない、試練もあるとわかりました。
王子は警備の兵に連れてかれ、退場しました。
会場に不釣り合いな騒ぎを起こしたとして、当然ですよね。
王の近衛が仕事してくれました。
あ、知ってる顔です。
治療したことがあります。
会釈し、卒業と聖女就任の舞台に戻りました。
挨拶が終わった後は、
先程王子に巻き込まれた女子生徒を尋ね、
「王子に声をかけられて拒否できる子なんてなかなかいません。」
慰めたのですが可哀想に、泣き崩れてしまいました。
完全にとばっちりなので
友人の子達に慰めてもらってね。
この先の幸運をとエールを贈っておきました。
聖女として初の祝福です。
後に王子から嘆願の手紙が来ましたが
私が王子にできることは、
聖女として祈るだけです。
そう言ったのはこの国の王子と女子生徒で。
私の婚約者である王子。この時点で元婚約者ですか。
私の学生生活は
母のような立派な聖女の役割を果たすまで
学園に通いつつ、修行をしてきました。
その事は、王家の者なら知っている筈で、私の数少ない友人達も知っています。
調べればすぐわかること。
愛する誓いを立てたのは子供の頃
私が聖女になると幼心にも自覚して、その大任に背筋を伸ばし生きてきた頃。
その私の保護と後の血を繋げるための婚約者。
貴族の教育も受けている私にとって、そこまで抵抗のある決定ではなかったのですが。
『物語りにでてくるような聖女になる』と今でも思ってます。そして、
お母様を目指して精進していたから、受け入れていた事です。情は少しはあったのですが。
「おまえとののように、特別な扱いをされなきゃ納得しない女は願い下げだ!」
学業の方は便宜を図ってもらっていても、私だけの特別ではありません。
特待生としてその努力も見せる必要があります。
私の場合は、他の地区での奉仕活動。そのため、王子との交流も減っていきました。
卒業に向けて、忙しい時期はお互い様。
しかし、王子の方は他の女子を口説く暇があったようです。
王子が何をしていたかは、友人たちから聴いていました。
忙しく、大変な時の振る舞いから性根がわかるものです。
正直、婚約者といえども不審感しかありません。
((女性に言い寄って、自らの誓いをこのような形で反故にしようとするなんて!))
友人達が止めに入ろうとしたのを視線で止めました。
私も既に王家と話し合い、決めたことがあります。
各家の貴族家の当主にも通知し、承認されています。
「私との誓いを反故にするんですね?」
「誓いなど!子どもの時の失敗だ!!」
周りが息をのんだようにザワめきました。
この国の教義、教会での誓いを“失敗”などと断じたのです。
この国の王族の言葉とは思えません。
王も教会の教義を敬い、尊重する国であろうとしているのに。
聖女の役割として、質さねばならない事です。
「リチャード様。それは王子としてのお言葉ですか?失望しました!」
「何をっ。お前などに買いかぶられても、痛くも痒くもない!
王族に対して、無礼だぞ!」
「“誓い”を軽んじる言葉が問題なのです。この国の土台には教会の広める教義を尊重し
守る王家とともに繁栄を誓っているのです。それを…」
「話をすり替えるな!私はお前との婚約破棄を宣言したのだ。」
「その決定は王になされば良いでしょう。この場で私に告げる必要はあるのですか?」
「小賢しいことを言うな!私の決定に否を言える立場だと思うのか!?」
私の言葉に耳を傾けることもないようです。これは決定ですね。
一応告げましょう。
「お言葉ですが、今日聖女として認められる私の立場が上です。
そして、貴方から王位継承権の剥奪を宣告します。」
「な!!?」驚き大口を開けた王子に、更に言います。
「貴族院で受理されることでしょう。」
私だけの判断ではなく、貴族全体からの決定もあるのです。
私が提示した条件は以下
“王子の『王の資質を問う問題』が起きれば
王位継承権を剥奪、もちろん私との婚約もなしにする”
根回し済みで、この茶番を引き起こした王子に
味方するものはいません。誰が泥舟に乗ろうとするのでしょう?
聖女によって王として認められ
王位継承するのに、誓いを子供の時と蔑ろにされるとは!
この王子の頭に、世の成り立ちがわかっていないのでしょうか?
何を学園で学んだのでしょう?
あんな世の中の通りをわかっていない王子に、生涯付き合ってられません。
私には目標があり、尊敬する先達がいて
なぜ遊んでばかりの王子に嫁入り?と疑問でしたが悩んでも
仕方がなかったことでしたね。
耐えてはいけない、試練もあるとわかりました。
王子は警備の兵に連れてかれ、退場しました。
会場に不釣り合いな騒ぎを起こしたとして、当然ですよね。
王の近衛が仕事してくれました。
あ、知ってる顔です。
治療したことがあります。
会釈し、卒業と聖女就任の舞台に戻りました。
挨拶が終わった後は、
先程王子に巻き込まれた女子生徒を尋ね、
「王子に声をかけられて拒否できる子なんてなかなかいません。」
慰めたのですが可哀想に、泣き崩れてしまいました。
完全にとばっちりなので
友人の子達に慰めてもらってね。
この先の幸運をとエールを贈っておきました。
聖女として初の祝福です。
後に王子から嘆願の手紙が来ましたが
私が王子にできることは、
聖女として祈るだけです。
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