【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。

BBやっこ

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「そう口さがのない使用人が増えた。嘆かわしい!」

「確かにそうね執事長さん。」

「私は貴女に仕える立場なはずなのに。」

「先に生まれたとは言え、メイドの子だから。伯爵家に従うように、よね?」
母から言われ、幼いわたしは明るく頷いた。それは、信頼関係の上に成り立っていて、今の関係性ではない時。

そのため、タブロッセ伯爵家で、ユイスティーナは冷遇されていた。
「冷えてきた、な」

「母は追い出されてしまいましたが、私は伯爵家の屋敷ですくすくと成長しました。
父との交流はなく、住まいも違う。健康で令嬢の知識も蓄えてくれたのは使用人の皆さんのおかげです。」

「古参のってつけなきゃいけないですかな。最近の使用人の質は、嘆かわしいですぞ」

「古参組の使用人さんには、恩を感じてます。」
けして、義理の母にあたる人でも父という人でもない。伯爵家では、使用人として過ごしていた。

そして成長するにつれ、ひとつ年下の腹違いの妹は増長する。

“リリスティーンの言われた事には逆らうな。”は、わがまま娘には直接言っても治らないため、
教育係に一任とマニュアル対応だ。

『私では分かりかねます』と『執事長に聞いて来ます』の2つは、定番のセリフ。


「命令は、絶対になっていた、と。」

もう、伯爵家の姉は使用人と認識され始めていた。

「母の同僚に当たる使用人達と乗り越えた日々だけど、私も、もう15歳。自分の人生を歩みたいと、伯爵家を出て、自由になります。」


その前に邪魔がこの屋敷に訪れが告げられました。

「伯爵家からの使者で、妹様がお越しです。」
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