【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。

BBやっこ

文字の大きさ
上 下
1 / 7

1

しおりを挟む
「そう口さがのない使用人が増えた。嘆かわしい!」

「確かにそうね執事長さん。」

「私は貴女に仕える立場なはずなのに。」

「先に生まれたとは言え、メイドの子だから。伯爵家に従うように、よね?」
母から言われ、幼いわたしは明るく頷いた。それは、信頼関係の上に成り立っていて、今の関係性ではない時。

そのため、タブロッセ伯爵家で、ユイスティーナは冷遇されていた。
「冷えてきた、な」

「母は追い出されてしまいましたが、私は伯爵家の屋敷ですくすくと成長しました。
父との交流はなく、住まいも違う。健康で令嬢の知識も蓄えてくれたのは使用人の皆さんのおかげです。」

「古参のってつけなきゃいけないですかな。最近の使用人の質は、嘆かわしいですぞ」

「古参組の使用人さんには、恩を感じてます。」
けして、義理の母にあたる人でも父という人でもない。伯爵家では、使用人として過ごしていた。

そして成長するにつれ、ひとつ年下の腹違いの妹は増長する。

“リリスティーンの言われた事には逆らうな。”は、わがまま娘には直接言っても治らないため、
教育係に一任とマニュアル対応だ。

『私では分かりかねます』と『執事長に聞いて来ます』の2つは、定番のセリフ。


「命令は、絶対になっていた、と。」

もう、伯爵家の姉は使用人と認識され始めていた。

「母の同僚に当たる使用人達と乗り越えた日々だけど、私も、もう15歳。自分の人生を歩みたいと、伯爵家を出て、自由になります。」


その前に邪魔がこの屋敷に訪れが告げられました。

「伯爵家からの使者で、妹様がお越しです。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私を婚約破棄に追い込んだ令嬢は、あなた以外の男性とお付き合いしてるのはご存知ですか。

十条沙良
恋愛
あなたはご存知ですか?カミラは他の男性ともお付き合いしてる事を。

私を冷遇してきた婚約者が、婚約破棄寸前で溺愛してきたんですけど。

十条沙良
恋愛
春のパーティで、私の婚約者は言った。

婚約破棄したら国が滅ぶなんて聞いて無いんですけど。僕はどうしたらいいのか分からない。

十条沙良
恋愛
アホ王子とののしられても、仕方ないですが。

王子の呪術を解除したら婚約破棄されましたが、また呪われた話。聞く?

十条沙良
恋愛
呪いを解いた途端に用済みだと婚約破棄されたんだって。ヒドクない?

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

聖女の私は婚約破棄されましたが、王様が王子を廃位しました。私には新しい皇太子が。

十条沙良
恋愛
王様がお怒りになり実の息子を追い出しました。

【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢

美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」  かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。  誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。  そこで彼女はある1人の人物と出会う。  彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。  ーー蜂蜜みたい。  これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。

虐げられていた令嬢は没落した家を見捨てる~愛しい貴方がいればいい~

琴葉悠
恋愛
 バルテル侯爵家で疫病神扱いされているセレスティーヌ。  毎日の酷い扱いにも耐える自信があった、それは愛しいクロードとの夢の中での逢瀬の時があったからだ。  そしてその夢の中での幸福の時間は現実になる──

処理中です...