<長編・2万字>人形が死んでいる [本編完結済み]

BBやっこ

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4の日

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4日目に不安を覚えていた。4は“し”と読む。

死だ。

そんな不吉な日は、予定になかった。雨で宿泊を伸ばし、雨で集まった何か出会っている。
それは小さな事で、集まったとしても些細な偶然ですみそうな事ばかりなのに。

私を害そうとする。
私が何か知ってはいけないことでもあったのか?

ただの観光客に何をするのか。
ろくに外出していない自堕落な宿の客。

呪いも、霊感も
あってもいいが私に関係はない。そんなもの日常にいらない。

非日常の中での守ってくれる甲冑さんは、バラバラに人の形から外れ襲ってくる人の型がまだ残る。

呪術か偶然か
どちらにしろ血を流したような夢は御免だ。

白い空間だ。

手足にあった包帯はない。

ポツンとある柔らかそうな物体。塩をかけた効果が残っているのか
横たわり動かない。

私は動けるだろうか?手を感じる。前ならえするような形で上げ下げができる気がするが、目には見えず透明な手を持つようだ。次は進めるかだ。アレが見たいと視線を向ける。近づいていくイメージで、揺れも感じずキャタピラでスーっと動くようだ。いい感じだ。夢の中で体が動く。体が動くときの揺れがないが実体のあるような透明で中身がない感覚に、夢だという訴えが強く響く。やっと足元に見たかったものが見えた。

うさぎのぬいぐるみ。白い筈のレースは薄い紅色に。片目は見えないんじゃなくてないのだ。見えないが確信がある。

そっと伺いみた筈だったが
間近に迫られる。

ドックンと心臓が跳ね上がった。

近い。こんな柔らかなものに何を恐れるのか。濡れてもいないし、禍々しくもない。そうだこんなにも可愛くぬいぐるみに、何を?

スラリ
金属が擦ったような音がした。何かから取り出された音。硬質な音は開け放たれて、抜き切った時に共鳴したような音がすした。1回だけのそれは、響くようで冷たい。

刀だ。

一振りの刀。鞘が見える。甲冑さんのものと思われた。鍔がない。つまり、刃の方は何処?

ぞわっと総毛立つ。

刃物を持って追いかけてくるなんてホラーもいいところだ。怪談噺をググってみれば何個も出るような。

この土地のもの

掲示板

知らない怪異

依代のような者たち、呪い、跳ね除けるには?
これって、コックリさん系?
狐狸とかく、何かを呼び出す儀式。

なんで出てくるのかが重要じゃない。

私が知りたいのは、倒し方だ!
調べたやり方を思い出せ。

清めるものが必要
塩水、酒!

じわりとぬいぐるみが濡れている。
そしてもうひとつ


人の型を持つ者に


シ を
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