<長編・2万字>人形が死んでいる [本編完結済み]

BBやっこ

文字の大きさ
上 下
14 / 16

午後の

しおりを挟む
女の子が泣く。ぐすんぐすんと泣き疲れたようで痛ましいのだが、こちらにも余裕がない。何をすれば良いんだ?

外に酒の自販機を見つけ買った。準備はした。けど今の状況がわからない。ジャパニーズホラーなら、何か必要なものがあるだろう。御守りとか、何か知らない物、事象がわからないと。ただ…



そのイメージに導かれそうだ。そこに引っ張っていきたいような思惑を感じる。何かと絡むのは人型、人形だ。
頭があって手足のつく、赤というかピンク色のもの。泣きそうな雨に傘をさしながら中庭に向かった。花もこの雨の多さに喜んでばかりはいられまい。特に用もないはずなのに、ともどろうとすれば溝に。

うさぎ

汚れたエプロンをしたそれを見た瞬間、ああと納得して泥もついたそれを持ち帰って、カウンターに居た人へ預けた。汚れたままじゃ大変だろう。親御さんに報告した後、綺麗にして返してくれるらしい。そんなちょっと良い事をして再び、変な夢対策を考える。

刀があった方が良いだろうか?

刀は無理だし銃刀法違反でしょう。代替えのものは見つからない。ハサミかな。刃物を借りようか考える。考えてもわからない。部屋でボーッとした後、現代人の武器を思いついた。インターネット。夢占いに怪奇現象、創作物でもいい。解決策を、何か!

所詮、夢。
けれど夢も人生の一部じゃないだろうか。

潜在意識も、霊感もよくわからない。ただの気のせいか妄想だと言われても頷ける。けれど、あなたは次の夢で死ぬかもしれませんねって察したら、何かをしなければ。寝て終われるとは思えない。4回目の夢。

検索してみた。

ぬいぐるみと呪術といえば、降霊術かな。
コックリさんとかイタコ。ん?現代のホラーか。

ひとりおにごっこ

1人でどう鬼ごっこするというのか。小説が出ていたので読んみる。
解決策は、大抵こういう知識にあると思う。分厚く古いものじゃなくてもネットに流れている情報の一部を役立てれば、勝機が見えるかもしれない。

さささっと目を通す。

概要は、降霊術の類いで特徴的なのは、ぬいぐるみが動き出すのか。お気に入りのぬいぐるみが動くなら可愛いイメージになったが、刃物を持って襲ってくるらしく。血みどろだ。怪奇事件として終わりを迎えた家に分家の少年少女が訪れてしまい、襲われる。

それを回避するには?後半を2度確認した。全部、見つかっている!ぬいぐるみは雨に濡れていない。これで大丈夫だよね?雨はまだ降っているけど、あの子はきっと泣き止んだ。これで

全て終わったのかわからない。条件が満たされたのか知らない。
ピンクの包帯、ピンクの手足、ピンクのうさぎ。

そうだ、ぬいぐるみに目は?

あのとれかけの目はあっただろうか。
人形探しは、部分の欠落があれば未完成かもしれない。

「つかまえた」
あのうさぎの言葉に不穏を感じる。ヤバい気がする。見つかったらどうすればいい?塩で何回追い返せるんじゃないか。けど…

けどなんでこんなにも、目がないかもしれないだけで不安なのだろう?


再び、ネットの海に潜り込んだ。
そしていつのまにか時間は零時を過ぎ

私は寝てしまったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百物語 厄災

嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。 小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

逢魔ヶ刻の迷い子3

naomikoryo
ホラー
——それは、閉ざされた異世界からのSOS。 夏休みのある夜、中学3年生になった陽介・隼人・大輝・美咲・紗奈・由香の6人は、受験勉強のために訪れた図書館で再び“恐怖”に巻き込まれる。 「図書館に大事な物を忘れたから取りに行ってくる。」 陽介の何気ないメッセージから始まった異変。 深夜の図書館に響く正体不明の足音、消えていくメッセージ、そして—— 「ここから出られない」と助けを求める陽介の声。 彼は、次元の違う同じ場所にいる。 現実世界と並行して存在する“もう一つの図書館”。 六人は、陽介を救うためにその謎を解き明かしていくが、やがてこの場所が“異世界と繋がる境界”であることに気付く。 七不思議の夜を乗り越えた彼らが挑む、シリーズ第3作目。 恐怖と謎が交錯する、戦慄のホラー・ミステリー。 「境界が開かれた時、もう戻れない——。」

十一人目の同窓生

羽柴田村麻呂
ホラー
20年ぶりに届いた同窓会の招待状。それは、がんの手術を終えた板橋史良の「みんなに会いたい」という願いから始まった。しかし、当日彼は現れなかった。 その後、私は奇妙な夢を見る。板橋の葬儀、泣き崩れる奥さん、誰もいないはずの同級生の席。 ——そして、夢は現実となる。 3年後、再び開かれた同窓会。私は板橋の墓参りを済ませ、会場へ向かった。だが、店の店員は言った。 「お客さん、今二人で入ってきましたよ?」 10人のはずの同窓生。しかし、そこにはもうひとつの席があった……。 夢と現実が交錯し、静かに忍び寄る違和感。 目に見えない何かが、確かにそこにいた。

二つの願い

釧路太郎
ホラー
久々の長期休暇を終えた旦那が仕事に行っている間に息子の様子が徐々におかしくなっていってしまう。 直接旦那に相談することも出来ず、不安は募っていくばかりではあるけれど、愛する息子を守る戦いをやめることは出来ない。 色々な人に相談してみたものの、息子の様子は一向に良くなる気配は見えない 再び出張から戻ってきた旦那と二人で見つけた霊能力者の協力を得ることは出来ず、夫婦の出した結論は……

喪失~失われた現実~

星 陽月
ホラー
 あらすじ  ある日、滝沢の務める会社に桐生という男が訪ねてきた。男は都立江東病院の医師だという。  都立江東病院は滝沢のかかりつけの病院であったが、桐生という名の医師に聞き覚えがなかった。  怪訝な面持ちで、男の待つ会議室に滝沢は向かった。 「それで、ご用件はなんでしょう」  挨拶もそこそこに滝沢が訊くと、 「あなたを救済にきました」  男はそう言った。  その男が現れてから以降、滝沢の身に現実離れしたことが起こり始めたのだった。  さとみは、住んでいるマンションから15分ほどの商店街にあるフラワー・ショップで働いていた。  その日も、さとみはいつものように、ベランダの鉢に咲く花たちに霧吹きで水を与えていた。 花びらや葉に水玉がうかぶ。そこまでは、いつもとなにも変わらなかった。  だが、そのとき、さとみは水玉のひとつひとつが無規律に跳ね始めていくのを眼にした。水玉はそしてしだいにひとつとなっていき、自ら明滅をくり返しながらビリヤードほどの大きさになった。そして、ひと際光耀いたと思うと、音もなく消え失せたのだった。  オーナーが外出したフラワー・ショップで、陳列された店内の様々な花たちに鼻を近づけたり指先で触れたりしながら眺めた。  と、そのとき、 「花はいいですね。心が洗われる」  すぐ横合いから声がした。  さとみが顔を向けると、ひとりの男が立っていた。その男がいつ店内入ってきたのか、隣にいたことさえ、さとみは気づかなかった。  そして男は、 「都立江東病院の医師で、桐生と申します」  そう名乗ったのだった。  滝沢とさとみ。まったく面識のないふたり。そのふたりの周りで、現実とは思えない恐ろしい出来事が起きていく。そして、ふたりは出会う。そのふたりの前に現れた桐生とは、いったい何者なのだろうか……。

野花を憑かせて〜Reverse〜

野花マリオ
ホラー
怪談ミュージカル劇場の始まり。 主人公音野歌郎は愛する彼女に振り向かせるために野花を憑かせる……。 ※以前消した奴のリメイク作品です。

怪談居酒屋~幽へようこそ~

ホラー
 コインロッカーベイビーにベッドの下男、はたまたターボババアまで。あんな怪異やこんな怪談に遭遇した人が助けを求めて駆け込む場所があった。それが怪談居酒屋『幽』  優しい美人女将といつも飲んだくれている坊主が貴方の不思議の相談にのります。  今宵も店には奇怪な体験をした人が現れて……  怪談や都市伝説を題材にしたちょっと怖くてちょっといい話。ホラーあり都市伝説講座ありの小説です。

断崖

ツヨシ
ホラー
断崖に一人の男が現れるという噂を聞いた。

処理中です...