<長編・2万字>人形が死んでいる [本編完結済み]

BBやっこ

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午後の

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女の子が泣く。ぐすんぐすんと泣き疲れたようで痛ましいのだが、こちらにも余裕がない。何をすれば良いんだ?

外に酒の自販機を見つけ買った。準備はした。けど今の状況がわからない。ジャパニーズホラーなら、何か必要なものがあるだろう。御守りとか、何か知らない物、事象がわからないと。ただ…



そのイメージに導かれそうだ。そこに引っ張っていきたいような思惑を感じる。何かと絡むのは人型、人形だ。
頭があって手足のつく、赤というかピンク色のもの。泣きそうな雨に傘をさしながら中庭に向かった。花もこの雨の多さに喜んでばかりはいられまい。特に用もないはずなのに、ともどろうとすれば溝に。

うさぎ

汚れたエプロンをしたそれを見た瞬間、ああと納得して泥もついたそれを持ち帰って、カウンターに居た人へ預けた。汚れたままじゃ大変だろう。親御さんに報告した後、綺麗にして返してくれるらしい。そんなちょっと良い事をして再び、変な夢対策を考える。

刀があった方が良いだろうか?

刀は無理だし銃刀法違反でしょう。代替えのものは見つからない。ハサミかな。刃物を借りようか考える。考えてもわからない。部屋でボーッとした後、現代人の武器を思いついた。インターネット。夢占いに怪奇現象、創作物でもいい。解決策を、何か!

所詮、夢。
けれど夢も人生の一部じゃないだろうか。

潜在意識も、霊感もよくわからない。ただの気のせいか妄想だと言われても頷ける。けれど、あなたは次の夢で死ぬかもしれませんねって察したら、何かをしなければ。寝て終われるとは思えない。4回目の夢。

検索してみた。

ぬいぐるみと呪術といえば、降霊術かな。
コックリさんとかイタコ。ん?現代のホラーか。

ひとりおにごっこ

1人でどう鬼ごっこするというのか。小説が出ていたので読んみる。
解決策は、大抵こういう知識にあると思う。分厚く古いものじゃなくてもネットに流れている情報の一部を役立てれば、勝機が見えるかもしれない。

さささっと目を通す。

概要は、降霊術の類いで特徴的なのは、ぬいぐるみが動き出すのか。お気に入りのぬいぐるみが動くなら可愛いイメージになったが、刃物を持って襲ってくるらしく。血みどろだ。怪奇事件として終わりを迎えた家に分家の少年少女が訪れてしまい、襲われる。

それを回避するには?後半を2度確認した。全部、見つかっている!ぬいぐるみは雨に濡れていない。これで大丈夫だよね?雨はまだ降っているけど、あの子はきっと泣き止んだ。これで

全て終わったのかわからない。条件が満たされたのか知らない。
ピンクの包帯、ピンクの手足、ピンクのうさぎ。

そうだ、ぬいぐるみに目は?

あのとれかけの目はあっただろうか。
人形探しは、部分の欠落があれば未完成かもしれない。

「つかまえた」
あのうさぎの言葉に不穏を感じる。ヤバい気がする。見つかったらどうすればいい?塩で何回追い返せるんじゃないか。けど…

けどなんでこんなにも、目がないかもしれないだけで不安なのだろう?


再び、ネットの海に潜り込んだ。
そしていつのまにか時間は零時を過ぎ

私は寝てしまったのだ。
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