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私に死を
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カツンと音をさせ、黒いドレスのレディが進み出る。
喪服で王家のパーティなど、どこの家の者なのか?
そんな場違いな事より、気になるのが。
「騎士?」
総鎧の黒いプレートは、決してパーティに着てくるものではない。
その異様さに気づいたものは、下がり。
気づかない音楽は穏やかにしかし主張せず流れていた。
(まさか…)
辺境伯は背の高さとその歩き方で自身の息子ではないかと期待を持つ。
しかしそれは希望的観測を否定しきれない。
その2人が、王太子の前まで歩み寄る。
護衛騎士が騒めいたが、レディは挨拶を始めた。
「王太子様。わたしは貴方様が死を与えた者を私の騎士にしました。そのご報告によりましたのです。」
ガチャリと騎士が動くと緊張感が増す。
「無礼者!叩き出せっ」
2度目の血を流すのは避けたかったようだ。
しかし、レディの騎士が終わらせてしまった。
ガハッ
自身が放った斜め斬りが、王太子の身体に刻まれる。
なぜ?と思うまもなく崩れたのを騎士が支え、医師を呼ぶ。
「まるで魔法だ。」「呪いだ」
そうどよめく招待客に見向きもせず、レディは自身の騎士を連れ去っていった。
王太子が寵愛した女性も忽然と消えてしまっていたのが謎を深まらせる。
その後王太子は、治癒魔法のより一命を取り留める。密かに自身が斬った騎士へ花を手向けた。
辺境伯は、王家から離れたがある一族と親交を始めた。
息子の婿入り先は、死さえ超越した存在だが騎士として立派にやっているので
頼もしい限りであった。
結婚の祝いは、剣を贈ろうと思う。
喪服で王家のパーティなど、どこの家の者なのか?
そんな場違いな事より、気になるのが。
「騎士?」
総鎧の黒いプレートは、決してパーティに着てくるものではない。
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(まさか…)
辺境伯は背の高さとその歩き方で自身の息子ではないかと期待を持つ。
しかしそれは希望的観測を否定しきれない。
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「王太子様。わたしは貴方様が死を与えた者を私の騎士にしました。そのご報告によりましたのです。」
ガチャリと騎士が動くと緊張感が増す。
「無礼者!叩き出せっ」
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しかし、レディの騎士が終わらせてしまった。
ガハッ
自身が放った斜め斬りが、王太子の身体に刻まれる。
なぜ?と思うまもなく崩れたのを騎士が支え、医師を呼ぶ。
「まるで魔法だ。」「呪いだ」
そうどよめく招待客に見向きもせず、レディは自身の騎士を連れ去っていった。
王太子が寵愛した女性も忽然と消えてしまっていたのが謎を深まらせる。
その後王太子は、治癒魔法のより一命を取り留める。密かに自身が斬った騎士へ花を手向けた。
辺境伯は、王家から離れたがある一族と親交を始めた。
息子の婿入り先は、死さえ超越した存在だが騎士として立派にやっているので
頼もしい限りであった。
結婚の祝いは、剣を贈ろうと思う。
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※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
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