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では

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身代わりを用意する、その準備の良さは感心する。


元々の計画だろう。
どこまでが了承を得ているのかは知らない悪巧みだ。

私だと、腕を絡めた女を紹介するかもしれない。


だけどそれを許す気はない。だから訊ねる。
最終通告だった。


「必要ない。」


そう、その言葉で決まった。
2人は音楽の流れる大広間へと連れ立っていった。

閉ざされた、扉。
ただドレスアップした女が残った。


その場に、割くように凶刃が襲う!


その切っ先を避ける事なく
ドレスを少しも傷つけず、影の刺客達は、床に横たわった。



賑やかな音楽が少し漏れ聞こえる。


それから、ドゥンッと花火のような衝撃から。


会場は派手な攻撃を受けた。連発の音は、会場を揺らし…


騒ぐ貴族達。
確認する騎士達の声。

「逃げるぞ!」との声にパニックになる。


王家の方たちも中に逃げただろうか。心配などかけらもなく事実だけを思う。


パーティ会場は崩壊した。


そしてすぐにでも、城が崩壊する事になる。
だって、私達一族との約束を反故にしたのだ。


「警告は出して城の関係ない者は逃げれる期間を設けるから。」

報告と迎えに来た家族に応える。

「そう。

ああ、早くドレスも化粧も落として暴れたい。

約束を守れない国に価値なんてある?
頭を下げたくなかったらしいわ。さよなら…

“永遠に”」

辺境伯、通り名を“残虐の魔導師”の楔は、解き放たれてしまった。






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