【完結】小賢しいコモノ、舞台の上であって良かったな。我らが姫様に救われたな？

閉幕後

護衛に怒られました。
いいじゃねーか、目立ってよ。

「それを望まないと言ったはずです。」

護衛の後は、お付きの女性って美人。怖いくらいな、冷たさ。

「我々は、お忍びです。もし姫のことがバレるようでしたら…」

強制退去？牢屋にでも入れるっていうんだろうか。
貴族の横暴ってやつだぜ！

そんな反抗心とは別な方向から、脅しが来た。

「げきは、姫様のこと一色です。
よかったですね？ご自分達の劇団を守れて」

その平坦な宣告に、ゾッとした。

守れたのは、2つの意味がある
お姫様のビックネームで劇団を掠れさせるところだった。
そして、

“バラしたりしたら潰す,

穏やかな笑顔を守るために、それができる従者なだろう。

つれあいが姫様に感謝の言葉と帰り路を案内して遠ざかる。
ひっそりとバレずに帰る、笑顔の少女。

反対に俺の心は寒々しかった。

「余計な欲は身を滅ぼすんだな。」
「あんたが悪い！せっかく出てくれた女の子になんて仕打ちをする気だったんだい？」

その後、しっかり怒られた。

ウケると思ったんだが。
その後の収拾がつかなかったのだろうな。

姫さま良い記憶を持ってもらって、名前を覚えてもらうだけで”得“だった。
身が縮みそうな寒さだが、観客の拍手でなんとか生きた心地は取り戻した。

もう、余計な真似はすまい。
危ない橋かどうか確認してからだな。

そう言ったら、またつれあいにこっぴどく叱られたのだった。