【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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闇の友

(ナナ)酒と鳥  NEW

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ここ(貿易街)は暇だな。人間どもが行き交い、騒がしいところだった。近くに森はなく荒地が広がるばかり。獲物が縄張りに入るのを待つか、ネズミがちょろまかしているだけで、狩の張り合いがないところよ。

同行はきまぐれだった。

人間の食事場へも言ったが、せまくるしいいからな。そろそろ羽を伸ばしたいと思ってたところに、
竜小僧(ロード)が何処かへ寄道をするらしい。よし、ワレが着いていこうぞ!
そのままでは、邪険にしよるからな。バサッと飛んで、モフ係(セリ)の腕に乗った。

「いいの?」大木小僧(グスタフ)に伺っている。
そいつはほかっとけ。

日の昇らぬうちから、馬車に乗りこんだ。
テントからこちらを見ている視線を見渡す。

ワレが珍しいのか、奪えるものを積んでいるか
という思惑が見え隠れする。置き物小僧(キース)とモフ係(セリ)では
襲いかかってくるやもしれんが、竜小僧(ロード)で牽制ができているな。

食事係(シュルト)もその辺を踏まえての群にしたのだろう。

ワレもおるしな。
単体でいれば、近寄ってくる面倒な輩もおるが、従魔としてならそんな馬鹿も減る。
この街より船旅が楽しめりことだろうと、早朝の微睡を楽しんだ。

モフ係に抱え込まれるが、まあ、許そう!

魚とな!
ええい釣りなど煩わしい。魔法でとってしまえ!」
念願が伝わったのか、モフ係(セリ)が大物を魔法で引き揚げた。

水中の魔物でも、その水に襲われればひとたまりもないな。
容赦ない魔法にを見た。
「その魚はうまいぞ!」と次にはどんな食事にありつける
か気になってしょうがなかった。

ほぐし身もなかなかだが、酒ださけ!
なみなみ注がれた酒を空にしていった。

来たかいがあったな!
と上機嫌に過ごしてた。うるさい輩がいないからな。


ムっ
上機嫌に呑んでいれば、上空に鳥の魔物が来た。偵察か。
竜小僧(ロード)も気づいておる。

さて、どうするのだ?

矢にしては大きい。そしてうるさかった。
置き物小僧。大儀だ。耳が痛いですまないだろう音で鳥の魔物は、去っていった。

モフモフとされ、番の雄が邪魔するがのんびり過ごしていった一室。

カッ目を極限まで開け、呼吸を浅くする。クサイ!
風魔法で吹っ飛ばすか?と遠慮なくやってすまうべきだった。
くっっさあああ!にんげんのむすめぇぇえぇ!!
臭いが充満する。

森の誘惑花でもこんな臭いじゃないぞ?マシダ!

悶え狂うワレに、魔法をかけたモフ係よ、大儀じゃ。
もう、さっさと寝た。
しかし朝方、少々邪魔な輩を突きに回しに、竜小僧(ロード)に付き合ってやった。

昼には、でか鳥が何羽かやってきた。
上空のやつを仕留めても終わらんな。
この変な波動に気づいている人間はいないようだ。

モフ係も武器の付与をしだした。
しょうがない、手伝ってやるか。
羽ばたいて船内へ進む。ちゃんと着いて来るのだぞ?

デカいだけの鳥だが、舟という足場では人は
逃げ惑うばかりか。

このままでも、
竜小僧が頭を獲り
置き物小僧が後ろを焼き鳥にするだろうが

矮小な魔物の相手など面倒だ。何羽も出てきおる
弱いがうるさい。


ふむあいつだな。
小煩い音は気づかんな?
ほれ!男の荷物から出す。

ほれっこれだ。


もふ係が頑張っているな

良い良い。
ワレの手を煩わせんとは見込みがあるぞ。


しばらくの旅も問題ないだろう。えあれは
さっさと飛んで
王都へ先に帰るとする。


そこで狩りにつきあってやろう。


またモフモフするのだぞ?
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