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V 舗装された道
翔(かけ)る
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朝食を食べ終わってからの雰囲気は変わった。
スピード勝負とばかりに、確認事項を話し合う。
グスタフとカナンが外に行き
御者をしていた商人が馬車の最終点検が行われた。
残りのメンバーは
魔法での目眩しのの方法の話を詰めた。
前の馬車には魔法を使う
キース、ロード、セリが乗る。
シュルトは風魔法が使えるが、大規模と言うほどの威力はない
調整や逸らすなどの守りに使われる。
その4人で守りの確認をしていた。
馬車の配置は前後に並び、走り抜ける。
ルートは少々遠回りだが、騎士などが使う
“優先される道”を使う
その道をスピードをそのまま、王都へ入る。
スピードを重視で振り切る作戦だ。
この道を使うには特別な許可がいる
理由も必要なわけだが
「許可は取ってある」と商業ギルド長、ギムナスが証明書を見せてくれた。
見間違いじゃなければ王族に連なる印が押されている。
そこに言及するのはやめた。
自分が今、知っていても関係ないと思ったセリだ。
狙われやすいポイントを上げ、対策を練る。
道中ではスピードを上げ、振り切るのが基本姿勢だが
王都へ入る前の広野は、囲まれる可能性が強かった。
これはスピードで振り切れるものではない。
その時は、
前方に現れた敵を撒くための
広範囲に渡り、“煙に巻く”のが『竜の翼』の定石だった。
ロードの氷魔法を
キースの火魔法で蒸発させるという
豪勢なコンビ魔法だ。
威力は申し分ないが上級に値する魔法のため、範囲の指定が難しく
火魔法の余波が危ない。
城門付近になれば危険人物と勘違いされそうな上に
なかなかタイミングが難しい合わせ技だった。
ただ、今回はセリがいる。
水魔法で氷魔法の補助ができ、
キースの火魔法に対して蒸発させられる量の水を出せれば、
霧のように周りを包むこともできそうだ。
その応用を検討している。
「状況を見て試してみるよ!」とキースが面白がって乗り気だが
まあ、今回2台の馬車を守らねばならないので火魔法は封印したい。
「アタシの風魔法で防げる程度にネ?」シュルトが
釘を刺しておいた。
「そろそろ移動するぞ」ロードの声に移動を開始する。
移動しながら考えた。
城門の近くでの騒ぎは支障をきたす
先触れはされている気がするケド
商業ギルド長がそこが抜けているってことはないワ。
城門で足止めされては、この作戦の肝が台無しだ。
そうなれば、無用な破壊、破損はごめん被りたい。
依頼中のことなら評価にもマイナスになる。
キースは理解しているだろうけど
調子に乗っていれば、魔法の威力も上がりそうだ。
釘を刺すことは忘れない。
ロードがいるから、忘れがちだけどキースの暴れっぷりも危険だ。
前の馬車に、セリがいても止める役には荷が重い。
せめてロードをお願いしたい!
キースは口で言えば、まだ止まる。
セリちゃんが加わったことで
あの魔法の火力を抑えられるのか?
ロードの氷魔法を範囲指定して補助もできるのは、
とても頼もしい。
相手を始末しない氷魔法の制御は、にわかに心配がある。
ロードはホイホイと氷魔法を使うが、この地では氷の精製に時間がかかったり
範囲が広いと殺傷能力が、バラつく。
北の地ではまた、勝手が違うらしいけど。
セリにいい格好しようと無茶をしないか?一抹の不安があるケド
カナンに『余裕のあるとこ見せろ、やり過ぎは引かれるからな?』
って言われてたもの。暴走はしないワ。きっと。
セリがいることでチョコッと気持ち的に安心ができた。
さあ、行ってみまショウか!と気合が入る。
『竜の翼』が馬車に乗り込んだのだった。
スピード勝負とばかりに、確認事項を話し合う。
グスタフとカナンが外に行き
御者をしていた商人が馬車の最終点検が行われた。
残りのメンバーは
魔法での目眩しのの方法の話を詰めた。
前の馬車には魔法を使う
キース、ロード、セリが乗る。
シュルトは風魔法が使えるが、大規模と言うほどの威力はない
調整や逸らすなどの守りに使われる。
その4人で守りの確認をしていた。
馬車の配置は前後に並び、走り抜ける。
ルートは少々遠回りだが、騎士などが使う
“優先される道”を使う
その道をスピードをそのまま、王都へ入る。
スピードを重視で振り切る作戦だ。
この道を使うには特別な許可がいる
理由も必要なわけだが
「許可は取ってある」と商業ギルド長、ギムナスが証明書を見せてくれた。
見間違いじゃなければ王族に連なる印が押されている。
そこに言及するのはやめた。
自分が今、知っていても関係ないと思ったセリだ。
狙われやすいポイントを上げ、対策を練る。
道中ではスピードを上げ、振り切るのが基本姿勢だが
王都へ入る前の広野は、囲まれる可能性が強かった。
これはスピードで振り切れるものではない。
その時は、
前方に現れた敵を撒くための
広範囲に渡り、“煙に巻く”のが『竜の翼』の定石だった。
ロードの氷魔法を
キースの火魔法で蒸発させるという
豪勢なコンビ魔法だ。
威力は申し分ないが上級に値する魔法のため、範囲の指定が難しく
火魔法の余波が危ない。
城門付近になれば危険人物と勘違いされそうな上に
なかなかタイミングが難しい合わせ技だった。
ただ、今回はセリがいる。
水魔法で氷魔法の補助ができ、
キースの火魔法に対して蒸発させられる量の水を出せれば、
霧のように周りを包むこともできそうだ。
その応用を検討している。
「状況を見て試してみるよ!」とキースが面白がって乗り気だが
まあ、今回2台の馬車を守らねばならないので火魔法は封印したい。
「アタシの風魔法で防げる程度にネ?」シュルトが
釘を刺しておいた。
「そろそろ移動するぞ」ロードの声に移動を開始する。
移動しながら考えた。
城門の近くでの騒ぎは支障をきたす
先触れはされている気がするケド
商業ギルド長がそこが抜けているってことはないワ。
城門で足止めされては、この作戦の肝が台無しだ。
そうなれば、無用な破壊、破損はごめん被りたい。
依頼中のことなら評価にもマイナスになる。
キースは理解しているだろうけど
調子に乗っていれば、魔法の威力も上がりそうだ。
釘を刺すことは忘れない。
ロードがいるから、忘れがちだけどキースの暴れっぷりも危険だ。
前の馬車に、セリがいても止める役には荷が重い。
せめてロードをお願いしたい!
キースは口で言えば、まだ止まる。
セリちゃんが加わったことで
あの魔法の火力を抑えられるのか?
ロードの氷魔法を範囲指定して補助もできるのは、
とても頼もしい。
相手を始末しない氷魔法の制御は、にわかに心配がある。
ロードはホイホイと氷魔法を使うが、この地では氷の精製に時間がかかったり
範囲が広いと殺傷能力が、バラつく。
北の地ではまた、勝手が違うらしいけど。
セリにいい格好しようと無茶をしないか?一抹の不安があるケド
カナンに『余裕のあるとこ見せろ、やり過ぎは引かれるからな?』
って言われてたもの。暴走はしないワ。きっと。
セリがいることでチョコッと気持ち的に安心ができた。
さあ、行ってみまショウか!と気合が入る。
『竜の翼』が馬車に乗り込んだのだった。
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