【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

爽やかな朝

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昨日はすごかった。

爽やかな朝に目覚めたセリは、昨日の夜のことを思い出した。

ベッドに腰掛け、下履きを脱いだ。
その指示をしたロードが足元に跪き、自分の足に触れる。

酷使した足は、触れば少々痛みがあった。

それに声を出せば、
優しく撫でられ、オイルを塗られ

「全身マッサージしてやる」っといった勢いでしっかり揉み解された。

入念なマッサージに今朝は
足の強張りはとれ軽くなっている。

昨夜念入りにマッサージしてくれたロードに感謝しないと。
隣に寝ているロードを見る。

やってもらった時は、
落ち着かない心を隠して、少々なれたはずだった触れ合い(以前もしてもらったから)

そこからだんだん
膝の上に乗せられ、尻まで揉まれ際どく…
いや、マッサージされた。

確かに足から尻、背まで酷使してしまったらしく
マッサージは気持ちよかった。

ちょっと痛いと訴えれば、緩く揉まれ丁寧に優しくしてくれた。

マッサージがなかったら今日に支障があったかもしれない。

反省しないと。
肉体強化をして、はしゃぎすぎてしまった。
今回のことで風魔法の制御が使えるようになりたいと思えた。

よく眠れたと満足で、猫のように背を伸ばす。
この部屋に置かれたひとつだけのベッドは、広さが2人分あって寄り添いながら寝た。

ロードが
普段一人で寝ているところにお邪魔したのだろうか?

他のメンバーは団体用の一室で寝ている。
朝食は、商業ギルド長の部屋で一緒にとる予定だ。

下の食堂で合流するため、出る用意をしてしまおう。
といっても大きな荷物は持ち込んでいない。

そろそろロードに起きてもらわないと。

カナンが言うには、ロードは朝機嫌が悪いらしい。
「セリちゃんなら大丈夫!」と何がとは言われなかったが
起こす役に任命された。

そもそも一緒に寝てるので、起こしてしまっている。
覚醒はしているものの、起き出すまで大変だと聞いていた。

それと違うけど、自分も大変だと思うことが一つ

「ロード」と声をかけ
手に捕まる前に、避ける。

…が、2段階伸びたロードの手に捕まってしまった。
こうなると、
ベッドに逆戻りだ。

「2人で二度寝しよう。」と再び寝る態勢に入ってしまう。
それの対抗策が立っていない。

よくカナンに助けてもらっていた。
実際は、『セリちゃんが飽きれてるぜ?』と言って起こしているのをセリは
なぜ効くのか分かってない。

セリ自身に言わせると効き目がありすぎて面倒なので、
『普通に起こしてやってくれ』と言われていた。

そんなことを思い返していれば
直前のドアップで、男の声が響く

「身体は大丈夫か?」
微睡まどろみを感じる甘い声に、気恥ずかしさを覚えた。

自分の髪を撫で、まだ少し眠そうな雰囲気にちょっとドキドキする。

その気持ちのまま
「起きて?」とお願いすれば、
ロードが悶えるようにして離れ、ベッドから落ちていった。

ドサっと落ちた音では、痛いようには思えないが
視界から消えた勢いにびっくりした、セリだった。


そんな一幕もあったが無事支度も済む。
ご機嫌なロードを隣に

良い朝だと思い、一緒に部屋を出たのだった。
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