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V 舗装された道
部屋で
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その後、酒を飲む場になるらしく
セリは部屋に戻ることにした。
明日の朝、出発してその日のうちには王都へ入る
結構な強行軍になる予定を確認した。
それでも森にいるほど警戒は必要なく、今日は呑む!
部屋で楽しむらしい。
土産用に買ったという酒瓶も見たが何も言わなかった。
リラックスした馬車の旅を最後に味わう。
と言っても乗り慣れないセリには大変な筈だ。
主に、尻が。
それを主張してロードは明日、セリと一緒の馬車をもぎ取った。
今からは俺とセリの時間だと他のメンバーに要らぬ威嚇をし
(あーはいはい。セリちゃんに無理させるなよ~。)
(明日のセリの様子で馬車に一緒はナシになるからネ?)
カナンとシュルトの“目(メ)ッセージ”を受けて去っていった。
これで我慢は終わる。
番と離れるとは、これほど落ち着かないものか!?と
苛つき、焦れ、寂しいとも思った。
俺がこんなに欲しているが、当のセリは楽しそうだ。
それが不服だ。
その思いを目一杯訴えてやろうと意気込んでいる。
2人用の部屋に向かった。
部屋割りは要望通り2人きり。ここは譲りたくない。
メンバーも関わりたくないと答えるだろう。勝手にやってくれ。
抱きあげて部屋の前にくれば、セリが取手をあけてくれる。蹴り開けなくて済んだ。
そして、腕の中の獲物は大人しく、危険を察することはなかった。
フゥ。やっと2人っきりだ。
今日が長く感じたロードだったが、この時のために頑張ったと思えた。
ベッドの上に降ろした。
ロードに連れられ、部屋に戻った。2つのベッドが隣り合わせに置かれ
シャワーを浴びれる個室が付く。
既に、風呂には入っているので明日の朝、大部屋で使わせてもらうつもりだ。
今日はもう寝るだけで良いが、借りた本を読もうかと考えていた。
そこに、グッとセリの膝上にロードの手が掴みかかる。
ぐっと力の入った手は両足の同じ部分で力を入れられ、
セリは痛みを感じて眉を潜めた。
「痛いか?」
ロードの顔を見上げれば、熱のない眼で射止められる。
少し怖い。
質問に肯定を示した。
足が痛い。
スッと
目の前で跪くロード
初めて頭頂部を見たかもしれない。
「マッサージしとかねえと、明日も引きずるな。」
足の心配をされたようだ。少しドキっとした。
何にだろうか?と自問した。
「下を脱いでろ。オイルを取ってくる」頭を撫でられ、離れていった。
バクバク心臓が煩いのは、何故だろうか。
そんなことを思われているとは知らず、
セリの足を心配している。身体強化をかけても
技術以上に筋肉を使えば、負担になる。
あの細い足なら尚更キツかっただろう。
ついてきたし、木上では移動も速かった。
無理は禁物だ。何より甘やかしたい気持ちもある。
荷物からマッサージオイルを出す。ハーブの香りがするものだ。
これでしっかりセリを癒してやろうと決めた。
それによって、ロード自身が癒されることになる。
ウィンウィンである。
お楽しみが始まろうとしていたその時だった。
セリは部屋に戻ることにした。
明日の朝、出発してその日のうちには王都へ入る
結構な強行軍になる予定を確認した。
それでも森にいるほど警戒は必要なく、今日は呑む!
部屋で楽しむらしい。
土産用に買ったという酒瓶も見たが何も言わなかった。
リラックスした馬車の旅を最後に味わう。
と言っても乗り慣れないセリには大変な筈だ。
主に、尻が。
それを主張してロードは明日、セリと一緒の馬車をもぎ取った。
今からは俺とセリの時間だと他のメンバーに要らぬ威嚇をし
(あーはいはい。セリちゃんに無理させるなよ~。)
(明日のセリの様子で馬車に一緒はナシになるからネ?)
カナンとシュルトの“目(メ)ッセージ”を受けて去っていった。
これで我慢は終わる。
番と離れるとは、これほど落ち着かないものか!?と
苛つき、焦れ、寂しいとも思った。
俺がこんなに欲しているが、当のセリは楽しそうだ。
それが不服だ。
その思いを目一杯訴えてやろうと意気込んでいる。
2人用の部屋に向かった。
部屋割りは要望通り2人きり。ここは譲りたくない。
メンバーも関わりたくないと答えるだろう。勝手にやってくれ。
抱きあげて部屋の前にくれば、セリが取手をあけてくれる。蹴り開けなくて済んだ。
そして、腕の中の獲物は大人しく、危険を察することはなかった。
フゥ。やっと2人っきりだ。
今日が長く感じたロードだったが、この時のために頑張ったと思えた。
ベッドの上に降ろした。
ロードに連れられ、部屋に戻った。2つのベッドが隣り合わせに置かれ
シャワーを浴びれる個室が付く。
既に、風呂には入っているので明日の朝、大部屋で使わせてもらうつもりだ。
今日はもう寝るだけで良いが、借りた本を読もうかと考えていた。
そこに、グッとセリの膝上にロードの手が掴みかかる。
ぐっと力の入った手は両足の同じ部分で力を入れられ、
セリは痛みを感じて眉を潜めた。
「痛いか?」
ロードの顔を見上げれば、熱のない眼で射止められる。
少し怖い。
質問に肯定を示した。
足が痛い。
スッと
目の前で跪くロード
初めて頭頂部を見たかもしれない。
「マッサージしとかねえと、明日も引きずるな。」
足の心配をされたようだ。少しドキっとした。
何にだろうか?と自問した。
「下を脱いでろ。オイルを取ってくる」頭を撫でられ、離れていった。
バクバク心臓が煩いのは、何故だろうか。
そんなことを思われているとは知らず、
セリの足を心配している。身体強化をかけても
技術以上に筋肉を使えば、負担になる。
あの細い足なら尚更キツかっただろう。
ついてきたし、木上では移動も速かった。
無理は禁物だ。何より甘やかしたい気持ちもある。
荷物からマッサージオイルを出す。ハーブの香りがするものだ。
これでしっかりセリを癒してやろうと決めた。
それによって、ロード自身が癒されることになる。
ウィンウィンである。
お楽しみが始まろうとしていたその時だった。
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