【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

帰路

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ギルドを出ると日暮れがせまっているせいか
家路を急ぐ人々が見える。

一部賑わいを見せているのは、酒を出す店だろう。
特に興味をそそられることなく、宿に戻る道を行く。

換金はどうだったかグスタフに聞きながら。
馬にご褒美としてあげる草が高めに値段が付けられている。
採取依頼として低ランクが受けるが、嵩張るのであまり利にならないらしい。

討伐依頼と大差がないのだが、狩りの技術を持つ冒険者が少ないので
少し金額が上乗せだったと

その土地の条件で多少の上がり下がりがあるようだ。

ダンジョンが近くにないのも理由のひとつらしい。
討伐メインの冒険者には向かないとわかった。

目立つだろうな。
逃走場所には向かないか、採取依頼から始めれば?
ソロの冒険者は目立つ。

結局、長居しないのが良いんだろう。

まだ、逃走場所を探してしまっていたセリだった。
こればかりは、しばらく考えるなと言っても無理だろう。
追われている身なのだから。

後ろではカナンとロードが軽妙にやり取りしている。
普段からなのだろう。
ロードが少し苛立った感じで、カナンが茶化したり宥めている。

グスタフを見上げるのに首が痛くなったが
ギルドでの話をしていれば、宿についた。

部屋に戻れば当然のようにロードがセリにひっついてくる。
その様子にセリ以外が自然と受け入れている
「??」
セリだけ戸惑いつつ、ギルド長と何の話だったか聞いてみたら
「勧誘。」
概ねカナンの言っていたとおりらしいと察して、話題を変えた。

討伐依頼が少ないところはだいたい通り抜けるらしい。
今日のは散歩と言われ、あのスピードで?とセリは“散歩”のスピードを考え直していた。

「夕食にしましょ」シュルトの声かけで
全員1階の食堂に降りた

なんだかんだで宿の食堂で食べるというにはなかった。
宿で食べるか、外に行くか、野宿と言ったところなのだが

商業のギルマスの護衛ということで贅沢な食事が多かった。
セリのランクでは考えられない高待遇だ。

気楽な夕食を味わった。

目立つのを忘れていた。

まず
冒険者というだけで目立つ
カナン、グスタフの体格の良さ
ロードは色合いでも目立つ。

シュルトとキースは場違いな美形と言ったところか。

シュルトはオシャレな雰囲気
キースは高貴さがあって場の雰囲気に浮いている

それに混ざったセリが1番目立つのだが、
本人に自覚はなく、この目立つメンバーのせいだと思っている。


話しかけやすいのかシュルトに
食事処の娘が頬を赤くして尋ねた。

「よろしくね」とシュルトが注文を頼めば小さな声で了承し
伝えに戻った。


ドンと出された量が多い。
食べられるか心配になったのだった。

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