【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

文字の大きさ
上 下
171 / 200
V 舗装された道

座談会

しおりを挟む
セリは膝の上に乗せられて、目を白黒させていた。

べったりが終わったと思っていたのに??戸惑うが、気が逸れて話せるようになるまでの復帰は早かった。

現状、
待ち構えて準備していたキースに話しかけられている。
グスタフもちゃっかり参加して、セリの勉学の習得範囲を確認される。

受け答えに淀みなく答えるも、頭の片隅では混乱していた。

ロードの対応、距離ができたのに気づいていたが
“飽きたのだろう”で片付けていた。

急に戻った事に、狼狽えているのを悟られないようにしているのは
ある種の癖、防衛本能が働いていたためだ。

変化を、弱味を悟られてはならない、と。

ロードの方は、
“これもセリのため”とイロイロと我慢していた。

もう無理だ。
俺の番を腕に閉じ込めた。
「もういいだろ?」否定は聞きたくないとロードは目で伝えた。

それにカナンは、「まあ、こんなもんか」といった答えだ。
「ほら、座りなさいよ」と動作でシュルトが席を勧める。

今は、セリの匂いを堪能しながら、キースとグスタフを睨んで牽制している。
効果はなさそうだが。そもそも、番を害さないのはわかり切っているが
2人でいるには邪魔だなと思って見ている。

いつもより興奮して魔法の話をしている。
この勢いは止められないが、このまま続くのも面倒だなと思う。


セリの方は、キースとグスタフの好奇心を宿した瞳に
変化があったものの、メンバーとして接してもらえているので問題ない。

しかし、ロードの突然戻った態度の違いには、戸惑う。
身綺麗にしに一緒したところでアレ?とは思ったのだが。

他のメンバーは気にしていないようだと観察しているセリ。

シュルトから、
「髪を乾かしときなさいな。風邪ひくわヨ」
髪が濡れたままだった。

「風邪ひくのか??」と頭の上から焦ったロードの声。

何を慌てているんだろうとセリはキョトンする。

「寒いとネェ。髪を乾かさずに風邪ひいてたのがいるのよー。」
弟妹の誰かのことだと思われる発言をシュルトがした。

「乾かそう」決定事項と言い切ったロードが手をかざせば
ふわっと温かい風が髪に触れた。その繊細な魔力の動きに驚く。

無属性や生活魔法と言われる魔法だった。

強力な魔法を使える者は難しいと言われる
魔力の属性に引っ張られるからだ
優秀なメイドや従者は使える生活魔法と言われる属性のほとんどない魔法だ。

「凄い。」綺麗に髪の潤いを保ったまま乾いていた。
セリは、脱水はできるが、髪を痛めるため少し水気を飛ばす程度だった。


「ありがとう」
と頬を緩めるセリ顔に言われれば

「おう」と素っ気ない声で
視線は逸らされ、少し震えている。

甘酸っぱそうな雰囲気に、ズバッと入った

「ほら、いちゃついてないで」
キースがドサドサッと目の前に本を積む。

グスタフまで本を出したので
長くなる予感がした。

「落ち着いたら冒険ギルド行くからな?」
のカナンの言葉に際限なく話が続くのは、回避されたのだった。
しおりを挟む
ツギクルバナー
感想 2

あなたにおすすめの小説

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。 離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、 窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

これが普通なら、獣人と結婚したくないわ~王女様は復讐を始める~

黒鴉宙ニ
ファンタジー
「私には心から愛するテレサがいる。君のような偽りの愛とは違う、魂で繋がった番なのだ。君との婚約は破棄させていただこう!」 自身の成人を祝う誕生パーティーで婚約破棄を申し出た王子と婚約者と番と、それを見ていた第三者である他国の姫のお話。 全然関係ない第三者がおこなっていく復讐? そこまでざまぁ要素は強くないです。 最後まで書いているので更新をお待ちください。6話で完結の短編です。

転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~

丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。 一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。 それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。 ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。 ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。 もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは…… これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

処理中です...