【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

馬車の中で

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『1人2役』の計画が前の馬車で立てられていた頃…

もう一方の馬車では
研究者気質の2人がヒートアップしていた。

分野は違うが、重なる部分もあり
静かに本を読む姿をよく見る。

2人とも、話すのが嫌いなわけでもなく
「めんどう」なのと、求められていない話と心得ているだけで

堰を切ったように、話す時は話す
このように…

「これって、水魔法としておかしいでしょ?」
「魔法がは場にも関係すると報告されている例も多くある。熱い場所で水魔法の威力が減少する
ならば…条件が追加されている場の可能性がある。」

「やってみたけど、ボクはできなかった」
「セリだけが関係する条件か?」その違いを思考している

セリの水魔法の話をしていた。

魔法についての研究者と、
ダンジョンの研究をする男の『魔法とは?』の話は長い
今回は、『セリが使う水魔法が一般的な水魔法とどう違うか?』である。

魔法は個人での資質も違うが、血統による継承もあり、その習得を調べるキースと、
ダンジョンで魔法を使う場所、種類から開かれる仕掛けを研究するグスタフ。

この2人の研究に重なる、魔法の存在。
そのイレギュラーな力を持つセリの水魔法に、熱の入った意見が飛び交う。

セリは大人しく聞いていた。
『竜の翼』のメンバー内では、

シンプルに簡潔に、感覚でできるロードの魔法は、種族的な特性が強い
理論を説明しても首を捻るばかりで「やれれば良いい」で終わる。

何故できるかが知りたいのに。

シュルトとカナンは、聞き上手だが
シュルトの興味と趣味は違い、利を考える時に必要かと言えば専門すぎて使い所がない。
職人との付き合いはあるが、また違った話になるので
嗜み程度に知ろう、と聞き役に回る。

カナンは話したいこちらの要望に付き合い、
「小難しいこと考えてんなあ」
と言いながらダンジョンでの話をするが、専門性のある意見は求められない。

そこに興味深い魔法を使う人物、セリが加わった。
しかも、理論の方も少しかじっている模様。

そして、2人の研究者の興味と勢いに、負けていなかった。
話の合間に2人に質問を投げかけ、認識のすり合わせをする。

話の流れを止めない意見交換に気分も上がる。
自分の興味を話せ深められるのは楽しい!

セリの家は、辺境の貴族でも武だけでなく文官も輩出したことのある、
魔法が得意の家系だった。周りは武力を磨く中で
結界の守りや食料の確保と多岐に渡る魔法で、協力し守りを支えた古い家だった。

その屋敷には魔法書の蔵書も多く、ひととおり読破し
好奇心も持つ。そして勤勉さも。

突然、魔法のことで訪問して来た研究者と相対することもあり
矢継ぎ早な話し方も専門用語が飛び交う一方的な喋りに触れた経験もあり

対応に慣れがあった。

自分なりに咀嚼し、わからないところは聞く。
シンプルなことだが、話を遮ることなく
合いの手のように入れる質問。

話について来ているとわかる

キースもグスタフも、セリに本を貸そうと算段する
仕込めばもっと話せる!
自分の興味あることを話せるのは楽しい。
専門性のある話を分かる人間なら尚更だ。

もっと専門性が増して来たにでついていくのが難しいと
思いながらもセリは、
紅茶を淹れ、冷えた果実水も用意した。

楽しく勢い尽くことない、魔法講義に
軽食も付け、水分補給を勧めて話を聞いて過ごす。

飲み物を勧めた同じ馬車の馭者は、遠い目をしながら
なるべく後ろの熱を気にしないことにして、馬を進めたのだった。
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