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V 舗装された道

部屋での朝

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“いつも通り”と言えるくらい常になってきた。

横にはロードがいた。そのままにベッドから身を起こす。
窓の外を見れば、少し明るくなってきた頃。
屋敷でも起きている人はいるだろう、その気配を感じる。

疲れてるのかな?すんなり、よく寝たと思う。

今日は朝食をご馳走になってすぐに出かける予定だった。
まだ早いが、身支度を整えることにする。

この部屋割りは、
夫婦向けのベッドが入った庭が見える場所にロードと2人となっていた。

何かしらの配慮らしいが、どういったものなのかは聴かなかった。
文句などない、立派な天蓋付きの豪華な装飾を見上げた。

2つペアの物が多いと言う特色がある部屋で、
寝衣もサイズが違う色違いの同じ物だっただけだ。

他のメンバーは客室へ。
依頼主をさしおいてあの豪華さだった?と客室を見て思ったので、
後でカナンに部屋割りのこと聞けば
「いつもの場所が良い」とこの屋敷に来た時に使う決まった部屋に
さっさと入り仕事をしていたらしい。

ちなみに、屋敷の主と遅くまで飲んでいたと聞き、
二日酔いに効くお茶を差し入れた。

うちのメンバーは酒関係は強いと話していたが、
朝が強いわけじゃばいんだよなと天蓋の中の影、ロードを見て思った。
『種族的なものの影響もあるらしいし、依頼であれば起きる。ロードは軽い方だ』
と聞いている。

確かに自分のが起き出す時間が早いが、目を覚ましていることのが多い。

動かずもうすでに覚醒しているものの、身体は微睡んでいるようでうずくまって停止している。
その様子を横目に浴室に入る。

まだ寝ぼけているまま、水を少しつけ髪を梳く。
そういえば、昨夜
ロードと何を話たっけ?


『竜の翼』でおしゃべりしてて眠くなってきたのがバレて…

ロードに抱えられてこの部屋に入った。
妙に浮かれていた自分を振り返り、呆れるが

少し話したけど…すぐ寝たなぁ。
内容?

ロードにいわゆる姫抱っこされ、首にぎゅっと抱きついた。
『運んでもらうなんてお荷物だ』と認定されるもので
易々としてもらう事はなかった。

小さい子なら別だと思うが。
自分にはそんな時がなかった、初めての経験だと気づいた。

飲み会のおしゃべりの楽しさの延長で浮かれて
フフフともれそうな、笑うのを堪えていた。

夜も幾分か更けているのだから。
抱かれている間の身体に触れている暖かさに、気持ちが余計に浮かれる。

実際、足は地についていない。
ブラブラと、ロードの歩く度に揺れるのも楽しい。

着いたのは夫婦用の寝室だった。
垂れている透ける布を自分の手で退け、ベッドの広さは十分だなとの感想は
2人で寝る前提ということに気づかない。

優しくベッドに降ろされたので
「ありがとう」と緩まった顔で礼を言った。

ロードは苦笑しながら頭を撫でる。
呆れているんだろうか。と心配になり寝支度をしてさっさと寝た方が良いかと思った。

けど、ロードが自分の手を握るため目線を合わせる。
話があるのだと待てば…

「セリに頼られたいんだ」

真剣な願いを言っている目に、
「頼るってどんなものを言うの?」と疑問をストレートに伝えた。

充分頼っているのだ。
これ以上とはなんだろうか?

と考え始めたが答えはまとまらず、・・寝てしまった?
ロードが自分を撫でていたのは記憶にあり

やってしまったか?と失態に恥じて
熱くなる顔を水で洗った。
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