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V 舗装された道
森の探し物
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ギュッとロードに抱き寄せられ
その密着された窮屈さにセリは、安堵を感じた。
その影響か少し口が軽くなり、喋る予定のなかった愚痴めいた
鬱憤が漏れる。
「後見人が師匠を迎え入れたのは、森の探し物は欲しいのと
子供はいらないけど、不審な死は回避したいから押し付けたって…。」
ハッと鼻で嗤ったような初めて見せるセリ態度に
後見人というのに、嫌悪を抱いているのがわかった。
更に、セリから毒を吐かれる
「書斎から出てこない、剣もまともに振れない男だった。
その割には社交は熱心で、周りに気持ち悪いのが多かった」
何か嫌な目にあったと予想させる物言いだった。
ロードが慰めるようにセリを撫でれば、ギュッとその手を握った。
不安と不満を抑え、抱え込む。
「置いてかれたって話も?」
シュルトからの言葉に言い足す。
「それは師匠が来る前。新兵の扱いで下働きしてた。
その後、森の奥に探し物を見つけるまで帰ってくるなって。しばらく師匠と
猟犬を連れて、森の奥や魔物と交戦して実践形式の教えを受けて、別れた。」
森でセリが死んだなら、“行軍中の死”で届けられると明け透けな後見人。
視線でシュルトとカナンが会話した。
『それって…。』
『死ねってことだよな?』
((貴族の家から、救い出しとけよ師匠!!))
と師匠の行動にツッコミたいシュルトとカナン。
子供にとって酷い環境なのは明白だ。逃れるタイミングだっただろう?
子供を、怪しい冒険者(エルフ?)と同行させる。
まともな大人がさせることではないのは確かだ。
“探し物”というくらいだ。どのくらいの期間、森に怪しい男と一緒だったのか。
ロードが慰めるように撫でている。
ボーと空を見つめて焦点のあってない耐えている様子が
セリちゃんが傷ついているようで、痛ましい。
カナンが、セリを慰めたくて頬に接吻する。
驚いた表情でこちらを向いたのでニッコリ笑う。『大丈夫だ』という意味を込めて。
涙は…もともと流れてなかったが、目は光を取り戻したので大丈夫だろう。
ロードが対抗心でセリちゃんの息が止まりそうになったのを、防いだ。
ディープは辞めとけっての。少し引き離す。
ロードの手が離れるのをセリちゃんが視線で追ったのに気づき、
余計なことをしたか?と考えが過ぎった。
「奥の方へ行ったって、その男は何を探してたのカシラ?」
シュルトは、商人として興味がを示した。
「薬草と精霊石だったかな?」セリからこれ以上聞き出せないと思われた。
歯切れの悪さは、記憶が曖昧なのかもしれない。
精霊石を探すのは困難だ。
“精霊の気まぐれ”は同じところで見つかるとは限らず
見つけ出すことは高ランクでも難しい。
そんな道行きに、子供を連れ回すなんて常識的に考えられない。
「なぜセリがついてく?」グスタフの疑問に、
「さあ?子供を連れて行く利点なんて、囮くらいでしょう?」
少しトゲが残る言葉に、グスタフは気にせず思考に更ける。
キースは「なるほどねー。」と軽く返したが
3人の反応は、違った。
「セリ!」抱きつくロード
「そんな大人、害でしかないわ(怒気)」
「そっかー。そう言う感じかぁ(ナデナデ)」
セリを慰めにかかった3人だった。
その密着された窮屈さにセリは、安堵を感じた。
その影響か少し口が軽くなり、喋る予定のなかった愚痴めいた
鬱憤が漏れる。
「後見人が師匠を迎え入れたのは、森の探し物は欲しいのと
子供はいらないけど、不審な死は回避したいから押し付けたって…。」
ハッと鼻で嗤ったような初めて見せるセリ態度に
後見人というのに、嫌悪を抱いているのがわかった。
更に、セリから毒を吐かれる
「書斎から出てこない、剣もまともに振れない男だった。
その割には社交は熱心で、周りに気持ち悪いのが多かった」
何か嫌な目にあったと予想させる物言いだった。
ロードが慰めるようにセリを撫でれば、ギュッとその手を握った。
不安と不満を抑え、抱え込む。
「置いてかれたって話も?」
シュルトからの言葉に言い足す。
「それは師匠が来る前。新兵の扱いで下働きしてた。
その後、森の奥に探し物を見つけるまで帰ってくるなって。しばらく師匠と
猟犬を連れて、森の奥や魔物と交戦して実践形式の教えを受けて、別れた。」
森でセリが死んだなら、“行軍中の死”で届けられると明け透けな後見人。
視線でシュルトとカナンが会話した。
『それって…。』
『死ねってことだよな?』
((貴族の家から、救い出しとけよ師匠!!))
と師匠の行動にツッコミたいシュルトとカナン。
子供にとって酷い環境なのは明白だ。逃れるタイミングだっただろう?
子供を、怪しい冒険者(エルフ?)と同行させる。
まともな大人がさせることではないのは確かだ。
“探し物”というくらいだ。どのくらいの期間、森に怪しい男と一緒だったのか。
ロードが慰めるように撫でている。
ボーと空を見つめて焦点のあってない耐えている様子が
セリちゃんが傷ついているようで、痛ましい。
カナンが、セリを慰めたくて頬に接吻する。
驚いた表情でこちらを向いたのでニッコリ笑う。『大丈夫だ』という意味を込めて。
涙は…もともと流れてなかったが、目は光を取り戻したので大丈夫だろう。
ロードが対抗心でセリちゃんの息が止まりそうになったのを、防いだ。
ディープは辞めとけっての。少し引き離す。
ロードの手が離れるのをセリちゃんが視線で追ったのに気づき、
余計なことをしたか?と考えが過ぎった。
「奥の方へ行ったって、その男は何を探してたのカシラ?」
シュルトは、商人として興味がを示した。
「薬草と精霊石だったかな?」セリからこれ以上聞き出せないと思われた。
歯切れの悪さは、記憶が曖昧なのかもしれない。
精霊石を探すのは困難だ。
“精霊の気まぐれ”は同じところで見つかるとは限らず
見つけ出すことは高ランクでも難しい。
そんな道行きに、子供を連れ回すなんて常識的に考えられない。
「なぜセリがついてく?」グスタフの疑問に、
「さあ?子供を連れて行く利点なんて、囮くらいでしょう?」
少しトゲが残る言葉に、グスタフは気にせず思考に更ける。
キースは「なるほどねー。」と軽く返したが
3人の反応は、違った。
「セリ!」抱きつくロード
「そんな大人、害でしかないわ(怒気)」
「そっかー。そう言う感じかぁ(ナデナデ)」
セリを慰めにかかった3人だった。
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