【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

エルフの弓と矢

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お茶会という戦いのやりとりに、間ができた。
そこにスッと入ってきた声、

「弓は誰に倣った?」
低く落ち着いた声色でグスタフがセリに疑問を投げかけた。
無表情で威圧感を感じさ怒ってる?と感じさせるものだが、
セリには会話できる物静かな人と認識しているので、すんなり答えた。

「高ランクの冒険者、師匠って呼んでる人。」
「容姿は?」

「マントをつけてて、覚えてない。フードにところに
植物柄の刺繍があるフードで、民族由来のものかな?と記憶してる。」

身長、体格に記憶はあやふや。
背が高いしか覚えがない。子供の時ので必死についていくことしか考えていなかった。


兵士と比べて、ガッチリしてて動きが早かった。
初めて見た高ランクの冒険者。狩人と言われた方が納得のソロ活動。


「エルフではないか?」

それは否定する。マントから出る手は、成人男性のもので
色白な人ではなかった。日焼けした肌だったから違う。

セリは、師匠に関して情報を集めていない。
会ったら挨拶を…と思うが会ってもわからない可能性も承知している。

幼い子供だった自分がわかるか疑問でもあり、
身元がバレたくなかったんだと認識した。

子供を森に連れて行く、マントで身を隠した男…
訳ありだったのだろうと正体を聞く事はしなかった。

ロードが言葉を投げた、「ダークエルフって可能性は?」

?わからないと言う顔のセリに、

「南の出身で、狩人。肌の色は日焼けした小麦色って話か。」
カナンが捕捉する。

「こっちまで来る理由がないと・・ネ?」
生活圏が違う。限りなくない可能性だけど、全否定もできない。

国を跨いで、交流の少ないエルフ。
さらに遠い生活圏のダークエルフがいたか?

目立ちそうだ。
セリの弓矢は、魔法付与されていない。俺の知っているエルフの弓と
少し違うように思う。個人差はあるものだが」

魔力が強いエルフの弓には、風魔法の付与がされているのが普通で
セリのものは身体強化重視の弓、矢に付与ができるような作りと説明された。

見慣れない部分のある弓矢らしい。

添えられた言葉に、思いついたことを言う
子供の時の魔力量で、魔力付与の武器を使うのは危険と判断されたのだろうと。

「子供に慣れてない人だったから。」それに尽きると思う。
子供のいる生活をしていないのだろう、体力の違いや扱い方に困っているのを感じた。
焦りや慌てた様子が時々であった。

それでも“探し物”を求める気持ちが強かったようで、森を動き回る。
単独行動に慣れた人だったんだなーと記憶を思い起こしていたセリだった。
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