【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

元貴族子息の口戦

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「ねえセリの家ってどこ?」

「“元”家。戻りたくない」

そんなジャブから始まった。

「辺境の森なら、結構あるかー。騎士の家が多いね?
魔物の脅威と他国の侵攻を防ぐ役目。どっちかな?」

「どっちか別れることってある?」

「あるさ。南じゃないね?
小競り合いで魔物が寄ってこないんだよ」

テンポの良い会話の中の情報。
(引っ掛かったらしい。)とセリはため息を飲み込むため、お茶を啜った。

薬屋の婆のブレンドティーだ。それに力づけられる。
容姿から言って、南の雰囲気はないんだから。軽い誘導だ。バレても良い範囲。

「西の森かあ。北、東、南寄り。の3箇所

あの町なら、北はないかなあ…
北にいたなら子供の時、王都に来てるよね?社交に出てくる、無理してもねー。」

「社交は、ほぼ出てない。」
「王都に出ない社交かあ。小さい頃だね?」

こちらから踏み込むタイミングだ。セリの方から問う
「そう。…王都の事情に詳しいみたいだね。王族の茶会って出たことある?」

すぐに返答がキースから来た
「あるよ。庭の薔薇の香りとお菓子で甘ったるくてね。香水臭いよりマシだって知った」

ここで
王族に呼ばれる家柄と判明した。男爵、子爵は無いと思う。

王族主催の茶会でお菓子を食べられる図太い心臓。子供の時。。
今参加しても、食べそうな精神してそう。

少し苛つきを持った。キースにではなく現状の不安を持ったせいだ。
目の前の人物にあたらないように。

キースの綺麗な洗練された動作。身についている高貴さという教育の結果。
この慣れた追い詰め方…

立場上?なぜ
旅をしている、それも冒険者なのか?

“自由が許されている”
その意味が、継承権がなく身を立てるため。
この理由が一番、多いものだ。

自由を獲得できる位置にいるキース。
この交渉術、立ち回りをする

目の前の貴族は、何者か?に迫る必要性を帯びてきた。
貴族の嫡子でなければ、交渉相手として不安?
少し思考に沈むセリだった。


(ポンポン進むわネ)会話の様子を見るに
キースに任せて正解だった。

セリの“元”家、ね。貴族の継承権に絡んだ、騎士の家系かも
それなら森に行くのも頷ける。

お貴族様の後継者争いは、よく聞く話だ。
それが嫌で平民に、というより冒険者になって居るのも知ってる。

家のつながり、怪しい動きに巻き込まれてないように注意しながら過ごしている。

ケド、セリにその様子が見られない。
協力者がいる?商業ギルドの翁だろうか。いや利益がない。面白そうっていう理由で知ってそうだけど。

情報を断ちつつ、顔も合わせたくない様子。

逃げてる?
なんで。

放逐されてるんなら、まだ継承問題に絡む立ち位置なの?
どんな面倒な家なのカシラ。

考えを整理しながら
ひと息ついている2人を見守るのだった。


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