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V 舗装された道
闇属性
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「闇属性…」
『恐怖の魔王』っていうお話なんかがあるけど…
「気配を消したり、暗闇でも見える能力を発現できる力」
“闇の力で世界征服”っていう本があったくらいだけど、
イメージが悪いだけで、洞穴に住む魔物や隠れるのが得意な
魔物が使っている属性だ。
火や水の魔法と違って、目に見えない効果なので
長年、種族特有の能力だと、誤解されていたらしい。
闇属性という言葉から、隠れるのが得意な魔物や
洞窟、坑道や深い森にいる魔物も闇の魔力で隠れていると考えられている。
目の前の男に答えた。
そう、“呪い”と直接関係がある魔力ではないのだ。
「そうだ。闇属性は闇夜に行動しやすくしたり、認識を阻害できる。」
「認識の阻害?」
聴き慣れない言葉に聞き返した。
「そこにいても、居ないように隠れたり、違うものに見えるようにする。」
(隠れる、違うもの…)そんな魔物を聞いたことがある。
森でいつのまにか後ろの木の上に回り込まれて…。
なんとか倒したらしいけど、冷や汗かいた話して聞いた。
「カモフラージュなんかもそうだな。」
ああ、“カモフラージュ”っていうのか。
その魔物も“存在を森に紛れこませて”近づいてきたらしい。
気配がわからないで接近されるなんて怖い。
「それと、この石がどう関係するの?」
手に持っていたプレートを見れるよう少し高く上げる。
存在感を消すプレートだろうか。
そうならメンバーに置いてかれないように、しっかりついていかないとな。
「それは、“認識阻害”の方だ。
注意を引かないように、紛れるように
特徴を覚えられないようになる。
マントの効果と相乗効果で、どんな姿形だったか思い出しにくくなる。」
(そんな魔道具がどうして自分に?)
顔に出ていたのか答えてくれた。
「俺ら<竜の翼>といると、
やっかみがセリに集中する可能性がある。
竜の番なら尚更、
セリを抑えて俺を動かそうとする奴らが出てこないとも限らない。
自衛のためにつけてほしい。」
自分は、良い囮になれそうだけど?と考えたが口に出さなかった。
彼らは、自分を庇護したいようだ。
囮があれば、楽なことも多いのに。
狩りをするのに、囮の役割が危険なのは当然だ。
逃げ切るのが重要。邪魔にならないよ?
慣れているんだから。
今は依頼中。余計なトラブルは避けたいか。
『竜の翼』とのこの依頼は、今後の冒険者としても関わりをもってきそうだ。
考えて決めることが多いと気付かされた。
他のメンバーとも話ができると良いけど。
冒険者タグに隠れるように、付けた。
セリの持っている小さなプレート。
特殊な魔石を使った認識阻害の魔道具。
使っているのは、王族くらいだろう。
変装して、お忍びに使うのに便利らしい。
看破もできるが、街をブラつくには問題ない。
その値段なんてどうでも良いし、
効果でセリの顔が分からなくなることなんてないが、
俺から贈れなかったことに、不満を感じる。
他の男(カナンとグスタフも噛んでいて、シュルトの伝手だろうがキースの辺りか?)
まあ1人の男からの贈り物ではないんだ。
なんなら『竜の翼』からってことで。資金は俺のところからだろう。
認識阻害は、セリの顔を覚えさせないため。
いつも俺が側にいると言いたいが、街では分からない。
拐かされる可能性もないとは限らない。森とは違う。
貴族共から守りきらなければ!
俺の全力だけでは、セリを守りきれない。
そういう所だからな。
バッサリ切っちまえば楽なのにな。
セリがどう過ごしたいか
王都での様子で決めれば良いいだろう。
俺はこの可愛い番の心も守りたいが、
どうすれば、セリの心に近づけるのだろう。
まだ堅い殻に閉じ篭っている。
ゆっくり出てくるのを促していこうと思う。
セリに伝えたい想いがたくさんあるんだ。
チュッと額に接吻した。
『恐怖の魔王』っていうお話なんかがあるけど…
「気配を消したり、暗闇でも見える能力を発現できる力」
“闇の力で世界征服”っていう本があったくらいだけど、
イメージが悪いだけで、洞穴に住む魔物や隠れるのが得意な
魔物が使っている属性だ。
火や水の魔法と違って、目に見えない効果なので
長年、種族特有の能力だと、誤解されていたらしい。
闇属性という言葉から、隠れるのが得意な魔物や
洞窟、坑道や深い森にいる魔物も闇の魔力で隠れていると考えられている。
目の前の男に答えた。
そう、“呪い”と直接関係がある魔力ではないのだ。
「そうだ。闇属性は闇夜に行動しやすくしたり、認識を阻害できる。」
「認識の阻害?」
聴き慣れない言葉に聞き返した。
「そこにいても、居ないように隠れたり、違うものに見えるようにする。」
(隠れる、違うもの…)そんな魔物を聞いたことがある。
森でいつのまにか後ろの木の上に回り込まれて…。
なんとか倒したらしいけど、冷や汗かいた話して聞いた。
「カモフラージュなんかもそうだな。」
ああ、“カモフラージュ”っていうのか。
その魔物も“存在を森に紛れこませて”近づいてきたらしい。
気配がわからないで接近されるなんて怖い。
「それと、この石がどう関係するの?」
手に持っていたプレートを見れるよう少し高く上げる。
存在感を消すプレートだろうか。
そうならメンバーに置いてかれないように、しっかりついていかないとな。
「それは、“認識阻害”の方だ。
注意を引かないように、紛れるように
特徴を覚えられないようになる。
マントの効果と相乗効果で、どんな姿形だったか思い出しにくくなる。」
(そんな魔道具がどうして自分に?)
顔に出ていたのか答えてくれた。
「俺ら<竜の翼>といると、
やっかみがセリに集中する可能性がある。
竜の番なら尚更、
セリを抑えて俺を動かそうとする奴らが出てこないとも限らない。
自衛のためにつけてほしい。」
自分は、良い囮になれそうだけど?と考えたが口に出さなかった。
彼らは、自分を庇護したいようだ。
囮があれば、楽なことも多いのに。
狩りをするのに、囮の役割が危険なのは当然だ。
逃げ切るのが重要。邪魔にならないよ?
慣れているんだから。
今は依頼中。余計なトラブルは避けたいか。
『竜の翼』とのこの依頼は、今後の冒険者としても関わりをもってきそうだ。
考えて決めることが多いと気付かされた。
他のメンバーとも話ができると良いけど。
冒険者タグに隠れるように、付けた。
セリの持っている小さなプレート。
特殊な魔石を使った認識阻害の魔道具。
使っているのは、王族くらいだろう。
変装して、お忍びに使うのに便利らしい。
看破もできるが、街をブラつくには問題ない。
その値段なんてどうでも良いし、
効果でセリの顔が分からなくなることなんてないが、
俺から贈れなかったことに、不満を感じる。
他の男(カナンとグスタフも噛んでいて、シュルトの伝手だろうがキースの辺りか?)
まあ1人の男からの贈り物ではないんだ。
なんなら『竜の翼』からってことで。資金は俺のところからだろう。
認識阻害は、セリの顔を覚えさせないため。
いつも俺が側にいると言いたいが、街では分からない。
拐かされる可能性もないとは限らない。森とは違う。
貴族共から守りきらなければ!
俺の全力だけでは、セリを守りきれない。
そういう所だからな。
バッサリ切っちまえば楽なのにな。
セリがどう過ごしたいか
王都での様子で決めれば良いいだろう。
俺はこの可愛い番の心も守りたいが、
どうすれば、セリの心に近づけるのだろう。
まだ堅い殻に閉じ篭っている。
ゆっくり出てくるのを促していこうと思う。
セリに伝えたい想いがたくさんあるんだ。
チュッと額に接吻した。
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