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闇の友
(ヨン)子供の魔力
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子供に撫でさせた後、森を進む馬車。
あの子供。
下から上へもふり、モフリと触る子供は、ワレの羽にどっぷりとハマることだろう。
魅惑の羽であるからな!
ワレの魔力と反発せず、手のひらか無意識であろう心地よい波動を伝えた。
邪な眼差しはなく、子供の興味と好奇心に満ちた眼。
綻んだ表情は、子供ゆえの純真さであろう。
愛いものよのう。
まあ、煩わされずに付き合えそうだという第一印象を得た。
どの程度の腕かも気になるが、ワレは既に
この子供に興味、関心を持った。
人柄がわかる持ち前の魔力に、違和感を感じとったのだ。
これは、ワレを謀るほどのものが潜んでいるのか?
小さき子供が己の力を隠すためか?
そうは”視えない“。じっと観察することにする。
こちらの視線を気にした様子もなく
竜小僧の囲い込みにオタオタしておる。
メスとしても若く、オスのアプローチに慣れておらんな。
強引な扱いだが、それも若さよのう。
そんな馬車でのやり取りを聞くともなしに、幌の上でのんびりしていたワレだ。
ワレの存在を感じて、魔物は避けるだろう。
この森の辺りは、ヒトどもの気配が多く小物の魔獣がたまに飛び出てくるだけだ。
その矮小な力を見極められん奴など相手するのも面倒だ。
小僧たちが適当にやるだろう。
麗かな陽射しを浴び、馬車の中にいる新顔も子供を観察することにした。
竜小僧がべったりだな。腕の中に囲っている。
若いオスがやりそうなことだ。
そのべったり囲われた子供は、真面目な様子で森の警戒をしておる。
ワレが居れば不要だがな。
肩に力が入っとる。慣れない緊張が伝わるようだった。
血の気が多い年齢だろうか。雰囲気は狩人。
ヒト族にしては動けるようだが、
いや、この子供はヒト族だろうか?
獣人ではないが、なにか混ざっておるかも知れんな。
強く特徴が出ていないものを総称してヒト族と言っているが。
古からの血が現れることもある。
この子供は、特に抑えられている印象を受ける。
若いせいか?儀式的なもので解放される力なのか?
当の子供は、狩りに出ていきたいのを竜小僧に抑えられている。
群のボスの竜小僧に従っている。従順なようだ。
今のところワガママなそぶりと五月蝿い声は出さないな。上々、上々。
森の入り口で、嘴で子供の唇から魔力を少々もらっている。
封じられているような分かりにくい魔力が引っかかる。
こんな魔力の封印のような事が、ヒト族にやれることだろうか?
そもそも、子供の魔力を封じて何になるのだ。
近づいてじっくり視ればわかる
コヤツ、面白い魔力を持っている!
稀なものだと、ワレの魔力でもっと干渉してみようとしたところで、
竜の小僧に邪魔されるな。
アヤツ、べったり魔力を入れたのだろう。
フッ若いな。
まあ、子供から触られるだけでもわかる。
魔力量は置物小僧(キース)より低いが、質は竜小僧(ロード)並だ。
流れる魔力の渦が、どんな属性をも受け入れる媒体になる。
これはアレらに好かれそうだな。
チラリちらりと魔力に誘われる虫を追い立てた。
『コヤツはワレの支配下にある、虫如きがちょっかい出すな!』
と威嚇すれば、魔物も共々避けたようだ。
ハテ?そのつもりはなかったんだがな?。
魔物の脆弱さに呆れつつ
勝手に動く馬どもの歩調を聞いていた。
面白い拾い物だな。
暇つぶしになるだろう予感に、もう退屈が紛れていた。
あの子供。
下から上へもふり、モフリと触る子供は、ワレの羽にどっぷりとハマることだろう。
魅惑の羽であるからな!
ワレの魔力と反発せず、手のひらか無意識であろう心地よい波動を伝えた。
邪な眼差しはなく、子供の興味と好奇心に満ちた眼。
綻んだ表情は、子供ゆえの純真さであろう。
愛いものよのう。
まあ、煩わされずに付き合えそうだという第一印象を得た。
どの程度の腕かも気になるが、ワレは既に
この子供に興味、関心を持った。
人柄がわかる持ち前の魔力に、違和感を感じとったのだ。
これは、ワレを謀るほどのものが潜んでいるのか?
小さき子供が己の力を隠すためか?
そうは”視えない“。じっと観察することにする。
こちらの視線を気にした様子もなく
竜小僧の囲い込みにオタオタしておる。
メスとしても若く、オスのアプローチに慣れておらんな。
強引な扱いだが、それも若さよのう。
そんな馬車でのやり取りを聞くともなしに、幌の上でのんびりしていたワレだ。
ワレの存在を感じて、魔物は避けるだろう。
この森の辺りは、ヒトどもの気配が多く小物の魔獣がたまに飛び出てくるだけだ。
その矮小な力を見極められん奴など相手するのも面倒だ。
小僧たちが適当にやるだろう。
麗かな陽射しを浴び、馬車の中にいる新顔も子供を観察することにした。
竜小僧がべったりだな。腕の中に囲っている。
若いオスがやりそうなことだ。
そのべったり囲われた子供は、真面目な様子で森の警戒をしておる。
ワレが居れば不要だがな。
肩に力が入っとる。慣れない緊張が伝わるようだった。
血の気が多い年齢だろうか。雰囲気は狩人。
ヒト族にしては動けるようだが、
いや、この子供はヒト族だろうか?
獣人ではないが、なにか混ざっておるかも知れんな。
強く特徴が出ていないものを総称してヒト族と言っているが。
古からの血が現れることもある。
この子供は、特に抑えられている印象を受ける。
若いせいか?儀式的なもので解放される力なのか?
当の子供は、狩りに出ていきたいのを竜小僧に抑えられている。
群のボスの竜小僧に従っている。従順なようだ。
今のところワガママなそぶりと五月蝿い声は出さないな。上々、上々。
森の入り口で、嘴で子供の唇から魔力を少々もらっている。
封じられているような分かりにくい魔力が引っかかる。
こんな魔力の封印のような事が、ヒト族にやれることだろうか?
そもそも、子供の魔力を封じて何になるのだ。
近づいてじっくり視ればわかる
コヤツ、面白い魔力を持っている!
稀なものだと、ワレの魔力でもっと干渉してみようとしたところで、
竜の小僧に邪魔されるな。
アヤツ、べったり魔力を入れたのだろう。
フッ若いな。
まあ、子供から触られるだけでもわかる。
魔力量は置物小僧(キース)より低いが、質は竜小僧(ロード)並だ。
流れる魔力の渦が、どんな属性をも受け入れる媒体になる。
これはアレらに好かれそうだな。
チラリちらりと魔力に誘われる虫を追い立てた。
『コヤツはワレの支配下にある、虫如きがちょっかい出すな!』
と威嚇すれば、魔物も共々避けたようだ。
ハテ?そのつもりはなかったんだがな?。
魔物の脆弱さに呆れつつ
勝手に動く馬どもの歩調を聞いていた。
面白い拾い物だな。
暇つぶしになるだろう予感に、もう退屈が紛れていた。
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