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IV 新たな道行き
事実確認 -4
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荷物の積まれた船底
男は、檻に入れられていた。
荷物用のものだったらしいそれの中身が近くに置いてある。
隊長が例の魔道具を見せる。
「誰の命令だ?言え。」
高価で個人の商人が扱う物ではなく
護衛もなしに持ち歩くものでもない。
この男の魔力は入ってない。
取り出せば、起動する“音の魔道具”だったらしい。
魔物除けで大きな畑を持つところが使う
それは、通常小さな魔石を貯めて入れる。
それをA級になりそうな魔石まで使い
鳥の魔物を警戒させ、
威嚇音の域にまで達した音で襲撃を起こした。
「言えない。」
“言いたいが”と前につきそうな言い様だ。
「奥さんと子がいて何故!?」知り合いという商人が
説得に付いてきていた。
大それたことを考える男ではない。
何かあったんだと聞き出そうとする。
「妻と子が…いないんだ。」
男の意思でやった訳ではないようだ。
セリには、黒幕に思い当たる奴がいる。
自分たちも無関係ではないらしいと思う。
これは、乗客にやらせた報復だ。
「香水臭い金持ちは知ってる?」
そのセリフに弾かれるようにこちらを見た。
向いていない。その反応を見て男の必死さに
被害者だと思えた。
「証明できるか?」隊長の言葉に、
「カバンの臭い」と答える。
香水だ。
特徴的で高価だが臭い、オーダーメイドの香り。
薄くなっている。
証拠の品としては、臭いが消えて間に合わないかもと思われる。
許可を得て、
カバンを『ウォーターボール』に閉じ込めた。
臭いを流すことなく、閉じ込めておける。
この量の魔力なら半日もつ
水魔法の保護がされていれば
魔力は照合できないが、臭いは獣人がわかる。
公正に判別する場で照合すれば、
関わりに嫌疑がかけられる。
魔石、魔道具、男の証言で捕まえられるだろうか?
「救出任務だ!妻子を保護する。」
隊長が言い切り、港町へ戻る
男は涙ながら隊長を拝んでいる。
救出、逮捕、証拠の提出と忙しくなるようだ
撤退準備に戻っていった。
見送りに移動する。
後ろにべったりロードがつき
「番いか」とボソリ独り言を漏らす隊長。
「協力感謝する!だが、いい気になるなよ!」
慇懃に叫んで、
独身の隊長とフォローしていた
副隊長が挨拶してくれた。
憂いも聞けば、
あの臭いを嗅ぐ役目の人が忍ばれた。
嗅覚の良い、今回の件に関わりのない人が選ばれるだろう。
可哀想なので、その人にと、臭い消しの飴をつけた。
ハッカやミントを主として、消臭効果をつけた。
後に、カナンが使うのに錠剤タイプになる。
その飴が獣人の中で噂になった。
嫌な匂いの後に舐めれば、スッと消える飴。
獣人が求めた消臭効果
それを手に入れられた者がいたのかは、わからない。
やがて噂が混じり
“水の女神”の慈悲と名付けられた話だった。
男は、檻に入れられていた。
荷物用のものだったらしいそれの中身が近くに置いてある。
隊長が例の魔道具を見せる。
「誰の命令だ?言え。」
高価で個人の商人が扱う物ではなく
護衛もなしに持ち歩くものでもない。
この男の魔力は入ってない。
取り出せば、起動する“音の魔道具”だったらしい。
魔物除けで大きな畑を持つところが使う
それは、通常小さな魔石を貯めて入れる。
それをA級になりそうな魔石まで使い
鳥の魔物を警戒させ、
威嚇音の域にまで達した音で襲撃を起こした。
「言えない。」
“言いたいが”と前につきそうな言い様だ。
「奥さんと子がいて何故!?」知り合いという商人が
説得に付いてきていた。
大それたことを考える男ではない。
何かあったんだと聞き出そうとする。
「妻と子が…いないんだ。」
男の意思でやった訳ではないようだ。
セリには、黒幕に思い当たる奴がいる。
自分たちも無関係ではないらしいと思う。
これは、乗客にやらせた報復だ。
「香水臭い金持ちは知ってる?」
そのセリフに弾かれるようにこちらを見た。
向いていない。その反応を見て男の必死さに
被害者だと思えた。
「証明できるか?」隊長の言葉に、
「カバンの臭い」と答える。
香水だ。
特徴的で高価だが臭い、オーダーメイドの香り。
薄くなっている。
証拠の品としては、臭いが消えて間に合わないかもと思われる。
許可を得て、
カバンを『ウォーターボール』に閉じ込めた。
臭いを流すことなく、閉じ込めておける。
この量の魔力なら半日もつ
水魔法の保護がされていれば
魔力は照合できないが、臭いは獣人がわかる。
公正に判別する場で照合すれば、
関わりに嫌疑がかけられる。
魔石、魔道具、男の証言で捕まえられるだろうか?
「救出任務だ!妻子を保護する。」
隊長が言い切り、港町へ戻る
男は涙ながら隊長を拝んでいる。
救出、逮捕、証拠の提出と忙しくなるようだ
撤退準備に戻っていった。
見送りに移動する。
後ろにべったりロードがつき
「番いか」とボソリ独り言を漏らす隊長。
「協力感謝する!だが、いい気になるなよ!」
慇懃に叫んで、
独身の隊長とフォローしていた
副隊長が挨拶してくれた。
憂いも聞けば、
あの臭いを嗅ぐ役目の人が忍ばれた。
嗅覚の良い、今回の件に関わりのない人が選ばれるだろう。
可哀想なので、その人にと、臭い消しの飴をつけた。
ハッカやミントを主として、消臭効果をつけた。
後に、カナンが使うのに錠剤タイプになる。
その飴が獣人の中で噂になった。
嫌な匂いの後に舐めれば、スッと消える飴。
獣人が求めた消臭効果
それを手に入れられた者がいたのかは、わからない。
やがて噂が混じり
“水の女神”の慈悲と名付けられた話だった。
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