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IV 新たな道行き
夕暮れの港街 ①
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夕暮れにオレンジ色 海も染まっていた。
その光景に魅入っていれば、船が着岸して揺れた。
すかさず、ロードがセリを支える。
甘い空気が出される前に「さっさと行くよ」とキースが呆れ混じりで言った。
船長のゴートと船乗り達に見送られ、
港町の商業ギルドへ向かった。
酒場に明かりが灯り、賑わいを見せている。
港町では呑む人々が多く、昼でも賑やかだったが
日没からが本番!とばかりに呑み始める。
昨日から同じことを言っていると言うのもザラで、
陸の楽しみというのは、浴びるほど陽気に呑むのが船乗りだ!
とデカい声で、すっかり出来上がっていた。
まあ、そんなものも見慣れた港街の風景だった。
そこを通り過ぎ、別の賑わいを見せる商業ギルドへ着く。
港側と言われ、船や荷物を管理する部門があった。
受付に言えば、個室へ通された。
出されたお茶
3人と1匹だけになった。
「セリ、紅茶が飲みたい。」キースが“このお茶不味そう“という顔で言う。
使い慣れてきたティーセットを出し、
水魔法で水を出し、火魔法で温める。魔力を結構消費するが、楽々できた。
スッキリとした味の紅茶を3人分作り、ひと息つく。
船上の宴で、食事は取ったがお腹が空いてきた。
通りで、魚の匂いや肉の焼いた香りがしていた。
船では軽く摘んでいただけなので、夕食はもう食べれる。
だが、まだまだ待たされそうな予感がした。
クッキーを出す。
ヴァルトにも差し出すが、今はいらないようだ。
あれだけ貢がれていたからなと思いなおし、セリは砕いたクッキーを食べた。
「ん?」
ロードに食べさせられたクッキーをもぐもぐ食べる。
お返しの感覚で、ロードにもクッキーを食べさせた。
“そんなやりとり見えていない”とばかりに、優雅に紅茶を飲むキースだった。
お茶の2杯目を飲み始めた時、人がノックして入ってきた。
まだ、待ち時間は短い方だ。
「荷物は?」「届きました。」
前置きなく、ロードと副ギルド長が話す。
「何が原因なんだ?」
「乗組員と乗客の喧嘩です。」全く面倒なと語尾につきそうなため息の後、
「観光船なら空いているのですが
乗客の方で、要望が多いもので搭乗するのか見極めが難しく…」
短くしろと目線で先を促しらロードに、
「明日の朝出発予定の観光船で貿易街へ。」と結論を言った。
副ギルド長が調子を戻し
「夜までに、搭乗の確認を取るのでもう一度、おいで願えますか?」
それを聞き、仕切り直しが決定した。
商業ギルドのホールに戻る
「お腹すいた。」と言ったのはキース。
時間ができたので、腹ごしらえだ。
「地元の飯を食わせる所はあるか?」受付に聞き、
3人は夜営業の店へ。
海鮮料理だ。
魚が塩だけで味つけられ、漁師用!とばかりに盛られたスープとライス。
酒はもう要らないので、ロードだけ頼み、
スープで混ぜて食べる魚との相性の良さに、舌鼓を打つ。
ここで
干物を買おうと決め、
絡まれた。
「坊ちゃん2人は、酒が呑めねえのかあ~?」
「酒代恵んでくれよお~。」
店の客の嘲笑う声。
なるほど。保護者と子ども2人に見えるのか。
この後、
絡まれた保護者が、男たちを沈める。
子どもの1人が、出されている生の魚を火魔法でこんがり焼く、
妙な悪戯をして回ろうとしたのを
セリが止める係になった。
その光景に魅入っていれば、船が着岸して揺れた。
すかさず、ロードがセリを支える。
甘い空気が出される前に「さっさと行くよ」とキースが呆れ混じりで言った。
船長のゴートと船乗り達に見送られ、
港町の商業ギルドへ向かった。
酒場に明かりが灯り、賑わいを見せている。
港町では呑む人々が多く、昼でも賑やかだったが
日没からが本番!とばかりに呑み始める。
昨日から同じことを言っていると言うのもザラで、
陸の楽しみというのは、浴びるほど陽気に呑むのが船乗りだ!
とデカい声で、すっかり出来上がっていた。
まあ、そんなものも見慣れた港街の風景だった。
そこを通り過ぎ、別の賑わいを見せる商業ギルドへ着く。
港側と言われ、船や荷物を管理する部門があった。
受付に言えば、個室へ通された。
出されたお茶
3人と1匹だけになった。
「セリ、紅茶が飲みたい。」キースが“このお茶不味そう“という顔で言う。
使い慣れてきたティーセットを出し、
水魔法で水を出し、火魔法で温める。魔力を結構消費するが、楽々できた。
スッキリとした味の紅茶を3人分作り、ひと息つく。
船上の宴で、食事は取ったがお腹が空いてきた。
通りで、魚の匂いや肉の焼いた香りがしていた。
船では軽く摘んでいただけなので、夕食はもう食べれる。
だが、まだまだ待たされそうな予感がした。
クッキーを出す。
ヴァルトにも差し出すが、今はいらないようだ。
あれだけ貢がれていたからなと思いなおし、セリは砕いたクッキーを食べた。
「ん?」
ロードに食べさせられたクッキーをもぐもぐ食べる。
お返しの感覚で、ロードにもクッキーを食べさせた。
“そんなやりとり見えていない”とばかりに、優雅に紅茶を飲むキースだった。
お茶の2杯目を飲み始めた時、人がノックして入ってきた。
まだ、待ち時間は短い方だ。
「荷物は?」「届きました。」
前置きなく、ロードと副ギルド長が話す。
「何が原因なんだ?」
「乗組員と乗客の喧嘩です。」全く面倒なと語尾につきそうなため息の後、
「観光船なら空いているのですが
乗客の方で、要望が多いもので搭乗するのか見極めが難しく…」
短くしろと目線で先を促しらロードに、
「明日の朝出発予定の観光船で貿易街へ。」と結論を言った。
副ギルド長が調子を戻し
「夜までに、搭乗の確認を取るのでもう一度、おいで願えますか?」
それを聞き、仕切り直しが決定した。
商業ギルドのホールに戻る
「お腹すいた。」と言ったのはキース。
時間ができたので、腹ごしらえだ。
「地元の飯を食わせる所はあるか?」受付に聞き、
3人は夜営業の店へ。
海鮮料理だ。
魚が塩だけで味つけられ、漁師用!とばかりに盛られたスープとライス。
酒はもう要らないので、ロードだけ頼み、
スープで混ぜて食べる魚との相性の良さに、舌鼓を打つ。
ここで
干物を買おうと決め、
絡まれた。
「坊ちゃん2人は、酒が呑めねえのかあ~?」
「酒代恵んでくれよお~。」
店の客の嘲笑う声。
なるほど。保護者と子ども2人に見えるのか。
この後、
絡まれた保護者が、男たちを沈める。
子どもの1人が、出されている生の魚を火魔法でこんがり焼く、
妙な悪戯をして回ろうとしたのを
セリが止める係になった。
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