【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

文字の大きさ
上 下
116 / 200
IV 新たな道行き

④ 釣りと水魔法

しおりを挟む
船は事もなく、川をゆっくり流れて行った。

見張りとは名ばかりに、日向ぼっこをしている様子に見えるが、
気は配っていた。それでも長閑さは拭えなかった。

セリは物珍し気に船の上の景色を見ていた。
船が作り出す波紋、そよ風が通り過ぎる。

静かな朝の森を遠目に観察していた。

上りの船がこれば船が避けるために軌道を修正する。

上りの船に譲るのがルールのようだ。
その船は、前の部分の波が高く、何かが先導しているようだった。
姿は見えないが、川の魔物と言われているものだろうか?

何頭いるのだろう。
魚群がいたらあんな感じになるんだろうか?とじっと見ていた。


「よお船旅を楽しんでるか?」
大きな声で、話しかけられる。船長のゴートだ。

セリに向かってだった。

ロードとは、契約した冒険者のリーダーとして話した。
今回は、乗せた客として話す雰囲気を感じたので、
当たり障りなく、楽しんでいて物珍しいと返しておく。

ロードの目つきが鋭くなったが、男が近づいた警戒だった。

機嫌が少々悪くなるが、宥める役のカナンがいないので
顔に出ていた。

セリは少し、疑問に思うだけだったが
船長の方は、顔が動揺にひきつる。

獣人では、魚人族との関係が深いが、独占欲はそれほどない。
独自の文化が形成されているが、コレはない

獣人の中で竜と狼の独占欲の話は、語り草な程なのだ。

ゴートは、力関係を捉えセリに突っかからない事を再度、周知させることにした。
船長命令を使い、“船が沈むと思え”と忠告付ける決まった。


そして、
船の説明をして仲良くなる
敵対意識はない事、友好関係を築きたいとロードの方にアピールが必要だと。

話せば、この子は温厚なようだ。
と胸を撫で下ろした。同時に、


もう少し探りを入れるか。となる。情報は大事だ。
船長でありもあり、商人故の性かもしれない。

「3人なのか?他にメンバーは」

「後3人留守番。それと…」視線を向ければ、
風が動く
「ヴァルトも。」そう言ってフォレストオウルを撫でた。

それは、冒険者の佇まいで。
若手の冒険者として扱うことに決めた。

「魚でも食うか!」
と聞けば、素直に目を輝かせるのが年相応のようで。

若いやつには、世話を焼きたくなる。
妬かれたくはないがと、射殺されそうな庇護者の目に冷や汗だ。

無実だ!下心はないぞ、子どもにな!!と目で言い訳し、
話を進めた。

「もちろん、釣るぞ!」

気合が入ったのか。フォレストオイルが羽を広げる。

「淡白で食べやすい魚が釣れるぞ!」とヴァルトに声をかけている。

このなだらかな地点は、魚を狙う場所らしい。
広いため、すれ違えるという理由もあるためらしい。

そんな説明を聞いていれば、船員たちが釣りを始めた。
投げる場所がわかっているように、狙っている。


「水魔法での探知を使っている」と聞けば、
セリが乗り気になった。

これが後に、空気中の水を使った探知もできるようになる、きっかけだった。


魚影を見るようにと教えられ、
もっと精密に集中する。なんの魚か特徴が分かる。

セリが魚の特徴と、名前を覚えればだが。

釣り人に魚の場所を知らせれば、
おもしろいように獲れる取れる。


海と交わってきた地点に、居た!

セリは、大物を水魔法の球体に閉じ込め獲得した。


その光景に、歓声が上がり

船乗り達は
セリの魔法に魅了され、信奉されたといっても過言ではない状態
になったのだった。
しおりを挟む
ツギクルバナー
感想 2

あなたにおすすめの小説

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る

拓海のり
ファンタジー
 階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。  頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。  破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。  ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。  タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。 完結しました。ありがとうございました。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」  豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。  周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。  私は、この状況をただ静かに見つめていた。 「……そうですか」  あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。  婚約破棄、大いに結構。  慰謝料でも請求してやりますか。  私には隠された力がある。  これからは自由に生きるとしよう。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...