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III 貿易都市

調理場

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昨日のお出掛けでは、
チョコレートは送り届けてもらうことになり、多めに支払いをした。

その次の日
朝、宿のキッチンを借りられた。

団体客用の貸し出す調理場らしく、
広くて基本的な料理器具が置いてある。

そこで、調理開始だ。

今日の午前中で旅用の料理をすること
シュルトの手伝いとお菓子を試しに作る。


オーブンもあるので、何を作ろうか迷う。


セリの指の爪が綺麗に輝く。その色は綺麗な緑ではなく

氷の結晶のような色。水色と白を合わせた色。

付与した回復の上に塗った薬液、
それにロードが付与したらこうなった。


森の緑色、癒しの色とされるものが、
凍った湖面のような色も美しい色だけど

二重付与された効果がわからないのだった。

「様子を見ましょ」とまあしょうがないわねの顔で言うシュルトは、
この爪にどう付与されたかも知られている。

妖艶に微笑まれたが、セリは顔を逸らしておいた。
気恥ずかしい。

ネイルが気になるので、
調理用の手袋なるものを使わせてもらう。

薄く透明な手袋は、調理する人に人気らしい。
特に獣人には御用達。


冷やす調理に使えるかもとそれも試すことにした。

『竜の翼』は昨日に引き続き、のんびり宿で待機。
折角なので、昼もここで食べる。

それぞれ調理の腕を聴けば、
「肉は斬れる。焼けばいいだろ?」なロードはシンプルな調理のみらしい。

カナンが、料理を少し。

グスタフは、料理上手らしい。
煮込み料理でじっくり、得意な料理を作る。味は
ボリュームがあり、辛いが旨い。

寒い地域で料理を作ってくれる。

そんな事情で、
いつもの料理担当はシュルトになっていた。

手際が良いし、旨い。
持ち物、食料の管理も請け負っている。


『竜の翼』の財布を握っているのもシュルトだ。

お菓子の消費量もかなりあり
キースは食べる専門と宣言している。
そう言ってはいるが、魔法で調理を手伝っている。

氷もあるし、保存や保管は楽なんだそう。

旅で食べる分の食事とお菓子を作るには、

ナッツのパウンドケーキ
クリーム
シフォンケーキ
フィナンシェと言われるもの


練り込んだ甘いパン
粉砂糖をたっぷりかければ結構もつ

パンケーキも食べたいな。


思うままにセリは、サクサクと作った。手際が良い。

その合間に、
昼は、甘さ控えめのパンケーキとサラダ、スープにすることにした。

メンバー全員から味見はオッケーが出た。

その後も保存できるものを
果物は余裕があれば、砂糖でコンポートにして、
紅茶に入れる!

紅茶のお供になると勧めれば、キースが試す。


ハーブティも飲める旅路は、たのしそうだ。

後片付けを終えれば、
「セリ!」ロードの持つスプーンの上のジャム
口に入れれば、歯応えが残っていて美味。

お礼に、ハチミツとナッツのパンケーキを一欠片
ロードに食べさせた。

それが、
食べさせ合いっこというものだと
気づかないセリなのだった。


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