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III 貿易都市
それぞれの思考
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ーーセリ側
新鮮な果物も買い、貴族街へ向かう。
歩きで行くと思われたが、馬車に押し込められた。
グスタフとカナンは窮屈だからと
外を歩いている。
ヴァルトはグスタフの肩の上で、静かにしている。
うとうとしているのかもしれないな。
さっきの話もあったせいか、2人の配置が馬車の護衛のようだなと思った。
そうなると、狙われているのは…
堂々と座っているキースだろうか。
高貴な貴族令息がお忍び中と言ったところか。
護衛が5人は多いか?
護衛なら、外の2人と馬車にもう1人が定石だろう。
となると、体格からしてロードが護衛騎士。
シュルトは?動きが柔らかいからなあ。
貴族にも見える。会話の内容は同席している商人だけど。
「チョコレートの店は老舗ね。紅茶も扱ってそうネ?
以前、ケーキは出してたかしら。」
「紅茶が飲みたいなー?」
あれ、自分は…
従者かな。『紅茶をお淹れましょうか?』
って聞くのは自分だろう。
想像してみると、ちょっとおもしろかった。
ーーロード側
俺の番がかわいい。
何を考えているんだろう。
触れる肩、密接する箇所
視線は邪魔だが、
外の奴らなんてどうでもいいから
俺の側で笑っていてほしい。
ああ。愛しいな。
ーーシュルト側
なんなのかしら
まだスイーツの店に行ったわけじゃないのに、
馬車の中が甘いわ。
原因はロードの甘ったるい顔かしらネ?!
アタシも外のが良いかも
カナン、逃げたワネ~。
え、今までもこんなんだったの?
この男が、こんな溶けたデレデレなの。
フッ
平穏っていいわよね。
ああ。アタシの愛しのレディに会いたくなったワ。
当てられるわねぇ。この雰囲気は。
アタシの今日のケーキは、甘酸っぱいものにしまショ。
キースじゃないけど、紅茶が飲みたい。
スッキリするヤツ。
ーーキース側
チョコレートかあ。
持ちがいいならケース買いしようかなあ。
夜が寒いなら、酒が入ったのはあったまるし
紅茶に合う。
たくさん買うなら、ホットチョコレートにして飲むのも手か。
これは、板で買うか。
ケーキは、チーズケーキと、ワイルドベリー。
後は、リモーネのタルトかなあ。
酸っぱい物食べたくなった。
セリも良く胃もたれしないよね!
甘ったるいのべったり付いてるのに?
鈍感なのかな?
笑える。
ーーカナン側
キースがいると、
貴族のお忍びに間違えられるんだよな。
今回は、セリちゃんがいる。
貴族同士のデートって間違われるんじゃねえかな
そんなこと言ったらロードがうるせえだろうな。
高級店だと、そこんとこ間違えねえからな。
門番はしらねえけど。
んんん~
視線は感じるな。
プロかなあ。
たち悪そうな方面の。
キースにはシュルトが側に付いてるし、
セリにはロードがべったり。
接触してこない気がする。
様子見と観察が目的だな。
狙いは?
2人共かもな。
グスタフをちらりと見れば、
警戒しつつも力は入っていない。
緊張状態ではない
相手はそこまで強敵じゃねえのかな。狩人の勘でいくとな。
ぐるりと索敵範囲を広げる。
どこからも嫌な視線は感じない。
鬱陶しさはあるものの
街中なんてこんなもんだよな。
ばっさりやれる魔物相手のがスッキリするよなあ。
街中でゆっくり走る馬車の中
麗しい子供が2人優雅に座る。
あの姿勢じゃ一般人に見えねえっての。
側にいる2人も
商人と護衛って感じだよなー。
格好は全員冒険者のはずだが
今日は身綺麗な方か。
どうも、依頼主と冒険者に見えなくもない。
変なパーティだなって思うよ。うん。
ーーグスタフ側
街中は視線が多いな。
馬車に乗っているメンバーが、物珍しいのだろう。
貴族のようにキラキラしいからな。
キースもセリも物腰がそれなのだ。
格好が冒険者でも、目を惹きつけられるのだろう。
華奢だしな。
視線を感じる街中は煩わしい。
森と違って、視線の意味が違ってくる。
命のやりとりの場ではない
視線で意思が大量に行き交う
街中は苦手だ。
肩に乗ったヴァルトを見る。よく食ったようで
大人しくしている。
食い過ぎだな。
今日の夕飯は減らそう。
新鮮な果物も買い、貴族街へ向かう。
歩きで行くと思われたが、馬車に押し込められた。
グスタフとカナンは窮屈だからと
外を歩いている。
ヴァルトはグスタフの肩の上で、静かにしている。
うとうとしているのかもしれないな。
さっきの話もあったせいか、2人の配置が馬車の護衛のようだなと思った。
そうなると、狙われているのは…
堂々と座っているキースだろうか。
高貴な貴族令息がお忍び中と言ったところか。
護衛が5人は多いか?
護衛なら、外の2人と馬車にもう1人が定石だろう。
となると、体格からしてロードが護衛騎士。
シュルトは?動きが柔らかいからなあ。
貴族にも見える。会話の内容は同席している商人だけど。
「チョコレートの店は老舗ね。紅茶も扱ってそうネ?
以前、ケーキは出してたかしら。」
「紅茶が飲みたいなー?」
あれ、自分は…
従者かな。『紅茶をお淹れましょうか?』
って聞くのは自分だろう。
想像してみると、ちょっとおもしろかった。
ーーロード側
俺の番がかわいい。
何を考えているんだろう。
触れる肩、密接する箇所
視線は邪魔だが、
外の奴らなんてどうでもいいから
俺の側で笑っていてほしい。
ああ。愛しいな。
ーーシュルト側
なんなのかしら
まだスイーツの店に行ったわけじゃないのに、
馬車の中が甘いわ。
原因はロードの甘ったるい顔かしらネ?!
アタシも外のが良いかも
カナン、逃げたワネ~。
え、今までもこんなんだったの?
この男が、こんな溶けたデレデレなの。
フッ
平穏っていいわよね。
ああ。アタシの愛しのレディに会いたくなったワ。
当てられるわねぇ。この雰囲気は。
アタシの今日のケーキは、甘酸っぱいものにしまショ。
キースじゃないけど、紅茶が飲みたい。
スッキリするヤツ。
ーーキース側
チョコレートかあ。
持ちがいいならケース買いしようかなあ。
夜が寒いなら、酒が入ったのはあったまるし
紅茶に合う。
たくさん買うなら、ホットチョコレートにして飲むのも手か。
これは、板で買うか。
ケーキは、チーズケーキと、ワイルドベリー。
後は、リモーネのタルトかなあ。
酸っぱい物食べたくなった。
セリも良く胃もたれしないよね!
甘ったるいのべったり付いてるのに?
鈍感なのかな?
笑える。
ーーカナン側
キースがいると、
貴族のお忍びに間違えられるんだよな。
今回は、セリちゃんがいる。
貴族同士のデートって間違われるんじゃねえかな
そんなこと言ったらロードがうるせえだろうな。
高級店だと、そこんとこ間違えねえからな。
門番はしらねえけど。
んんん~
視線は感じるな。
プロかなあ。
たち悪そうな方面の。
キースにはシュルトが側に付いてるし、
セリにはロードがべったり。
接触してこない気がする。
様子見と観察が目的だな。
狙いは?
2人共かもな。
グスタフをちらりと見れば、
警戒しつつも力は入っていない。
緊張状態ではない
相手はそこまで強敵じゃねえのかな。狩人の勘でいくとな。
ぐるりと索敵範囲を広げる。
どこからも嫌な視線は感じない。
鬱陶しさはあるものの
街中なんてこんなもんだよな。
ばっさりやれる魔物相手のがスッキリするよなあ。
街中でゆっくり走る馬車の中
麗しい子供が2人優雅に座る。
あの姿勢じゃ一般人に見えねえっての。
側にいる2人も
商人と護衛って感じだよなー。
格好は全員冒険者のはずだが
今日は身綺麗な方か。
どうも、依頼主と冒険者に見えなくもない。
変なパーティだなって思うよ。うん。
ーーグスタフ側
街中は視線が多いな。
馬車に乗っているメンバーが、物珍しいのだろう。
貴族のようにキラキラしいからな。
キースもセリも物腰がそれなのだ。
格好が冒険者でも、目を惹きつけられるのだろう。
華奢だしな。
視線を感じる街中は煩わしい。
森と違って、視線の意味が違ってくる。
命のやりとりの場ではない
視線で意思が大量に行き交う
街中は苦手だ。
肩に乗ったヴァルトを見る。よく食ったようで
大人しくしている。
食い過ぎだな。
今日の夕飯は減らそう。
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