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II-c 馬車の旅
雷の魔石
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引き続き、『妖精の悪戯』の検証を行う。
キース主導で。
毒性の心配をしているようだが、
聞いたことはない。
そもそも、『妖精の悪戯』が起こっているのか?
がわからない。
ちょっと味が変わった。甘くなった気がする程度の変化は
気のせいだで終わるものが大半だ。
『毎回、セリの作るものが甘く感じる』
と言われるハーブティーから始まって、
初級ポーションを作ったら、鑑定で効果が出るようになった。
薬屋のオババの下で、他のものも作らせててもらったが、
「売り物にはできないね」だった。均一のものが作れないことから、
調合はやめておけ。となっていた。
やがて条件が緩和され、
鑑定を受けること、信用のおける人物がいることとなる。
なる時もあるし、ならないこともある。
そんな検証は、
「これも、これも出てない!?
前出てたヤツも効果なくなってる!何で??」
まあ。検証が難しい、と。
何個か作ったハーブティーは、悪戯されなかったらしい。
キースが悩み始めたので
本を読むことにした。購入した『雷属性の本』の続き。
ロードの膝の上で。
もう、これに関しては諦めた。
今依頼中じゃない。
魔法で連携ができるか?が検討できる。
高ランク冒険者の話を聞ける機会なんだ。
…そのうち、ダンジョンの話も聞きたい。
その前に、
今は仮にも『竜の翼』のメンバーなんだ。役に立たないと!
「雷属性は金属の矢に付与したことがある。
ホーンラビットに当たれば、痺れて気絶した。
オークを足止めしたこともある。」
大弓を使うグスタフの矢に使えるだろうか?
聞き役に徹するロードに続けて言う
「難点は、
付与を直前にする必要があること。
保管ができないから、直ぐに使う。」
「魔石に入れてみるか?」
ごそごそとアイテムボックスから取り出したのは…
大きい魔石
Bランク以上の魔石に思えた。
大きい。
「これに付与してみるか?」
簡単に言うが、
失敗したら壊れるんじゃないだろうか。
この大きさの魔石、いくらだろう。
ギルドで見た時は、……。
「セリ?」呼びかけられて、目の前の魔石と向き合う。
「そっちより属性が合ってるのにしたら?」
キースの声が飛んできた。
「両方、いけるか?」と出された黄色が濃い魔石を見て、
値段は置いとけ。と心を説得して
先に出された魔石に、魔力を込めた。
ふおんっ
魔力の流れが止まりる。
魔石の奥をのぞき込めば、光が宿っているように見えた。
成功だ。
ロードに付与した魔石を手渡す。
「付与されてるな。」確認が取れたが
使い所があるんだろうか。
雷属性の魔石を持つ。
魔力が馴染むように入っていった。さっきより入ったと思う。
「ん。よくできてる!」
いつもの撫でられる褒め言葉より
嬉しいものだった。
自分の能力が認められてたようで。
「これなら、投降用と付与する用かな?」
キースがロードの横から見ていた。
「紅茶淹れて」休憩らしい。
「他の魔石にも入れてみたら?」
ロードが小さな魔石を探していると、
「お、蜜!」掘り出しものがあったらしい。
「ミルクティーにして!」
仰せのままに。
ミルクに紅茶の葉を淹れて温める。
香りの良いミルクは贅沢な気分を味わえる。
これに蜂蜜がつけば、もっと良い。
ロードが出した花の蜜
「これ、風邪予防に飲んでた。」
贅沢品だが、
風邪をひきかけ、子供の時の楽しみのひとつだった。
「貴族の子のね」
そう言ったキースの言葉は、挑発的な声色だった。
「値段的に、貴族に出回るものだってシュルトが言ってたんだよね~。
北ではないけど、南は、もっと甘い花があるし。
森だね?」
楽しそうな雰囲気を出して話を続ける。
不穏な…。
「ねえ、君はどこの貴族関係者?」
久しぶり射抜かれるような、貴族の視線だった。
キース主導で。
毒性の心配をしているようだが、
聞いたことはない。
そもそも、『妖精の悪戯』が起こっているのか?
がわからない。
ちょっと味が変わった。甘くなった気がする程度の変化は
気のせいだで終わるものが大半だ。
『毎回、セリの作るものが甘く感じる』
と言われるハーブティーから始まって、
初級ポーションを作ったら、鑑定で効果が出るようになった。
薬屋のオババの下で、他のものも作らせててもらったが、
「売り物にはできないね」だった。均一のものが作れないことから、
調合はやめておけ。となっていた。
やがて条件が緩和され、
鑑定を受けること、信用のおける人物がいることとなる。
なる時もあるし、ならないこともある。
そんな検証は、
「これも、これも出てない!?
前出てたヤツも効果なくなってる!何で??」
まあ。検証が難しい、と。
何個か作ったハーブティーは、悪戯されなかったらしい。
キースが悩み始めたので
本を読むことにした。購入した『雷属性の本』の続き。
ロードの膝の上で。
もう、これに関しては諦めた。
今依頼中じゃない。
魔法で連携ができるか?が検討できる。
高ランク冒険者の話を聞ける機会なんだ。
…そのうち、ダンジョンの話も聞きたい。
その前に、
今は仮にも『竜の翼』のメンバーなんだ。役に立たないと!
「雷属性は金属の矢に付与したことがある。
ホーンラビットに当たれば、痺れて気絶した。
オークを足止めしたこともある。」
大弓を使うグスタフの矢に使えるだろうか?
聞き役に徹するロードに続けて言う
「難点は、
付与を直前にする必要があること。
保管ができないから、直ぐに使う。」
「魔石に入れてみるか?」
ごそごそとアイテムボックスから取り出したのは…
大きい魔石
Bランク以上の魔石に思えた。
大きい。
「これに付与してみるか?」
簡単に言うが、
失敗したら壊れるんじゃないだろうか。
この大きさの魔石、いくらだろう。
ギルドで見た時は、……。
「セリ?」呼びかけられて、目の前の魔石と向き合う。
「そっちより属性が合ってるのにしたら?」
キースの声が飛んできた。
「両方、いけるか?」と出された黄色が濃い魔石を見て、
値段は置いとけ。と心を説得して
先に出された魔石に、魔力を込めた。
ふおんっ
魔力の流れが止まりる。
魔石の奥をのぞき込めば、光が宿っているように見えた。
成功だ。
ロードに付与した魔石を手渡す。
「付与されてるな。」確認が取れたが
使い所があるんだろうか。
雷属性の魔石を持つ。
魔力が馴染むように入っていった。さっきより入ったと思う。
「ん。よくできてる!」
いつもの撫でられる褒め言葉より
嬉しいものだった。
自分の能力が認められてたようで。
「これなら、投降用と付与する用かな?」
キースがロードの横から見ていた。
「紅茶淹れて」休憩らしい。
「他の魔石にも入れてみたら?」
ロードが小さな魔石を探していると、
「お、蜜!」掘り出しものがあったらしい。
「ミルクティーにして!」
仰せのままに。
ミルクに紅茶の葉を淹れて温める。
香りの良いミルクは贅沢な気分を味わえる。
これに蜂蜜がつけば、もっと良い。
ロードが出した花の蜜
「これ、風邪予防に飲んでた。」
贅沢品だが、
風邪をひきかけ、子供の時の楽しみのひとつだった。
「貴族の子のね」
そう言ったキースの言葉は、挑発的な声色だった。
「値段的に、貴族に出回るものだってシュルトが言ってたんだよね~。
北ではないけど、南は、もっと甘い花があるし。
森だね?」
楽しそうな雰囲気を出して話を続ける。
不穏な…。
「ねえ、君はどこの貴族関係者?」
久しぶり射抜かれるような、貴族の視線だった。
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