【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

II-c 馬車の旅

精霊魔法

「魔法は自分の中の魔力を使って、言葉により発現させる。」

始まったのは、キースの魔法講義。
ロードに撫でられながら、拝聴する。

ロードの分の魔石補給は終わったらしい。
ヒマなの？

突然始まった講義と、何故か自分の頭を撫で始めたロードという謎空間。
自分の邪魔にならなきゃいいって。
…この2人、両方がマイペースだから喧嘩しないし、互いに気にしてないんだな。

と結論付ける。
そうだもう、開き直ろう。

ロードに髪を接吻されながら、講義を聴いた。

「言語により異なる魔法が生まれ、系統べつにまとめられ魔術師が
まとめてる。それと系統を分かつものが・・

“精霊魔術”だ。」

子供向けのお話に出てくる精霊、ね。
妖精のがまだ身近な気がする。

古いエルフ族で見れる人がいたらしいっていうお話もあったな。

心優しい子供を護る
土地に宿る
神の遣い

精霊を“身使う”魔術

今使えている魔法とどう違うんだろうか。

自分の魔力量は普通だった。
全属性だけど使えるのは、少しずつで威力は初級。


生活魔法と呼ばれる
魔力量が少なく、使える魔法ができるが

冒険者としては、使いどころが微妙。

ちょっと便利な魔法の使い方をするより、
攻撃魔法を一発打てた方が良い。


制御の乱れが出るのか、
自分の魔法は大きな魔法を撃とうとすれば、出力が安定しない。

師匠には、水魔法の制御を徹底的に鍛えろと厳命されたが、
それも5年以上前のことだ。

今の使い方で、成長できるのか？


「使える魔力と規模に違いが出る、か。」
キースも思考に耽っていたらしい。

無言の空間だったが、決断したのは…


「魔力を見よう」

百聞一件にしかず。
冒険者ギルド(仮)から外に出た。

池。
村の中に接する小さな水場。

昼食前にさっさとやろうと3人で来た。
あ、魚がいる。


こんな長閑な場所で、冒険者3人。
何をするんだろう？？という村の人の視線を受けている。

「得意なのは水魔法？」と確認しながらキースが
大人が入れそうな水量を池から持ち上げた。

「おお～」と観客から歓声が上がる。
綺麗に制御された魔法は、安定感のある状態だ。

飲み水魔法と言われる手で掬える程の量を出す、操れる程度が一般的。

魔法使いと名乗る冒険者は、ボール程の水玉を魔物に当てる。つまり、
規格外の魔力量だった。

自分のターンということで、ポン‥…ポン……と水の玉を空中に浮かせていく

ポン…ポン……


大人の姿を隠せるくらいの水玉が
あたりを埋め尽くしていった。


これ、シャボン玉みたいと喜んでくれるんだよね。
と手軽にポンポン増やしていった。