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II-b 陸丘の森
キャンプ地
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早々に着いた。
以前来た時よりもずっと速い。
馬車が良いのか、魔物にあまり遭遇しなかったからか。
戦闘時間が短縮されていたか。
そんなところだろうか。
膝の上から解放され、
今日の野営地となるキャンプ場に入った。
守衛のように2人入っており、
大人数集まる混雑が予想されていた。
昼飯には少し早い時間。
商人の姿があちこちに見えた。
「ギルド長!」と数人挨拶に近寄ってくる。
「奥で広げてるワ」と話し込みそうな商売ギルド長のギムナスを置いて
進んだ。
テントと馬車に分かれて体を休める。
料理のための竃が手速く作られ、昼ご飯となるようだ。
作り立てのスープと、パンは焼きたての温度だが
朝に作られたものらしい。高級のマジックバックはすごいなと思った。
そして、美味しい。
ごろりと野菜の入ったミルクシチューだ。肉と貝が入った濃い味。
1杯でも多かったが、他のメンバーは大きい器で3杯目を食べている。
キースは2杯で終わったようだ。
「もう良いのか?」串肉も食べているロードに尋ねられたが、
普段よりボリュームのある食事に胃がびっくりしている。
塊肉も味の濃さ、手間暇かかっていそうな味わいは
食べる機会が少ない。
普段のスープならかけらが入っていれば良い方。
がっつきすぎたかと思ったが、食事量の差を感じた、
身体を作るなら、食事からだろうか。
「紅茶を飲まない?」とシュルトの言葉に、淹れるのは任せてもらった。
「美味しいわ。淹れるの上手ねェ」
「ん、まあまあだね。」
食後にお茶を飲めるなんて、贅沢だ。
あっさりとした味の紅茶が気分をスッキリさせてくれる。
果実水を飲んだロードが、この後の予定を確認した。
「俺ら3人で森を周ってくる。採取でなんかいるもんあったか?」
「買い揃えたし、特にはないカシラ?」
「そうだねー。」
「クルル…」と鳴いた方を見るとヴァルトが
木の実を啄んでいる。
「乾燥果物ならあるケド、新鮮なものがあれば良いわネ」
果物好きなのかな?あげてみたい。気持ち和んでいたら、隣から
わしゃわしゃ撫でられる。
「セリが食えるもんも採ってくるな!」
餌付けですか。まあ、好きだけど。酸味効いている果物。
頷いておいた。
結局、ロードとカナン、グスタフとヴァルトで森に入って
夕暮れまでには帰ってくる。
シュルト、キース、自分は待機らしい。
旅の途中で食べられる、作るのに時間がかかるものを作る。
主に煮込み料理や、下処理をするそうだ。
やっと手伝えそうで密かに安心した。
「気をつけて行ってきてね」と送り出したら
ロードに抱きつかれて、なかなか出ていかなかった。
解せぬ。
以前来た時よりもずっと速い。
馬車が良いのか、魔物にあまり遭遇しなかったからか。
戦闘時間が短縮されていたか。
そんなところだろうか。
膝の上から解放され、
今日の野営地となるキャンプ場に入った。
守衛のように2人入っており、
大人数集まる混雑が予想されていた。
昼飯には少し早い時間。
商人の姿があちこちに見えた。
「ギルド長!」と数人挨拶に近寄ってくる。
「奥で広げてるワ」と話し込みそうな商売ギルド長のギムナスを置いて
進んだ。
テントと馬車に分かれて体を休める。
料理のための竃が手速く作られ、昼ご飯となるようだ。
作り立てのスープと、パンは焼きたての温度だが
朝に作られたものらしい。高級のマジックバックはすごいなと思った。
そして、美味しい。
ごろりと野菜の入ったミルクシチューだ。肉と貝が入った濃い味。
1杯でも多かったが、他のメンバーは大きい器で3杯目を食べている。
キースは2杯で終わったようだ。
「もう良いのか?」串肉も食べているロードに尋ねられたが、
普段よりボリュームのある食事に胃がびっくりしている。
塊肉も味の濃さ、手間暇かかっていそうな味わいは
食べる機会が少ない。
普段のスープならかけらが入っていれば良い方。
がっつきすぎたかと思ったが、食事量の差を感じた、
身体を作るなら、食事からだろうか。
「紅茶を飲まない?」とシュルトの言葉に、淹れるのは任せてもらった。
「美味しいわ。淹れるの上手ねェ」
「ん、まあまあだね。」
食後にお茶を飲めるなんて、贅沢だ。
あっさりとした味の紅茶が気分をスッキリさせてくれる。
果実水を飲んだロードが、この後の予定を確認した。
「俺ら3人で森を周ってくる。採取でなんかいるもんあったか?」
「買い揃えたし、特にはないカシラ?」
「そうだねー。」
「クルル…」と鳴いた方を見るとヴァルトが
木の実を啄んでいる。
「乾燥果物ならあるケド、新鮮なものがあれば良いわネ」
果物好きなのかな?あげてみたい。気持ち和んでいたら、隣から
わしゃわしゃ撫でられる。
「セリが食えるもんも採ってくるな!」
餌付けですか。まあ、好きだけど。酸味効いている果物。
頷いておいた。
結局、ロードとカナン、グスタフとヴァルトで森に入って
夕暮れまでには帰ってくる。
シュルト、キース、自分は待機らしい。
旅の途中で食べられる、作るのに時間がかかるものを作る。
主に煮込み料理や、下処理をするそうだ。
やっと手伝えそうで密かに安心した。
「気をつけて行ってきてね」と送り出したら
ロードに抱きつかれて、なかなか出ていかなかった。
解せぬ。
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