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II-a 王都に向う旅

出発の朝

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朝?
目を開ければ、すでに明るい室内。

ベッドで寝ている。そう…。

寝過ごした!??

ガバリと掛け布から出て、窓の外を見る。
町の人達はもう活動していて、日が燦々とふりしきる。

ヒヤっと肝が冷える。
遅刻じゃないか!?


急いで着替えにかかる。

出られるよう最低限の準備をして、
ロードがまだベッドで寝ていることに気がついた。

声をかけておかないと!

「ロード?」
近づいてもモゾモゾと動いただけで、起きる気配がない。

これは、先に行った方が良いな。
新人が何も手伝わないなんてあり得ないだろ。

階下に向かうことにしたが、誰か上がってくる音がした。

扉から入ってきたのはカナンだった。
「おーう起きてたか!セリちゃん。
今日は出れたんだな。」

前に抱きつかれて出れなかった時のことだろう
「おはよう御座います。」と挨拶して、手伝いに向かいたいと伝えたが、

「1番の仕事を任せたい。」と肩に手を置かれる。
なんだろう?新人向けの試験だろうか?キリッと気持ちを入れ直す。

「ロードを起こしてくれ。」

寝ているロードを指差された。
ん?

「アイツな。起こされんのが嫌いなんだわ。
起き抜けは機嫌が悪くてな~。セリちゃんなら大丈夫!頼むわ!」


頼まれたのでお起しにかかった。

「ロード、…起きて?」
声をかけると、顔を向ける。
ボーッとした目でまだ起きている状態に見えなかった。

「ロード?」と手を振ってみる

スッと手を掴まれそうだったので、避けた。

む~。ちょっと不機嫌な顔になった。
孤児院で小さい子を起こした時の顔を思い出した。

成人した男性に向かって失礼だろうか。
「起きて?」とちょっとほっこりした気分になりながら言えば


ちょっと驚いたような表情になって、頭も起きたようだ。
「おはよう、セリ」と笑顔なので、

ちょっとドキッとした。
色っぽさを感じる。


「起きたかよ?」

「あ“?・・あ、カナンか。」

「おうオレだ。起きとけ。」
「はいよ~。セリ着替え手伝ってくれないか?」冗談めかして言えば、
「ジャレついてないで、用意しろって。」
カナンにバッサリと言葉を切られていた。

ロードの準備は早く、3人で階下へ。



「アーラ早かったわネ?」

う、皮肉が入ってるかもしれない。来るのが遅かったから。

謝る前に、
「セリちゃんのお・か・げ!ロードが起きて準備終わってんだぜ?
快挙だ快挙!」

楽しそうに言っている。

「遅くなってごめんなさい」これは、新人として不味い。

「アラ?大丈夫ヨ、用事もないし。ロードの面倒見てくれるだけで御の字なんだかラ!!」

んー。どう言うこと??

「ロードな、起きねえんだわ。」

曰く、
種族の特性で竜人は、寝起きが悪い。
ロードはマシな方で、寝付きもいいし、起きる時は起きる。

だが、宿で休んでいる時は大変で、なかなか起きない。
起きても機嫌が悪い。

暴れるわけじゃないが、ピリピリしてるらしい。


その人、誰ですか?
自分の背にくっついている人じゃないですよね。

ね?
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