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番外編
教会の子どもたち
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女の子が言った
「ルカ、今日のお仕事逃げないでよ!」
男の子が応える
「オレがいつ逃げたんだよ、シーナ!」
いつものことだけど、
ケンカになっていくので
ボクが間に入った。
「ルカがいてくれれば、早く終わるね」
「アイハンは、わかってる!」
ボクの弟は後ろに隠れてもじもじしちゃうタイプだから
(商人の子としては慎重さが大事だと思うけど。)
ルカの単純さは、面白い。
「冒険者ギルドに行ってくる」
とセリさんが来た。朝食はすでに食べ終わっていたらしい。
「冒険者ギルド!
セリだけずりい」とルカが叫んだ。
将来、冒険者登録したいと言っているから
たまに付いていっている。仕事から逃げたいのかな。
「仕事と調べ物」
セリさんは、端的に答えた。
付いてきてもヒマだろうってことだ。
商業ギルドならボクが付いて行くけど。
父が商人として登録しているし、未だに母と弟共に
・・行方がわかっていない。
「アイハン。昼から、商業ギルドへ行く。」
気を遣わせちゃったらしい。
ボク一人で行くのは止められている。
まだ慣れていないからって理由でね。
「じゃあ、一緒に行きたいです。」とにこやかに応えた。
セリさんの知識量、所作は町の人のものじゃない。
貴族かな。
父から貴族に関わるときは慎重に!
と言われている名前が出てきただけでも。
昔話と一緒に注意点を聞いていた。
まあ、知らないフリも大事。
ーーー
(誰だろう?)
嫌な雰囲気だな
セリが孤児院を出るところで
立ち去っていった男を見た。
……その後、
冒険者ギルドに衛兵が来ていた。
指名手配を張り出すらしい。
似てる。
「この人、お兄さんくらいの背丈で、猫背?」
衛兵の1人に聞く。
「ああ!そうだ。」
「教会を見てた。」と少し話して別れた。
・・・
「子どもの言うことですよ?」と若い方が言っている。
「市民からの通報だ。」
と先輩衛兵の方は言い切った。
そんな一幕があったものの
セリは教会に帰っていった。
昼から商業ギルドへ
アイハンと出た時、見られている感覚が、不穏だった。
ーーー次の日
雨の日は手持ち無沙汰。
内職には良いんだけどね。
子どもの手伝いは少なくなる。
「夜のお客さん対策」とセリさんが言い出した。
よくよく聞くと、
孤児院の警備を見直したいらしい。
変な人を見て、指名手配の人物かも
と。
「オレがここを守る!」
男の子、ルカは乗り気だ。
「危ないことはしちゃダメってシスターが…。」
シーナは大人に頼ろうと言っている。
「正解だと思うけど、十分じゃない。
自分たちができることをする必要がある。」
と真剣な目をしていた。
「ルカは侵入者がいないか、監視。
守るのが目的だ。」
「オレが守る!任しとけ。」
「シーナは赤ちゃんたちの安全確保」
「うん」と気丈に応えた。
すごいリーダーシップだな、セリさん。
「アイハンは他の子と一緒
安心させて、変に動かないよう」
「シスター長のが危ないかも
大胆に動く時があるからね」とボクが言うと、
4人で頷きあった。それぞれ、思うところがあるらしい。
商人の子として自衛の意識はわかるつもり。
腕っ節はイマイチだけど
なるべく冷静な判断で動こう。
「避難場所は町のこっち側」
商売ギルドの方が近いな。
小さい子が多いから移動は近いのが良いね。
「やってみるか」とセリさんに反対はなかった。
雨の日っていうのは、結構ヒマなんだよね。
夕方まで動きを確認したり
状況や身を守るものを考えたりして過ごしていた。
ーーーその夜
本当に“夜のお客さん”が来たのは
予言だったのかと思ったよ。
セリさんが気がついてこっそり合図していった。
ベッドに入る時間
まだ起きている子もいる
ルカは皆んなに気づかれないよう、セリさんと見張りに行った
訓練では、次にシーナに声をかけにいって
ボクたちは待機。
皆んなと
少しお話しをしたり、一人で動くことがないように気を配った。
妙な音は聞こえてこない。
静かな夜だ。
でも、
2人
ルカがロープで足をひっかけ倒し、セリさんがもう1人を確保。
近くの宿にいた冒険者の人たちを呼んで、連れていかれた。
後に、もう1人セリさんが見た男も捕まったらしい。
後日、
シスター長から
危ないことはしてはダメです
と言われつつ
ありがとう
と言われて照れくさかった。
ちゃんと釘さしとかないとルカは調子にのるよ?
セリさんが相手をしていた。
ーわかったことがある。
やってきた男たちは、ボクを狙っていたって。
母と弟が生きている
父には嫌疑がかけられていたと聞いた。
生きているんだから、そこのところは
直接聞いてみよう。
この町で父が母と弟を連れて来るのを
教会で世話になって待つことになった。
そんなこんながあってしばらく
「寂しいわ」
とシーナがしょげている。
セリさんが
冒険者として出て行くって。
「まあ、セリがいると肉が増えるから
ちょくちょく帰ってこれば良いや。」
と強がりを言うルカ。
なるべく帰って来てくれるセリさん。
その時どきで、セリさんと商売の話をして
実際、ちょっと利益を上げれたり
とても勉強になった。
そんな教会の子たちと元気にやってます。
「ルカ、今日のお仕事逃げないでよ!」
男の子が応える
「オレがいつ逃げたんだよ、シーナ!」
いつものことだけど、
ケンカになっていくので
ボクが間に入った。
「ルカがいてくれれば、早く終わるね」
「アイハンは、わかってる!」
ボクの弟は後ろに隠れてもじもじしちゃうタイプだから
(商人の子としては慎重さが大事だと思うけど。)
ルカの単純さは、面白い。
「冒険者ギルドに行ってくる」
とセリさんが来た。朝食はすでに食べ終わっていたらしい。
「冒険者ギルド!
セリだけずりい」とルカが叫んだ。
将来、冒険者登録したいと言っているから
たまに付いていっている。仕事から逃げたいのかな。
「仕事と調べ物」
セリさんは、端的に答えた。
付いてきてもヒマだろうってことだ。
商業ギルドならボクが付いて行くけど。
父が商人として登録しているし、未だに母と弟共に
・・行方がわかっていない。
「アイハン。昼から、商業ギルドへ行く。」
気を遣わせちゃったらしい。
ボク一人で行くのは止められている。
まだ慣れていないからって理由でね。
「じゃあ、一緒に行きたいです。」とにこやかに応えた。
セリさんの知識量、所作は町の人のものじゃない。
貴族かな。
父から貴族に関わるときは慎重に!
と言われている名前が出てきただけでも。
昔話と一緒に注意点を聞いていた。
まあ、知らないフリも大事。
ーーー
(誰だろう?)
嫌な雰囲気だな
セリが孤児院を出るところで
立ち去っていった男を見た。
……その後、
冒険者ギルドに衛兵が来ていた。
指名手配を張り出すらしい。
似てる。
「この人、お兄さんくらいの背丈で、猫背?」
衛兵の1人に聞く。
「ああ!そうだ。」
「教会を見てた。」と少し話して別れた。
・・・
「子どもの言うことですよ?」と若い方が言っている。
「市民からの通報だ。」
と先輩衛兵の方は言い切った。
そんな一幕があったものの
セリは教会に帰っていった。
昼から商業ギルドへ
アイハンと出た時、見られている感覚が、不穏だった。
ーーー次の日
雨の日は手持ち無沙汰。
内職には良いんだけどね。
子どもの手伝いは少なくなる。
「夜のお客さん対策」とセリさんが言い出した。
よくよく聞くと、
孤児院の警備を見直したいらしい。
変な人を見て、指名手配の人物かも
と。
「オレがここを守る!」
男の子、ルカは乗り気だ。
「危ないことはしちゃダメってシスターが…。」
シーナは大人に頼ろうと言っている。
「正解だと思うけど、十分じゃない。
自分たちができることをする必要がある。」
と真剣な目をしていた。
「ルカは侵入者がいないか、監視。
守るのが目的だ。」
「オレが守る!任しとけ。」
「シーナは赤ちゃんたちの安全確保」
「うん」と気丈に応えた。
すごいリーダーシップだな、セリさん。
「アイハンは他の子と一緒
安心させて、変に動かないよう」
「シスター長のが危ないかも
大胆に動く時があるからね」とボクが言うと、
4人で頷きあった。それぞれ、思うところがあるらしい。
商人の子として自衛の意識はわかるつもり。
腕っ節はイマイチだけど
なるべく冷静な判断で動こう。
「避難場所は町のこっち側」
商売ギルドの方が近いな。
小さい子が多いから移動は近いのが良いね。
「やってみるか」とセリさんに反対はなかった。
雨の日っていうのは、結構ヒマなんだよね。
夕方まで動きを確認したり
状況や身を守るものを考えたりして過ごしていた。
ーーーその夜
本当に“夜のお客さん”が来たのは
予言だったのかと思ったよ。
セリさんが気がついてこっそり合図していった。
ベッドに入る時間
まだ起きている子もいる
ルカは皆んなに気づかれないよう、セリさんと見張りに行った
訓練では、次にシーナに声をかけにいって
ボクたちは待機。
皆んなと
少しお話しをしたり、一人で動くことがないように気を配った。
妙な音は聞こえてこない。
静かな夜だ。
でも、
2人
ルカがロープで足をひっかけ倒し、セリさんがもう1人を確保。
近くの宿にいた冒険者の人たちを呼んで、連れていかれた。
後に、もう1人セリさんが見た男も捕まったらしい。
後日、
シスター長から
危ないことはしてはダメです
と言われつつ
ありがとう
と言われて照れくさかった。
ちゃんと釘さしとかないとルカは調子にのるよ?
セリさんが相手をしていた。
ーわかったことがある。
やってきた男たちは、ボクを狙っていたって。
母と弟が生きている
父には嫌疑がかけられていたと聞いた。
生きているんだから、そこのところは
直接聞いてみよう。
この町で父が母と弟を連れて来るのを
教会で世話になって待つことになった。
そんなこんながあってしばらく
「寂しいわ」
とシーナがしょげている。
セリさんが
冒険者として出て行くって。
「まあ、セリがいると肉が増えるから
ちょくちょく帰ってこれば良いや。」
と強がりを言うルカ。
なるべく帰って来てくれるセリさん。
その時どきで、セリさんと商売の話をして
実際、ちょっと利益を上げれたり
とても勉強になった。
そんな教会の子たちと元気にやってます。
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