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I 育った町で冒険者
2日目
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外では日が昇った頃らしい。
起きて簡単に食事をする。
身体をほぐしてから、今日は20階層のボス攻略からだ。
今回の主力は、カナンとシュルトの2人。
「ここでズバッと!オレの強さをセリちゃんに見せなきゃ~。」
「今日ここを過ぎたら、待ちでショ?ここら辺で肩慣らししたいワ」
とのこと。
キースは「ボクは温存だからね」と、さっさとやってねといった感じだ。
温存は魔力のことだろうか。
昨日、お湯をだしてくれたけどあれは無駄遣いではないの?
ロードが「森で走り回る前の運動になるのか?」とカナンに言えば
「まー、広いトコでちょいと動いとこうってねー。」
と洞窟とダンジョン型の閉塞感から解放されたいようだ。
ここの森ダンジョンは、一般的なダンジョンからいって狭い。広さも天井の高さも。
階層はあるものの、変わりばえがあまりせず、虫の魔物が多い。
ダンジョン専門の手練れチームには、飽き飽きするだろう。
自分は後ろで見学。とセリは投降用武器の具合を確かめた。
出番なんてないだろうけどと思っても、準備は大事。
ーボス部屋
ひと言で説明すると、近距離攻撃で一気に叩いた。
飛んでいた蛾の魔物が20階層のボス。
一体出てきて、鱗粉が飛んでいるのがわかる。
状態異常に気をつける、その前に。
盾で防ぎながら、接近。
カナンを足場に跳躍したシュルトは、鞭で羽を狙った。
風の魔法の斬撃がでて羽ごともがれた蛾は
ベシャリっと事切れた。
出てきて1ターンで終わり。
ボスが身体を軽く動かす程度にもなっていなかったようだ。
宝箱には、
痺れとりの魔法具(弱)
いよいよ、森のフィールドだ。
ーーーー
昼の様に明るい森
ダンジョンの中と言うのを忘れそうだが、天井はあるのだ。
森のフィールドは知らぬ間に、徐々に体力を奪われる。
毒持ちにやられたり、麻痺を無視して他の魔物に遅れをとったりと。
油断が死につながる。虫除けの粉をまぶした。
明るく広いちょっとの開放感を感じつつも身を引き締める。
と、目に前に壁ができた
「おし!セリ!!」とロードが手を広げている。
森のフィールドからは自分とキースが運ばれての移動だ。
ロードはいわゆる、お姫様抱っこをしようとしている。
両手がふさがるのは、問題だと思うのだが。
ちらりともう一方を見ると
向こうは負ぶさっている。
カナンがキースを荷物扱いしている。文句を言われている。
「ダイジョウブよロードなら避けれるし、落とすようなトロいことしないワ。」
先にシュルト
ロード(セリを姫抱っこ)、カナン(キースを背負う)
グスタフの順で走るらしい。
・・遂に、走るらしい。
地図をちらりと見れる体制で便利と前向きに。
風に耐えて走っていった。
ーーー26階層
………やっと着いた。
走ってないけど、息が荒くなる。
足がガクガクする。
町の時とは違い上下の揺れや浮遊感はなかったが、
前からくる風が強かった。
「速かったなあ」と楽しそうにカナンがキースを降ろしていた。
「酔った?大丈夫?」とキースにシュルトが声をかけた。
負ぶった状態では上下に揺れたらしい。
オツカレサマ。
自分はグスタフに
ジッと見られる
?
「大丈夫だな?」とロードが確認する。
足はガクつくけど元気だ。
コクンと大丈夫の意味で頷いた。
グスタフに撫でられる。
ムゥっとしたロードも撫でてきた。
??
「おし!ロード~、勝負しようぜえ!!」
とカナンは早々に探索へ行くらしい。
この階の森の広さはなかなかのものだ。
どうやってこの場所に戻ってくるのか?
「今日の昼飯、何だ?」とロードがグスタフに聞いている。
グスタフは料理の準備をするらしい。
「トマト煮だ。」
「匂いでわかる料理だな!」とカナンが言った。
料理の匂いを目印に帰ってくるらしい。
鼻が良くないと無理だな。
風の流れは密閉空間のため入り口から出口にだいたい行くらしい。
食事の準備を手伝う。
「手慣れてるわネェ」とシュルトが褒める。
できたので先に食べることになった。
食べながら
「30階層までに薬草は何がある?」とキースにこたえる。
「薬草が欲しいの?」
「あったらいいかなって…」
とシュルトとキースで話しをしている
自分は
グスタフのところへ行った。
ー
料理に魔法が使われる。
魔力量を気にして戦闘以外に使わない魔法使いも多い。
それに比べて、贅沢な使い方だなと思った。
ストック用の料理を作るらしい。
煮込み料理からはじめた。
素材が高いだろうな
と思いつつ、リズミカルな音を横に、野菜や木の実を刻んでいった。
ロードが戻り、カナンも帰ってきた。食事をしながら打ち合わせをする。
「キラウェーブ草は見つけたが、量がもっと欲しい。」と採取した分が入った袋を出した。
「オレはあの奥をもっと進んでみるわー。」
戻って上の階も見てくることも検討し始めた。
そこへ「虫除け、塗る」とセリが塗り直しを勧める。ここは香を焚いているが
森に分け入るなら塗り薬の方が安心だ。
「甲斐甲斐しい番で果報者だ」
とロードが手を握って見つめてきたので
目線を外してしまった。
負けた気がする。
背中を見る。古傷があるが赤い腫れや虫刺されはない。
ススっと背中全体に塗ったところ、
「オレもぉ~」と言ったカナンに
ギロリと殺気がこもった瞳のロードに睨まれていた。
「番を持つとロードでもああなるんだな~。……コエェ。」と震えていた。
起きて簡単に食事をする。
身体をほぐしてから、今日は20階層のボス攻略からだ。
今回の主力は、カナンとシュルトの2人。
「ここでズバッと!オレの強さをセリちゃんに見せなきゃ~。」
「今日ここを過ぎたら、待ちでショ?ここら辺で肩慣らししたいワ」
とのこと。
キースは「ボクは温存だからね」と、さっさとやってねといった感じだ。
温存は魔力のことだろうか。
昨日、お湯をだしてくれたけどあれは無駄遣いではないの?
ロードが「森で走り回る前の運動になるのか?」とカナンに言えば
「まー、広いトコでちょいと動いとこうってねー。」
と洞窟とダンジョン型の閉塞感から解放されたいようだ。
ここの森ダンジョンは、一般的なダンジョンからいって狭い。広さも天井の高さも。
階層はあるものの、変わりばえがあまりせず、虫の魔物が多い。
ダンジョン専門の手練れチームには、飽き飽きするだろう。
自分は後ろで見学。とセリは投降用武器の具合を確かめた。
出番なんてないだろうけどと思っても、準備は大事。
ーボス部屋
ひと言で説明すると、近距離攻撃で一気に叩いた。
飛んでいた蛾の魔物が20階層のボス。
一体出てきて、鱗粉が飛んでいるのがわかる。
状態異常に気をつける、その前に。
盾で防ぎながら、接近。
カナンを足場に跳躍したシュルトは、鞭で羽を狙った。
風の魔法の斬撃がでて羽ごともがれた蛾は
ベシャリっと事切れた。
出てきて1ターンで終わり。
ボスが身体を軽く動かす程度にもなっていなかったようだ。
宝箱には、
痺れとりの魔法具(弱)
いよいよ、森のフィールドだ。
ーーーー
昼の様に明るい森
ダンジョンの中と言うのを忘れそうだが、天井はあるのだ。
森のフィールドは知らぬ間に、徐々に体力を奪われる。
毒持ちにやられたり、麻痺を無視して他の魔物に遅れをとったりと。
油断が死につながる。虫除けの粉をまぶした。
明るく広いちょっとの開放感を感じつつも身を引き締める。
と、目に前に壁ができた
「おし!セリ!!」とロードが手を広げている。
森のフィールドからは自分とキースが運ばれての移動だ。
ロードはいわゆる、お姫様抱っこをしようとしている。
両手がふさがるのは、問題だと思うのだが。
ちらりともう一方を見ると
向こうは負ぶさっている。
カナンがキースを荷物扱いしている。文句を言われている。
「ダイジョウブよロードなら避けれるし、落とすようなトロいことしないワ。」
先にシュルト
ロード(セリを姫抱っこ)、カナン(キースを背負う)
グスタフの順で走るらしい。
・・遂に、走るらしい。
地図をちらりと見れる体制で便利と前向きに。
風に耐えて走っていった。
ーーー26階層
………やっと着いた。
走ってないけど、息が荒くなる。
足がガクガクする。
町の時とは違い上下の揺れや浮遊感はなかったが、
前からくる風が強かった。
「速かったなあ」と楽しそうにカナンがキースを降ろしていた。
「酔った?大丈夫?」とキースにシュルトが声をかけた。
負ぶった状態では上下に揺れたらしい。
オツカレサマ。
自分はグスタフに
ジッと見られる
?
「大丈夫だな?」とロードが確認する。
足はガクつくけど元気だ。
コクンと大丈夫の意味で頷いた。
グスタフに撫でられる。
ムゥっとしたロードも撫でてきた。
??
「おし!ロード~、勝負しようぜえ!!」
とカナンは早々に探索へ行くらしい。
この階の森の広さはなかなかのものだ。
どうやってこの場所に戻ってくるのか?
「今日の昼飯、何だ?」とロードがグスタフに聞いている。
グスタフは料理の準備をするらしい。
「トマト煮だ。」
「匂いでわかる料理だな!」とカナンが言った。
料理の匂いを目印に帰ってくるらしい。
鼻が良くないと無理だな。
風の流れは密閉空間のため入り口から出口にだいたい行くらしい。
食事の準備を手伝う。
「手慣れてるわネェ」とシュルトが褒める。
できたので先に食べることになった。
食べながら
「30階層までに薬草は何がある?」とキースにこたえる。
「薬草が欲しいの?」
「あったらいいかなって…」
とシュルトとキースで話しをしている
自分は
グスタフのところへ行った。
ー
料理に魔法が使われる。
魔力量を気にして戦闘以外に使わない魔法使いも多い。
それに比べて、贅沢な使い方だなと思った。
ストック用の料理を作るらしい。
煮込み料理からはじめた。
素材が高いだろうな
と思いつつ、リズミカルな音を横に、野菜や木の実を刻んでいった。
ロードが戻り、カナンも帰ってきた。食事をしながら打ち合わせをする。
「キラウェーブ草は見つけたが、量がもっと欲しい。」と採取した分が入った袋を出した。
「オレはあの奥をもっと進んでみるわー。」
戻って上の階も見てくることも検討し始めた。
そこへ「虫除け、塗る」とセリが塗り直しを勧める。ここは香を焚いているが
森に分け入るなら塗り薬の方が安心だ。
「甲斐甲斐しい番で果報者だ」
とロードが手を握って見つめてきたので
目線を外してしまった。
負けた気がする。
背中を見る。古傷があるが赤い腫れや虫刺されはない。
ススっと背中全体に塗ったところ、
「オレもぉ~」と言ったカナンに
ギロリと殺気がこもった瞳のロードに睨まれていた。
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