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I 育った町で冒険者
顔合わせ
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ギルドの部屋でリリーと話していたら、
宣言通り、迎えに来た男。
『竜の翼』メンバーの1人も後ろにいた。
他のメンバーもいるとのことで、ギルドの図書室へ移動する。
お姫様抱っこで。
セリは遠い目をした。
ベッドから出ようと思ったら、男
ロードが「俺が抱えて行く!」と言いだした。
最初は、腰のところで抱え込まれたんだ。片手で。
配達物みたいな気分になった。
後ろにいたメンバー
「何やってんのヨ!そこはお姫様抱っこでショ!!」
とこうなった訳だ。
部屋にいたリリーは、
苦虫を噛んだような顔をしている
ごめん。またお茶しよう。ケーキもつけるから。
とリリーへ視線を交わしておいた。
こうして今日も無抵抗で連れ去られるのだった。
ーーーギルド図書室
移動すると
2人の男が見えた。
机に地図を広げて微動だにしない長身の男と、
図鑑を見ている筋肉質の男。
図鑑から目を上げた男が声をかける
「おう、ロード!その子が番か?」
「ああ。俺のもんだ。」と答えた
ロードという人はギュッと自分に力を込めた。
筋肉に挟まれると痛い。
不快げな表情を作ったら
「チョット、緩めなさい。」とロードを小突いてくれた。
「シュルト?お前もいたのか」と同じ男が声をかけると、
「ええ。ストッパーが必要だから。」とギロリとセリの頭の上を睨んだ。
腕が緩んだのでフーとひと息ついて話しかける
「シュルトさんありがとう」と意識してにこりと微笑みかけた
上で 「俺は?俺の名前!呼んでくれ 」と、うるさい。
「何やったんだよ~ロードぉ」と軽い調子で男が笑って、尻尾が愉快げに揺れる。獣人、狼?
もう1人はまだ声を聞いていない。
未だに地図を見つめていた。
「グスタフ~戻ってこーい。」と呼ぶ狼男。
呼ばれた男はこちらをチラリと見た後、
「…ああ。」と呟いて、再び地図に向かいあった。
・・ページのめくる音がする。
「キースはドコ?」
と気にも止めない調子で、話を進めるシュルトさん。
「なあ、こっち向いてくれ。ちょっとだけでいいから!」
上はまだ、うるさい。
「キースはポーションを見にギルド内の店に行った。
もぉー、帰ってくると思うけど…」
「ちょっと、五月蝿いよ!」と入ってきたのは
銀髪の若い・・男性だ。
自分より年上だと思う。
魔法使いの出で立ちのローブで全体的に、白い服装だ。
珍しいプラチナブロンド。
「何騒いでるの?って
ああ。その子にしたの?案内係。」
そう、依頼の件で話を聞きに来たのだ。
そろそろ、顔合わせとクエストの話をしたい。
やっと地面に足をつけた。今までお姫様抱っこのままだったんだ。
「改めて、
セリ Dランクの職業シーフ。
森のダンジョンでの案内が依頼でしたね?」
よそ行きの話し口調に切り替えた。
後ろから抱きついている男を背負っているような形だが
挨拶、大事。
「しっかりしてんねえ
オレはカナン
狼にの獣人、盾持ちの前衛だ!」
「グスタフだ。」と今度はこっちを見て言った。
「キースだよ。回復できる魔法使い。」
「『竜の翼』リーダーのロードだ。名前を!呼んでくれ!!」1人、必死さが滲んだ。
「…………ロード。首がいたい。」と、初めての意思疎通を達成した。
スパンっ!とロードの腕が叩かれた音の後に、
「コイツのストッパー!シュルトよ。役目は斥候の筈なんだけどネ!」
頷いて了解の意を伝えてから、
解放された首を回した。
・・・
ギルドの図書室には
この地域の資料がが集められている。
「今回の目的は?」と聞けば、
「キラウェーブ草よ
乾燥させていない生のものを結構な量欲しいの。」とシュルトさんが答える。
採取目的を踏まえて、
ざっと森のダンジョンの説明をした。
「ダンジョンの入り口までは馬車で行ける。
10階のボス部屋までは洞窟型。
土の洞穴で道がわかりずらくて暗い。
ボスは大鎌カマキリのオス・メス(子分付き)
20階はダンジョン型。
石畳で、飛び道具系の罠と落とし穴のコンボが厄介。
広さはないけど、脇道が多い。
ボスは蛾の魔物で状態異常の魔法を使う。
25階層からは森のフィールド
毒持ちの魔物がうろついている。
目的の薬草は26階での採取が多い。」
「じゃあ目的は26階。
なんでこんなダンジョンにレベル制限があるの?」と銀髪の頭を傾げたキース。
「トラップで下層にひとりで落ちてしまう冒険者がいるから。
9階から36階まで降りた例もある。」と報告例は1件だがレベルが低い冒険者が、単独にされる罠は
命に関わる。
「落とし穴でか?」と聞くカナンに
首を横に振る「スライダーで。」滑り落ちたという報告だった。
落ちたのはベテランだった(幸いにも!)腰痛が再燃したため冒険者を辞め、今は元気に商売している。
「落とし穴に落ちた方が近かったりして?」とカナンの言葉に、
「針山のトラップが隠れてたり
森のダンジョンで方向がわからないまま放り出される
オススメしない」
と、端的に答えた。
やっと、リーダーがクエストに対しての口を開く。
「3日で26階層
そのまま進んで30階からリターンだな。」
と言い出した。
宣言通り、迎えに来た男。
『竜の翼』メンバーの1人も後ろにいた。
他のメンバーもいるとのことで、ギルドの図書室へ移動する。
お姫様抱っこで。
セリは遠い目をした。
ベッドから出ようと思ったら、男
ロードが「俺が抱えて行く!」と言いだした。
最初は、腰のところで抱え込まれたんだ。片手で。
配達物みたいな気分になった。
後ろにいたメンバー
「何やってんのヨ!そこはお姫様抱っこでショ!!」
とこうなった訳だ。
部屋にいたリリーは、
苦虫を噛んだような顔をしている
ごめん。またお茶しよう。ケーキもつけるから。
とリリーへ視線を交わしておいた。
こうして今日も無抵抗で連れ去られるのだった。
ーーーギルド図書室
移動すると
2人の男が見えた。
机に地図を広げて微動だにしない長身の男と、
図鑑を見ている筋肉質の男。
図鑑から目を上げた男が声をかける
「おう、ロード!その子が番か?」
「ああ。俺のもんだ。」と答えた
ロードという人はギュッと自分に力を込めた。
筋肉に挟まれると痛い。
不快げな表情を作ったら
「チョット、緩めなさい。」とロードを小突いてくれた。
「シュルト?お前もいたのか」と同じ男が声をかけると、
「ええ。ストッパーが必要だから。」とギロリとセリの頭の上を睨んだ。
腕が緩んだのでフーとひと息ついて話しかける
「シュルトさんありがとう」と意識してにこりと微笑みかけた
上で 「俺は?俺の名前!呼んでくれ 」と、うるさい。
「何やったんだよ~ロードぉ」と軽い調子で男が笑って、尻尾が愉快げに揺れる。獣人、狼?
もう1人はまだ声を聞いていない。
未だに地図を見つめていた。
「グスタフ~戻ってこーい。」と呼ぶ狼男。
呼ばれた男はこちらをチラリと見た後、
「…ああ。」と呟いて、再び地図に向かいあった。
・・ページのめくる音がする。
「キースはドコ?」
と気にも止めない調子で、話を進めるシュルトさん。
「なあ、こっち向いてくれ。ちょっとだけでいいから!」
上はまだ、うるさい。
「キースはポーションを見にギルド内の店に行った。
もぉー、帰ってくると思うけど…」
「ちょっと、五月蝿いよ!」と入ってきたのは
銀髪の若い・・男性だ。
自分より年上だと思う。
魔法使いの出で立ちのローブで全体的に、白い服装だ。
珍しいプラチナブロンド。
「何騒いでるの?って
ああ。その子にしたの?案内係。」
そう、依頼の件で話を聞きに来たのだ。
そろそろ、顔合わせとクエストの話をしたい。
やっと地面に足をつけた。今までお姫様抱っこのままだったんだ。
「改めて、
セリ Dランクの職業シーフ。
森のダンジョンでの案内が依頼でしたね?」
よそ行きの話し口調に切り替えた。
後ろから抱きついている男を背負っているような形だが
挨拶、大事。
「しっかりしてんねえ
オレはカナン
狼にの獣人、盾持ちの前衛だ!」
「グスタフだ。」と今度はこっちを見て言った。
「キースだよ。回復できる魔法使い。」
「『竜の翼』リーダーのロードだ。名前を!呼んでくれ!!」1人、必死さが滲んだ。
「…………ロード。首がいたい。」と、初めての意思疎通を達成した。
スパンっ!とロードの腕が叩かれた音の後に、
「コイツのストッパー!シュルトよ。役目は斥候の筈なんだけどネ!」
頷いて了解の意を伝えてから、
解放された首を回した。
・・・
ギルドの図書室には
この地域の資料がが集められている。
「今回の目的は?」と聞けば、
「キラウェーブ草よ
乾燥させていない生のものを結構な量欲しいの。」とシュルトさんが答える。
採取目的を踏まえて、
ざっと森のダンジョンの説明をした。
「ダンジョンの入り口までは馬車で行ける。
10階のボス部屋までは洞窟型。
土の洞穴で道がわかりずらくて暗い。
ボスは大鎌カマキリのオス・メス(子分付き)
20階はダンジョン型。
石畳で、飛び道具系の罠と落とし穴のコンボが厄介。
広さはないけど、脇道が多い。
ボスは蛾の魔物で状態異常の魔法を使う。
25階層からは森のフィールド
毒持ちの魔物がうろついている。
目的の薬草は26階での採取が多い。」
「じゃあ目的は26階。
なんでこんなダンジョンにレベル制限があるの?」と銀髪の頭を傾げたキース。
「トラップで下層にひとりで落ちてしまう冒険者がいるから。
9階から36階まで降りた例もある。」と報告例は1件だがレベルが低い冒険者が、単独にされる罠は
命に関わる。
「落とし穴でか?」と聞くカナンに
首を横に振る「スライダーで。」滑り落ちたという報告だった。
落ちたのはベテランだった(幸いにも!)腰痛が再燃したため冒険者を辞め、今は元気に商売している。
「落とし穴に落ちた方が近かったりして?」とカナンの言葉に、
「針山のトラップが隠れてたり
森のダンジョンで方向がわからないまま放り出される
オススメしない」
と、端的に答えた。
やっと、リーダーがクエストに対しての口を開く。
「3日で26階層
そのまま進んで30階からリターンだな。」
と言い出した。
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