【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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番外編

セリュートの話[教会の家]

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数日後、
教会でひっそりと葬儀が行われたのを隠れて見ていた。
自分の葬儀だ。当主を名乗る男が花を墓穴へ放り込み、去っていった。
後はザクザクっと土が被される音が響いていた。
牧師様が花を手向けている。

女性の死体が入った棺は安寧を得たのだ。
ご冥福をお祈りします。


さて
貴族の自分は死んで、別の同時期に亡くなった女性を見送ったので、
これからどう生きていくか考えなければ。

ぼんやり教会にいたら
女の子に話しかけられた。

花咲くような笑顔とはこういうものか。
名前を聞かれたので

「セリ…」
と途中で止まってしまった。

そのままセリと言う名前に認識された。

「セリおねえちゃん」と呼ばれた。

そうか。
貴族ではなくなったんだ。

もう。後継者の振る舞いはしなくていいし
授業も、書類を書く必要もない。

ここで変わることができそうだと
気持ちが切り替えられた。

ここで、セリになるんだ。
教会で祈る。新しい門出の報告だ。


当面は、体力の回復とここでの暮らしに慣れることを言われた。
小さい子の相手
癇癪を起こし畏れられている子
全く怖くない。当主と名乗る男やたまに来る夜のお客さんとは大違いだ。

根気よく相手をしたらしい。
いたずらっ子や閉じこもりがちな子

と関わるうちに、面倒見の良い子という評価に自分はなった。

正直、よくわからない。
その子たちの相手はしたが、交流しただけという認識なので
評価が合っているのか基準が謎である。

そんな交流の他、色々な手伝いをした。
料理、洗濯、教会の掃除、バザーの店番など初めてのことばかりだったが
丁寧に教えてもらえたのですぐに慣れた。
計算ができるため、店番をよく頼まれお土産をもらうことも多かった。

町の人は、教会の子として目をかけてくれる。
町の行事の手伝い

年齢を下に見られていたらしい。
そんなに小さいだろうか?と身長を気にしていたら
肉づきの問題らしい。細く、感情の起伏がないためだとか。

後日、愛想笑いくらいしてみるかとやってみたら
店に客が押し寄せた。迷惑なのでやめることにした。

10歳になったら職業につく
ただ、自分は素性がバレる、生きているのがわかれば連れ戻される可能性が高い。

町を出る必要が出た時に、
生きていける職業

追ってから逃れられる生活

冒険者として力をつけることにした。
能力がある。
伸ばしていく、知識を増やして

成長しないと。
いつでも旅に出られるように。

生きて行けるように
今は、隠れるように息を潜める時だ。
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