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異世界ダイブ

9-②

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次のダイブではミッションを設定する。旅行先を決めること。

「私だけ、違うゲームをしているみたい。」

討伐の内容を見ていたので、余計にそう思う。
2日を過ごして回復した私は、食堂で話を聞けないか来てみた。

チームの人

「最初はダイブに慣れることからだよ?」
「お使いクエストみたいになー」

「走り回ったし、同じところぐるぐるしてさ」

凄く体力勝負だなと感心する。私はバイトでも店舗での勤務で、外を走り回ることはなかった。
その間にも、オススメの場所はどこかと話が続いている。

「あそことか」
「花がいっぱいある」
「そこ防毒マスクが必須じゃないか?」

装備に関わる物も作れないかなと思えてくるけど、特別な技能とか必要そうだ。魔法とか?
ゲームでは使えた魔法も、この世界じゃゲーム内だし向こうではさっぱり。

いや、使おうとも思いつかなかった。今度は試してみようかな?

色々紹介してくれるけど、全部討伐と魔物関係。カイナにとって危険地帯ばかりだった。魔法が使えたとしても、上手く出せなくて魔物にパクリとされそう。

命はひとつだし、そんな経験要らないので回避一択だ。

「観光地かあ。全然、行ったことないな。」

「山か森か海?」
「俺、向こうの海なんて見たことないや。」
「魔物より海の男が面倒だぞ」


いろんな情報が出てくるけど、私には行けそうにないところだ。護衛がいても遠慮したい。魔物を乗りこなした話はちょっと興味が湧いた。飛ぶのは怖いけど。

「商業地帯は装備を探しにいったな」

「山まで鉱石取りに行けってミッションだったじゃん」
「俺の分までオツー」

「てめえ、オレの欲しい素材とってこいよ!」

こづきあって言い合うのは、勢いがある。だって、ガタイが良いし、筋肉の音もすごい。
戯れているらしいけど、ちょっと慣れない光景。1人だけ運動部に迷い込んだ気分。

けど、小柄な白衣の人がひと言。

「カイナさんの店、そこじゃないかな?」

若い研究者さん。

「私の、店。」
ゲーム内での生産物を売っている店の事を言ってるんだろう。

「服飾だっけ?」
「加護付いてないと討伐に来ていくのは無理か」

「街着ならワンチャン」
「こだわりないって言ってたくせに。」

賑やか。
朝食とおやつを食べながら、ミルクティーが甘くて美味しい。

「魔物素材で必要なのある?」
「今のところどう扱って良いかわかりませんし」

「海の貝とかこんなでっかいのがある」


素材として面白そう。市場に流れてきていたものも、興味を持って聴いてくれた。

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